連載

あのコンセプトカー、どうなった?

スーパーフロントミッドシップ

MAZDA IBUKI

2003年の東京モーターショーでアンベールされたのが、MAZDA IBUKI(息吹)だ。このIBUKIがどう結実したかといえば、誰しもがわかるとおり、2005年にデビューした3代目(NC型)ロードスターである。

まず、ボディサイズから見てみよう。

IBUKI(2003年) 全長×全幅×全高:3640mm×1720mm×1230mm ホイールベース:2330mm
トレッド:F1490mm/R1495mm

IBUKI(2003年)
全長×全幅×全高:3640mm×1720mm×1230mm
ホイールベース:2330mm

では、NCロードスターはどうだろうか。

3代目ロードスター(NC)2005年デビュー。

NCロードスター(2005年)
全長×全幅×全高:3995mm×1720mm×1245mm
ホイールベース:2330mm

ホイールベースは同一。それでもIBUKIは全長が355mmも短い。極めて短いフロント/リヤオーバーハングが、それを実現している。

IBUKIのパッケージレイアウト
NCロードスターのパッケージ。

IBUKIのパッケージングのキモは、すべての重要なパワートレーン部品をホイールベース内に配置する、スーパーフロントミッドシップレイアウトにある。2代目(NB型)ロードスターと比べ、エンジンは約400mm後方へ、さらに40mm低い位置に配置された。

このレイアウトを実現するため、HVAC(エアコン)ユニットはシート後方へ移設。その結果、ヨー慣性モーメントはNB型比で15%低減したという。

NCロードスターのシャシー。

IBUKIでは、ツインバックボーンボディ構造も開発された。RX-8で採用されたハイマウントバックボーンフレームのコンセプトを発展させ、広範囲に補強されたオープンボディフレームと、トランスミッショントンネル下に配置された剛性の高いロワーバックボーンフレームで構成されている。

IBUKIのコックピット
NCロードスターのコックピット

マイルドハイブリッドシステムを採用

IBUKIのインテリア フロントピラーとリヤカウル部に4点式アクティブロールバーを装備。
フェンダー、ボンネット、リヤフロアパネル、ドア外板にはFRPを使用。プロペラシャフトとパワープラントフレームはCFRP(カーボンファイバー)、ホイールはマグネシウム合金製だ。

エンジンはMZR 1.6L直列4気筒DOHCを搭載。燃料噴射はDI、すなわち筒内直接噴射式を採用する。6速MTとエンジンの間には、42Vバッテリーで駆動するハイブリッドモーターを組み込むマイルドハイブリッド方式だ。

システム出力は180ps(132kW)/180Nmを目標値としていた。低回転域ではモーターがトルクをアシストし、減速時には回生を行う。

このハイブリッドシステムは、現行4代目(ND型)ロードスターでも実現されていないが、次期型(NE型?)での採用が期待される技術のひとつだ。スーパーフロントミッドシップレイアウトもND型では実現しておらず、こちらも次期型に期待したいところである。

当時のプレスリリースには、「マツダIBUKIは単なる未来のコンセプトではない。近い将来、マツダが実現しうるロードスターの究極のカタチを示すものだ」と記されている。実際、IBUKIは3代目ロードスターへと結実した。3代目、4代目では実現しなかったIBUKIの技術要素が、次期5代目で採用されるのか――注目したい。

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