パワーは450馬力、トルクは60kgmオーバーを達成

ストリートが基本というコンセプトを体現したハイレベルチューン!

本格的なホンダ車チューンに取り組むのは、ハイブリッドスポーツCR-Z以来、実に15年ぶり。カンサイサービスと聞いてホンダのイメージがすぐに結びつく人は少ないかもしれない。だがFL5シビックタイプRに関しては、時間をかけてじっくりと作り込み、昨年に続いて今年も東京オートサロンにデモカーを出展してきた。

「2.0LのVTECターボを積んで、人が乗れて荷物も積めて、快適に移動できる4ドア。それでいて踏めば速い。ノーマルでも完成度は高いけど、チューニングベースとしてのポテンシャルは相当ある。そこを引き出してやれば、もっとおもろいクルマになるやろ」。

そう語る向井代表の言葉通り、このFL5は“ストリートが基本”という同社の哲学を体現した一台だ。

K20Cエンジンは吸排気系を最適化した上で、HKS製GT4845タービンをセット。制御はカンサイスポーツECUが担い、現状で最高出力453ps、最大トルク61.5kgmを発揮する。

2025年仕様からの変更点は、油温およびそれに連動する水温対策として、HKSのSタイプオイルクーラーキットを追加した点だ。「K20Cは油温が上がると水温も引っ張られる。だから、まず油温を抑えることが重要なんよ」。そのため、450psオーバーながらラジエターは純正のままとしている。

排気系はアペックスGTスペックフロントパイプ、トラスト製スポーツキャタライザー、HKSリーガマックススポーツマフラーを組み合わせ、排気抵抗を低減しつつタービン性能を最大限に引き出す構成だ。

足回りには、ストリートからサーキットまで対応するHKSハイパーマックスRを投入。標準スプリングレートは前後14kg/mmで、今後予定される18インチホイール&タイヤとのマッチングを見据えた設定となっている。ブレーキはプロジェクトμのHC CS18パッドとジェイズレーシングのブレーキラインで強化した。

「今は標準スプリングで様子を見とる。サーキットでタイムを削るクルマやないし、ストリートでの快適性は絶対に外せへん。上げるとしても、せいぜい2kg/mmくらいやろな。そこは走り込みながら決めていくつもり」。

インテリアは基本ノーマルを維持し、ステアリングのみカンサイサービスオリジナルへ変更。これは向井さんが自身のBNR32用に製作したものがルーツで、バックスキン仕様のモモタイプと、レザー仕様のナルディタイプを用意。いずれも20本限定となる。

エクステリアでは、フロントリップスポイラー、カナード、サイドステップといったオリジナルカーボンパーツを追加。2025年仕様と比べて外観の変化は控えめだが、その分この一年は、快適性を犠牲にすることなく動力性能と運動性能を磨き上げる“中身重視”のブラッシュアップに注力してきたことが伝わってくる。

なお、カンサイサービスは東京オートサロン2026にこのFL5を含む5台を展示。すべてナンバー付き車両で、奈良のショップから幕張メッセまで往復1000km以上を自走したのも例年通りだ。

そこに表れているのは、「チューニングカーはストリートが基本」という創業以来変わらぬポリシー。長距離移動を難なくこなせる完成度こそが、その思想の何よりの証明と言えるだろう。全体のバランスを崩すことなく、確実に底上げする…それがカンサイサービス流の調律術だ。

●取材協力:カンサイサービス 奈良県奈良市小倉町1080 TEL:0743-84-0126

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