HRE(WHEELS/USA)
「細部の積み重ねが、最高峰をつくる」

HREは細部への徹底したこだわりによって、世界最高峰のホイールを目指すブランドだ。「他社との違いはひとつではなく、我々のすべてだ」と語るように、発想、設計、素材選定、加工、仕上げまで一切の妥協を許さない。通常であれば3~4時間で終わる工程に、10時間以上を費やすこともあるという。
「正直クレイジーだが、すべては最高を目指すため」とその理由を明かす。高価格であることも事実だが、製品とHREというブランド体験の積み重ねがその価値を証明するのだという。近年は新作を段階的に投入し、幅広い世代や車種に対応できるようラインナップの幅を広げている。オートサロンでは日本のホイールメーカーにも敬意を示し、「デザインの美しさの裏側には、エンジニア視点で見たときに高い技術力を示す造形がある」と述べていた。日本市場についても「細部にこだわり、それを理解する文化が我々と非常に近い」と評価しており、今後も重要なマーケットとして注力していく姿勢を示した。
Akrapovic(EXHAUST SYSTEMS/SLOVENIA)
「次世代を見据え、技術を更新し続ける」

モーターバイク用エキゾーストから始まり、現在は多様な車種を網羅するアクラポヴィッチ。今年も東京オートサロンを重要な場と位置づけ、日本市場やメーカーの動向を注意深く見ているという。昨年は、新たに発表したBMW M5用エキゾーストが欧州を中心に高い需要を獲得。さらにポルシェ・パナメーラ全グレードやRS Q8など製品展開を拡大している。新製品の多くは、すでに完成したクルマに合わせて開発されるアフターマーケット向けだが、近年は次世代モデルを見据えた開発も増えている。特にハイブリッド化が進む高性能車向けの排気系は、構造上の制約が多く、従来の延長では対応できないという。だからこそ彼は
「現在進めているプロジェクトは、単なる新製品の開発ではなく、“技術そのものを更新するR&D”として取り組んでいます」と語った。詳細はまだ明かせないが、日本を含む各市場に向けて、確かな進化を届ける準備が着実に進んでいるそうだ。
BRABUS(CAR TUNER/GERMANY)
「顧客の声が、ブランドを拡張させた」

ブラバスは長年メルセデスを軸に築いてきたチューナーの枠を越え、いまやクルマ、バイク、ボート、不動産、ファッションまでを包含するラグジュアリーモビリティブランドへと進化している。大胆な方向転換について、その理由を問うと「顧客の声に耳を傾けたからです。彼らが本当に必要なものを叶えるために、我々にできることがカタチになりました」と答えた。
ニーズに応え、ライフスタイル全体を形にする発想が、多角的な展開を生んだようだ。日本ではいまだチューナーとしての認知が強いが、今後はさらに進化を遂げたブランドのあらゆる面に日本市場を巻き込みたいという願いを持っている。最近日本で生まれている80~90年代車への再評価という潮流は、彼らの原点とも重なる。世界各地のパートナーと連携しながらも、一貫したブランドの哲学を、プロダクトと体験の両面に反映し続けていくという意気込みが伺い知れた。
FIKSE(WHEELS/USA)
「普遍的な魅力を保つホイールを送り届けたい」

「FIKSE(フィクス)は1992年に創業した家族経営のホイールブランドです。ポルシェ純正のフックス製オマージュを含めて、そのどれも時間軸を超越したアイコニックなデザインを持っています。我々のデザイン性は日本でもより受け入れられると信じ、あらためてボンドグループと協力して日本市場へ挑戦します」駆け足で決まった協力体制ゆえに今年はホイールを持ち込むことができなかったが、彼らは今すぐにでも製品を見せたくてウズウズしているようだった。もちろん、デザイン性だけではなく性能も秀でているという。
「創業当初からCNCによる切削加工を駆使し、そのノウハウには絶大な自信がある。モータースポーツでの採用例も多い。今までは15~18インチが主でしたが、これからは18~20インチにも力を注いで新型車に対応したい。今年はマツダ・ミアータ(ロードスター)用を発売するので日本の皆さまにお届けしたいと思います」
VOSSEN(WHEELS/USA)
「日本のカーカルチャーとともに歩んできた20年でした」

VOSSEN(ヴォッセ)が東京オートサロンで独立したブースを構えるのは久しぶりのことだった。日本に敬意を表した本国側が主導となる格好で、創業20周年記念を含めて出展した。「我々にとって日本市場はとても重要です。アフターのトレンドは日本に始まり、世界へと浸透していくとも感じます。特に東京オートサロン。こんなに刺激的で創造性が豊かなイベントは他にありません」
ヴォッセはそんな日本のカーカルチャーで頭角を表したのだ。10年以上前はレクサスやインフィニティ、ホンダなど北米における日本車が多かった。いまや世界に名だたるスーパースポーツやSUVを網羅するようになり、トップチューナーとのコラボにも積極的だ。「マイアミに加えてヒューストンにも、約1万4000平方メートルにもなるファクトリーを建設中です。その拡大路線を続けているのも、熱烈なファンの皆さまがいたからこそ。これからも私たちはベストを尽くします!」
BBS JAPAN(AMERICA)(WHEELS/JAPAN.USA)
「世界中のBBSファンへ向けた記念碑を送り届けます」

「ジャパンメイドのBBS製鍛造ホイールはハイエンドカーユーザーにとって絶対的なもの。その系譜にあるBBSモータースポーツ製ホイールのE88は、かねてよりアメリカのポルシェやBMWのコミュニティで人気でした。とはいえそれは複雑な3ピース構造を持つレーシングホイール。だから我々はE88のディスクと、ロードカー用であるLMのリムを組み合わせた2ピースのRT88を提案して製品化し、2015年のSEMAでベストニュープロダクト賞を受賞しました。その頃からBBSの存在感は格段に上がりました。RT88の日本導入を心より嬉しく思います」
BBSジャパンのラインナップに仲間入りすることになったRT88の背景だ。彼らはE88やLMを“レガシー”だと括るからこそ、それを組み合わせたRT88には特別な想いを持つ。日米のBBSと、ドイツにあるBBSモータースポーツがタッグを組んだRT88は、世界中のBBSファンを振り向かせそうである。
1016 INDUSTRIES(CARBON FIBER AERO/USA)
「体験を完成させる、唯一無二の思想」

「我々が目指しているのは、パーツを売ることではなく“体験そのもの”を完成させることです」近年はレヴエルトやウルス、ポルシェ992GT3 RSなど複数のフラッグシッププログラムを展開しつつ、内部体制の強化にも注力。生産能力は4~5倍に拡大し、持続的な成長に備えている。特徴的なのはモジュール化された設計思想で、「顧客が製品に合わせるのではなく、製品が顧客に寄り添う」姿勢を貫く点だ。
国によって求められるスタイルは異なるため、細部に至るまでそれぞれの需要に応えられる体制を整えている。日本市場についても強い関心を示し、「職人文化や細部への意識は1016の哲学と近い」と評価。文化や嗜好を理解した上で製品を進化させていく姿勢が、同社の個性を形づくっている。彼らはどこにもロゴを入れていない。だがスタイルを見ただけでそれだと分かる製品づくりが彼らの誇りだという。今後はVRを駆使したプログラムの展開にも一層期待できそうだ。
CSF(COOLING SYSTEMS/USA)
「再び熱を帯び始めた、日本の現場で」

「今年は少し空気が違う」オートサロン会場の印象を、彼はそう語った。毎年ここを訪れる彼の目にも、日本のチューニングシーンに停滞を抜けたあとの熱が戻りつつあると映ったようだ。「ビジネスの場というより、カルチャーとして世界中から人が集まる場所としてさらに成長していると思います」
日本独自の美意識と、欧州や北米の感性が混ざり合い、新しいスタイルが生まれていると彼は考察している。東京の街全体を巻き込むこのイベントは、世界中のビルダーやディストリビューターが交差する場となった。そのため、自社の製品も日本車用ラインナップの拡充をさらに図っているという。今年はトヨタGRカローラ向けの新製品を持ち込んだ。「我々の製品は面倒な手間なく簡単に取付ができて、しかも性能は保証されているという優れものです。今後は価格も含めてより日本の皆さまに魅力的だと思っていただけるよう、変化を加えていきたいと考えています」
KW automotive(SUSPENSION/GERMANY)
「乗り手の琴線にふれて笑顔を生み出す製品をつくり続けたい」

KWオートモーティブは30周年を迎えた。たった3名で始めた同社は、世界中で1000名以上が働く一大グループ企業へ。この敏腕創業者は30年を一瞬の出来事だと捉え「常にチャレンジを愛してきた結果だ」と述べた。「東京オートサロンでインタビューに答えるなんて、30年前には考えもしなかった。日本はもちろん、世界中にお客様がいて、KWの体験談を嬉しそうに話してくれる。トップドライバーであっても若いカーガイであっても同じ。誰もが情熱的なお客様だ。私たちの仕事を認めてくれるだけで、努力はすべて報われたと思っている」
今後も彼らは成長を目指し続ける。新技術に触れると枚挙にいとまがないし、最新鋭の設備を含めたファクトリーを拡張したばかりでもある。「いま私の娘たちが会社で働いてくれているんだ。私はビジネスオーナーとして、父親として、今後は女性たちがマネジメントして次世代へとバトンタッチすることを嬉しく思う。私が会社を経営する本当の理由は、人を幸せにしたいから、ワクワクさせたいからなんだ。たとえ困難が立ちはだかっても、人の笑顔を思い浮かべながら、目の前の壁こそがチャンスだと思って、娘たちと一緒に挑戦を続けようと思う」
MV-FORGED(WHEELS/USA)
「コラボホイールに象徴される“強い絆”で今後も挑戦を続けたい」

「理由は単純。ヨウヘイ(ボンドグループ 飯村洋平氏)の美学とノウハウに惹かれ、それが自分の美意識とマッチしたから。彼からのオーダーに断る理由などない。お互いにポルシェが好きで、どうやって昔ながらのデザインをイマドキにできるかを話し合い、何度もサンプルを確認し、お互いが納得するカタチを探りました」として生まれたのがMVフォージドとボンドグループとのコラボホイール『BND05』だ。スポークに刻まれる両ブランドのロゴがコラボの証である。飯村氏の手腕を含めた日本のカスタムカーづくりを彼らは認める。
「日本ではクルマを完璧に仕上げ、他と違うものをつくろうとする情熱がある。それは我々にも伝わるし、逆に日本の方々も我々の挑戦をリスペクトしてくれる。お互いに刺激を与え合う、いい関係だと思う」そんな情熱を持って、MVフォージドは次なるステップを踏む。まだ導入例が皆無だという最先端5軸加工機を導入するそうで、より複雑で立体的な造形加工に挑戦する。「人の真似はせず、己を信じて突き進む」と言う彼の頭には、まだ誰も見たことのないホイールデザインがたくさん詰まっているようだった。
REPORT/中三川大地(NAKAMIGAWA Daichi)、上之園真以(AGENOSONO Mai)
PHOTO/山本佳吾(YAMAMOTO Keigo)、平野 陽(HIRANO Akio)、中島仁菜(NAKAJIMA Nina)、土屋勇人(Tsuchiya Hayato)
MAGAZINE/GENROQ 2026年3月号