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今日は何の日?■スポーティさをアピールした3代目MPV

2006(平成18)年2月2日、マツダはミニバン「MPV」の3代目を発売した。大きくなった3代目は、“スポーツカーの発想でミニバンを変える”というキャッチコピーのもと、スタイリッシュなデザインと優れた動力性能を持つスポーティさが特徴だった。
マツダ創業70年目に登場したミニバンMPV

マツダ創立から70年を迎えた1990年1月、ミニバンのパイオニア的な存在の「MPV」がデビューした。当時のミニバンは商用車ベースの派生車で、まだ日本でミニバンブームは起こっていなかった。乗用車ベースの7~8人乗車と広い荷室が売りのミニバンは、当時としては珍しい存在だった。
MPVは、国内発売の2年前に米国で先行販売されて高い評価を得た後、マツダが自信をもって国内に投入したモデルだった。7人(後に8人)乗員の3列シートは、全席ウォークスルーできる余裕の室内スペースが確保されていた。
パワートレインは、最高出力155ps/最大トルク23.5kgmを発揮する3.0L V6 SOHCと、4速ATの組み合わせ。駆動方式はFRだが、4WDも追加された。
斬新なコンセプトのMPVだったが、米国を意識したシンプルなデザインと実用性を重視した大き目のボディは、日本でも北米ほどではないものの販売は堅調にスタートした。一方で、スタイリッシュなデザインを採用した同年5月にデビューしたトヨタ「エスティマ」や1994年10月のホンダ「オデッセイ」が注目を集め、ミニバンの一大ブームが起こった。しかし、MPVは両モデルの勢いに押されてしまった。
スポーティなミニバンを目指した3代目MPV

MPVは、1999年6月に初めてのモデルチェンジで2代目へと移行。2代目は駆動方式をFFに変更(後に4WDを追加)し、エンジンは2.0L 直4エンジンと2.5L V6エンジンが搭載された。

そして2006年2月のこの日、3代目に進化した。3代目は“スポーツカーの発想で、ミニバンを変える”というキャッチコピーで、スタイリッシュなワイド&ローのプロポーションに加え、優れた動力性能やハンドリング性能を持つミニバンとして、ライバルたちと差別化を図った。

先代よりもひとまわり大きくなり、ホイールベースは110mmも延長。また低床化を図り、リアをヒンジドアから両側スライドドアに変更し、広い開口によって乗降性が向上したことも特徴のひとつだ。2列目シートは左右&前後スライド機構はもちろん、オットマンや座面角度調整機構、スイング機構付き大型ヘッドレストなどで構成される“スーパーリラックスシート”が、オプション設定された。

パワートレインは、最高出力163ps/21.4kgmを発揮する2.3L 直4 DOHC、加えて245ps/35.7kgmを発揮する同インタークーラーターボ仕様の2種エンジンと4速ATの組み合わせ、ターボエンジンにはアクティブマチック付き4速(2ヶ月後に6速追加)ATが組み合わされた。駆動方式は、FFが基本で後に4WDが追加された。



車両価格は、238.0万~310.0万円に設定。ミニバンとは思えないスポーティな走りが一部のユーザーに支持され、3代目もまずまずの販売を記録したが、2016年に生産を終えた。
その後、プレマシーとビアンテを追加したが、マツダはミニバンから撤退
マツダは、MPVに続いて1999年4月にミニバン「プレマシー」、2008年7月に「ビアンテ」を投入した。

プレマシーは「ファミリア」をベースにした5ナンバーサイズのコンパクトなミニバン。コンパクトながら、セダンのような取り回しの良さと広い室内空間の両立を狙った乗用車ライクなミニバンだった。

またビアンテは、MPVとプレマシーの間を埋めるミドルクラスのミニバンとしてデビュー。3列シート8人乗りの箱型ボディ、両側にスライドドアが装備されたトールタイプのミニバンで、乗降性の良さや2列目シートの使い勝手に優れていた。

マツダのミニバンは、ミニバンブームのなか大型で高級感を重視した「MPV」、ミドルクラスで室内スペースを重視した「ビアンテ」、使い勝手の良いコンパクトな「プレマシー」を投入した。しかし、MPVは2016年、プレマシーとビアンテは2018年に生産を終えた。

マツダは、これをもってミニバンから完全撤退し、SUVに注力する決断をしたのだ。
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ミニバンは日本では令和の現在も人気の車種だが、世界的に見ればSUVほど数が出る車種ではない。中規模メーカーのマツダにとっては、“選択と集中“が重要であり、グローバル戦略の中で得意とするSUVに全力投球するという路線を選択したのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。


