Ferrari 849 Testarossa
849の数字の意味は?

「SF90 ストラダーレ」の後継モデルとして登場した「849 テスタロッサ」。まず気になるのはそのネーミングだが、8は8気筒、49は1気筒あたりの排気量である499ccを意味している。そしてテスタロッサはフェラーリファンならご存知の通り、1950年代の250テスタロッサや1984年のテスタロッサから受け継がれた、フェラーリ最高峰のミッドエンジンモデルを象徴する名前だ。
SF90 ストラダーレと同様にV8ツインターボ+3モーターでプラグインハイブリッドという構成を採用している849 テスタロッサだが、当然その中身はSF90 ストラダーレから大きくブラッシュアップされている。では、そのメカニズムの詳細を見ていくことにしよう。
名機の誉高いF154エンジン

エンジンは近年のフェラーリV8を担っているF154を受け継ぐ。だがシリンダーヘッドやエンジンブロック、バルブトレインシステムや吸気プレナムなど、多くの部分が再設計されている。そしてもっとも大きな改良が2基のターボチャージャーだ。従来よりも10%大型化してパワーアップを図る一方、ベアリングを低摩擦のものとするなどしてレスポンスはSF90 ストラダーレから落としていない。もちろんコンプレッサーもタービンも素材や形状を見直している。その結果最小限のターボラグで鋭いレスポンスを実現した。
またインコネル製のエキゾーストマニフォールドはダクトの直径が20%、全長が10%増加しており、これによって廃棄効率の向上とフェラーリならではのサウンドを生み出しているという。
ハイブリッドシステムも改善

ハイブリッドシステムは基本的にSF90 ストラダーレからの継承で、フロント2基、リヤ1基のモーターが生み出すトータルパワーが220PSという点も変わらない。しかしエンジンとモーターの作動フェーズ切り替え改善のためにアクティブダンピング機能を採用し、モーターの冷却マップを最適化。10〜12%の熱効率向上を果たしている。さらにブレーキング時の回生マップも改善し、より自然なブレーキフィールを実現した。バッテリーの容量は7.45kWh、EV走行可能距離は約25kmというのは従来通りだ。

エアロダイナミクス性能も向上


クラシックスタイルへの回帰を思わせる849 テスタロッサだが、エアロダイナミクスは最新のテクノロジーによって煮詰められている。フロントアンダーボディは3組のボルテックスジェネレータを縦に配列するなどしてSF90 ストラダーレよりもダウンフォースを20%アップ。リヤアンダー部分は複層型のディフューザーと2組のボルテックスジェネレーターを配置してドラッグを10%低減している。
またリヤは左右に2つのウイングを配置。フェラーリがツインテールと呼ぶこのデザインは1970年代のスポーツプロトタイプ「512S」をイメージしたという。また中央部分には必要に応じて作動する可動式スポイラーが内蔵されており、それが上昇するとプラス100kgのダウンフォースを発生する。これらの効果によって849 テスタロッサのダウンフォースは250km/hの時に415kgとなり、これはSF90 ストラダーレよりも25kg増加しているという。
進化したビークルダイナミクス

ある意味、SF90から最も進化したのがビークルダイナミクスと言えるだろう。とにかく最近のスーパースポーツが4桁のパワーを実現し、それを一般のドライバーが安全に楽しむことができるのは、車両を制御するテクノロジーが大きく進化しているからにほかならないのだ。
849テスタロッサに採用されたフェラーリ・インテグレーテッド・ビークル・エスティメーター(FIVE)と呼ばれるシステムは、加速度と6Dセンサーからのデータをもとにして車両の挙動を推定、それによってトラクションコントロールやe4WD、電子制御ディファレンシャル、ABS evoなどのマネージメントなどを制御する。
車両の挙動は速度なら1km/h未満、ヨーアングルは1°未満というレベルで推定できるという。これらの優れたビークルダイナミクスによってアマチュアからプロフェッショナルドライバーまでが最高のドライビングプレジャーを得ることができるのだ
SPECIFICATIONS
フェラーリ849テスタロッサ
ボディサイズ:全長4718×全幅2304×全高1225mm
ホイールベース:2650mm
車両重量:1570kg
エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:3990cc
最高出力:830kW(830PS)/7500rpm
最大トルク:842Nm(69.1kgm)/65000rpm
モーター最高出力:830kW(220PS)
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:Fダブルウイッシュボーン Rマルチリンク
ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク(カーボンセラミック)
タイヤサイズ(リム幅) F265/35R20(9.5J) R325/30R20(11.5J)
パフォーマンス 最高速度:340km/h 0→100km/h加速:2.3秒
車両本体価格:6456万円

