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今日は何の日?■スポーティさを追求したミラ・ターボTR-XXアバンツァートG

1994(平成6)年2月8日、ダイハツはスポーツモデル「ミラ・ターボTR-XX」をさらにグレードアップした「ミラ・ターボTR-XXアバンツァートG」を発売した。660cc直3インタークーラーターボエンジンを搭載して、TR-XXの装備を上級化したスポーツモデルである。
ダイハツ初のターボ搭載モデル、ミラ・ターボ
1970前半のオイルショックと排ガス規制強化に苦しんだ軽自動車だったが、排ガス規制対応が一段落した1980年を迎える頃には、軽にも高性能化時代が再来することになった。

そのような中でダイハツは、1982年にミラクオーレから単独ネーム「ミラ」に改名し、1983年10月に“ペパーミント・ターボ”と謳った「ミラ・ターボ」を投入。エンジンは、550cc 直2 SOHC インタークーラーターボで、最高出力41ps/最大トルク5.7kgmを発揮。ターボ化によって、NA(自然吸気)の30ps/4.2kgmに比べて、30%以上もパワーアップした。
ミラの高性能化はさら加速、1985年8月のモデルチェンジと同時に「ミラ・ターボTR」が登場。パワートレーンは、52ps/7.1kgmを発揮する550cc 直3 SOHCインタークーラーターボエンジンと5速MTの組み合わせだった。

そして同年10月には、スポーティモデルの決定打となる「ミラ・ターボTR-XX」を投入。パワートレーンはTRと同一だが、エアスポイラー一体式の大型樹脂パンパ−、バックドアスポイラー、サイドスカート、専用アルミホイールなどを装備。インテリアも、ファブリックでサイドサポート付のTR-XX専用バケットシート、3本スポークステアリングやインパネもスポーティ感が増した。
さらにサスペンションは、TRもTR-XXもフロント:ストラット/リア:セミトレーリングアーム式の4輪独立。TR-XXは、TRよりもトレッドを5mm拡大、車高を15mmダウンしたことで走りに磨きがかかった。TR-XXは570kgという軽量ボディと相まって、軽快なコーナリングと走りで走り好きの若者から歓迎された。

TR-XXの上をいくTR-XXアバンツァートG

ミラTR-XXリーズの中でも特にスポーティなモデルとして、アバンツァートの名前を冠する「ミラ・ターボTR-XXアバンツァート」が初めて登場したのは1991年5月、その流れを汲んだ「TR-XXアバンツァートG」は1994年2月のこの日にデビューした。
TR-XXをベースに、エアロパーツに加えてボディと同色のアルミホイール、ピレリ製ラジアルタイヤ、ティンテッドガラス、エアコン、パワステ、パワーウインドウ、パワードアロックなどを標準装備。インテリアについてもより洗練された仕様が採用された。
パワートレーンは、最高出力64psを発揮する660cc 直3 SOHCインタークーラーターボエンジンと5速MTおよび4速ATの組み合わせ、駆動方式はFFのみ。
車両価格は、119.8万円(5速MT)/127.8万円(4速AT)。当時の大卒初任給は19万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約144万円/155万円に相当する。ミラTR-XXアバンツァートGも、スポーティな走りが楽しめる軽として大きな注目を集めた。

ミラ・ターボTR-XXアバンツァートが進化してブーンX4誕生
1994年9月に4代目ミラへモデルチェンジすると、新たに専用足まわりやLSD、リアにもディスクブレーキを装備した「TR-XXアバンツァートR」、さらにアバンツァートRをベースにフルタイム4WDを搭載した「TR-XXアバンツァートR4」が登場した。

これらの進化版として登場した4WDの「ミラTR-XX X4」は、全日本ラリーやダートトライアルに参戦し、ライバルのスズキ「アルトワークス」と激戦を繰り広げた。しかし、アルトワークスが圧倒的な強さを発揮して、ミラTR-XX X4はなかなか勝つことはできなかった。

その後1998年に登場したX4は、軽ではなくブーンの先代にあたるストーリアをベースにした120ps/13kgmの713cc 直4 DOHCインタークーラーターボ搭載の「ストーリアX4」となり、さらに「ブーンX4」へと進化した。
ダイハツ最強のホットマシンとして登場したブーンX4は、走り好きのファンから支持され続けたが、2008年に起こったリーマンショックによる不況の煽りを受け、ダイハツはモータースポーツから撤退、残念ながらブーンX4も生産を終えた。
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2025年1月の東京オートサロン2025で、ダイハツは「ミライースGR SPORTコンセプト」を発表し、市販化の話も現実味を帯びてきた。一方で、スズキのアルトワークス待望論も根強く、両ホットハッチの登場を期待せずにはいられない。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
