ルーフテントの装着も可能なバンドウェラー・オーダス

キャンピングカーの使い方は人それぞれ。ファミリー、1人旅、愛犬連れなど、ライフスタイルによって異なってくるはずだ。当然ながら、それによってどのタイプのキャンピングカーを選ぶかも違ってくるだろう。
自分がキャンピングカーライフを送るなかで、どうしても面倒だと思うことがある。それはダイネットとベッドの転換だ。普段、家は畳敷きの生活なので、車内がベッドのままでもさほど不便は覚えないが、それでも食事や一杯やりたい時はダイネットの方がくつろげると感じる。
しかしいざ寝るかとなった時、そこからマットを展開して、汚れ防止用のシートを並べて、さらに布団を敷くのは面倒だ。お酒を飲んでしまった時や雨天時には、なおさらである。加えて愛犬の快適性を考えた場合、上下方向の移動が必要なダイネットよりも、フルフラットの方がいいのだ。というわけで、筆者の場合は万年床状態なのである。
それゆえと言ってはなんだが、常設ベッドが付いたキャンピングカーには憧れがある。ダイネットでくつろぎながら飲んで食べて、そのままベッドで寝てしまう。まさに理想だ。そう思っている人は少なくないと思う。
こういうリアルな使い方というのは、キャンピングカーを購入する前に想定することが難しいのではないだろうか。住宅もしかり、購入後の“夢”は美しい方に行きがちだ。しかし、生活も車中泊も現実は夢とは異なるもの。
常設ベッドとダイネットの両方があるモデルは、どうしても限られる。ハイエースクラスのバンコンか、大きめのキャブコンということになる。コンパクトなモデルに、寝食分離スタイルを取り入れるのはなかなか困難だ。特に軽キャンパーとなると、そこは割り切るしかない。モデルによっては、ダイネットにならない仕様も少なくないのである。
先日開催された『ジャパンキャンピングカーショー2026』において、1台の軽キャンパーが目に留まった。VAN DWELLER(バンドウェラー)の『AUDACE(オーダス)』というモデルである。ホンダのN-VANをベースに、ベース車両の基本的な機能を活かしつつ、バンコンの快適性がプラスされている。

家具はダイネットとベッドのためのもので、水回りなどは省略されている。収納もミニマムなので、オーナーのアイデアも必要とされるだろう。ベッド展開はいたって簡単で、非常にシステマチックな構造が採用されている。ダイネット時の空間確保も絶妙で、これなら軽キャンパーとはいえ開放感が得られるはずだ。
でもベッドにする手間は同じでしょ…という方に、ここからがポイント。まず1人であれば、車内片側をベッド、片側をチェア&テーブルとして展開しておく…という使い方が可能だ。さらにルーフに、オプションのルーフテントが付けられる。これにより、くつろぐのは車内、寝るのはルーフテントでという生活も可能になるわけだ。

ポイントは、後載せのルーフテントを使っていること。車体と一体式にすると、構造変更の費用なども必要となるため、どうしても高額になる。車内から直接アプローチできるのは便利だし、雨天で濡れずにテントに入れるのは快適だが、寝心地という面で考えれば、マットの質が良い後載せのルーフテントにアドバンテージがある。

ちなみにサイドオーニングやらエクステンション窓、ポータブル電源、窓付けタイプクーラーもコミコミで、336万7200円。これだけの快適装備を考えれば、リーズナブルなプライスと言えるのではないだろうか。
軽キャンパーは、限定された車内スペースゆえに上級者向きと考えるキャンパーは少なくない。価格ゆえにビギナーが飛びつきやすいが、いざ使う段になると、かなりの“経験値”が必要になる。もちろんオーダスでも工夫は必要になると思うが、それほどハードルは高くないだろう。
テントへのアプローチはハシゴが必要になるため、道の駅や高速道路の休憩施設での仮眠には使いづらい面もあるが、そういうシーンでは車内就寝にすればいいだろう。
車内のウッディな雰囲気も含めて、なかなか魅力的な軽キャンパーだと思う。


