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今日は何の日?■ランエボの魅力が誰でも楽しめるAT車登場

2002(平成14)年2月1日、三菱自動車は「ランサーエボリュ―ションVII」に、5速オートマチックトランスミッションを搭載した「GT-A」を設定して販売を開始した。ランエボVII GT-Aは、モータースポーツ愛好者だけでなく、幅広いユーザーにもランエボの魅力を堪能してもらうために設定されたのだ。
WRCを席巻したランエボの輝かしい戦歴
初代「ランサーエボリューション」がデビューしたのは、1992年9月のこと。


WRCに参戦するために「ランサー1800GSR」に、最高出力250ps/最大トルク31.5kgmを発揮する4G63型2.0L直4 DOHCインタークーラーターボエンジンを搭載し、VCU(ビスカスカップリング)センターデフ式フルタイム4WDを組み合わせた。

ランエボベースのWRCマシンは、1993年からWRCグループAに参戦し、その年の最高位はRACラリーとサファリラリーで2位ながらポテンシャルの高さを実証した。1994年に登場した2代目は、エンジンのパワーアップ、さらにサスペンションの改良やボディ剛性アップによって、コーナリング性能を大幅に改良。1995年の第2戦スウェディッシュ・ラリーにおいて、ランエボシリーズ初の優勝を飾った。

続くランエボIIIとIVは、1996年に7戦中5勝を上げ、マキネンは4年連続でドライバーズチャンピオンとなり、また1998年に三菱はマニュファクチャラーズタイトルを獲得するなどして、WRCでの三菱ラリーの黄金時代を築いた。その後も2001年までに、ランエボVが4勝、ランエボVIが5勝、ランエボVI.5(6.5)が3勝を飾った。

4WD仕様をACDに変更して戦闘力を強化したランエボVII

ランエボVIを引き継いだ「ランサーエボリューションVII」は、2001年2月に登場。前年にベースのランサーがモデルチェンジしたため、ランエボも第3世代となる「ランサーセディア」がベースとなった。
ランエボVIIの新ボディは、結合部の補強や専用リーンフォース面との追加、ストラットタワーバーの装着などで剛性を向上。また、構造や形状の最適化やボンネットフード、フロントフェンダーなど大型パーツにアルミ材を採用することで軽量化。さらに大型フロントバンパーエクステンション、サイドエアダム、アンダースポイラー一体型リアバンパー、大型アンダーカバーなどで空力性能も見直された。

エンジンは、伝統の名機4G63型2.0L 直4 DOHC インタークーラーツインターボをチューニングして最高出力280ps/最大トルク39.0kgmを発揮。組み合わせるトランスミッションは、専用セッティングの5速MT。駆動系は、4WDシステムを従来のVCUセンターデフから、高精度な電子制御可変式多板クラッチのACD(アクティブ・センターデフ)に変更し、“ACD+AYC+スポーツABS”は応答性に優れたハンドリング性能と高いトラクションを達成した。

ランエボVIIは、従来通り高性能ロードバージョン「GSR」と競技用ベース車「RS」が用意され、車両価格はそれぞれ299.8万円(GSR)、251.8万円(RS)に設定された。

しかし、技術の進化とは裏腹に、この頃の三菱は経営状況が悪化、レースに十分な資金を投入する余裕がなかた。さらに、WRCのレギュレーションが“Aクラス”から“WRカークラス”に移行したこともあり、ランエボVIIはWRCの舞台に上がることはなかった。
ランエボVIIに扱いやすいAT車GT-A追加


2002年2月のこの日、ランエボVIIのAT車「ランサーエボリュ―ションVII GT-A」が追加された。狙いは、モータースポーツ愛好者だけでなく、幅広いユーザーにもランエボの走りを楽しんでもらうことだった。

エンジンは、もちろんオリジナルのランエボVIIと同じ2.0L 直4 DOHC インタークーラーツインターボだが、AT特性に合わせてチューニングがされた。その結果、最高出力272ps/最大トルク35.0kgmはベースよりも下がっているが、最大出力よりも低中速域でのレスポンスを重視してチューニングされた。トランスミッションは、「ギャランVR-4」に搭載されたINVECS-II スポーツモード5速ATを採用。スポーツモードでは、レバーの前後操作でギアチェンジができ、加えてステアリングホイールに配されるシフトスイッチでもギアチェンジが可能だった。

また、ランエボの運動性能を支える電子制御技術“ACD+AYC+スポーツABS”もGT-A専用のチューニングが施され、車両価格は330万円に設定された。
三菱「ランサーエボリューション」初代~Xまでを画像で見る!
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GT-Aは、ランエボらしい走行性能を持ちながらも、AT車の運転のしやすさで日常的には使いやすいというメリットはあるが、一方でダイレクト感がなく生粋のランエボファンからはチョットと敬遠されたかもしれない。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。


