Frauscher x Porsche 850 Fantom
「オープンシー」クラスで優勝

今回、フラウシャー x ポルシェ 850 ファントムが参加した「モナコ・エナジー・ボート・チャレンジ(Monaco Energy Boat Challenge)」は、サスティナブル(持続可能)な海洋移動手段のイノベーションを後押しする機会として、近年注目を集めるイベント。モナコ大公アルベール2世財団(2006年に大公によって設立された環境研究財団)をはじめとする、複数の環境団体から支援を受けている。
イベントの目的は、排出ガスゼロを掲げるパワートレインの技術的な進化を促進し、実際の環境下でその性能を検証すること。「スピード」部門では、2回の1km航行における平均速度が測定され、実際の海洋において効率性とパフォーマンスが検証・評価される。
モナコ・エナジー・ボート・チャレンジに投入されたフラウシャー x ポルシェ 850 ファントムは、完全な量産仕様であり、ポルシェの自動車用エクステリアカラー「オークグリーン・メタリック・ネオ」でペイント。前甲板がクローズド化されたボートは、スピード部門の「オープンシー」クラスに出場し、トップクラスの国際チームを破って優勝を果たした。
マカン ターボの電動パワートレインを導入

フラウシャー x ポルシェ 850 ファントムは、全長8670mm、全幅2490mmという扱いやすいサイズを持ち、ポルシェ マカンに搭載されているフル電動パワートレインをベースとする、「eファントム」ドライブユニットを搭載。公道から水上への技術移転のため、ポルシェは最もパワフルな「マカン ターボ」のリヤアクスルパワートレインを採用した。
最先端の永久励磁同期電動モーター(PSM)は、最高出力400kWを発揮。電動モーターはボートのリヤセクションに設置され、ポルシェのロゴが刻印された防水ボックスに収められる。こちらもマカン ターボから導入された100kWhのリチウムイオンバッテリーは、リヤのラウンジエリア下部に配置。また、ワイヤーロープマウントサスペンションにより、波浪や高速走行時に発生する巨大な衝撃も吸収する。
モナコ公国のアルベール2世も注目

モナコ大公アルベール2世もフラウシャー x ポルシェ 850 ファントムに注目しており、イベントの合間を縫って、チームから性能などに関して説明を受ける場面もあった。フラウシャー造船所(Frauscher Bootswerft)のマネージングディレクターを務めるステファン・フラウシャーは、次のように喜びを語った。
「モナコ・エナジー・ボート・チャレンジにおいて、フラウシャー x ポルシェ 850 ファントムが、真のポテンシャルを発揮できたことを大変誇りに思います。この成功はボートの技術的革新をアピールするだけでなく、海運業界における電動パワートレイン開発における重要なマイルストーンとなるでしょう」
「ポルシェ マカンから導入されたフル電動パワートレイン技術と、私たちフラウシャー造船所のノウハウを組み合わせた結果、これまでにない電動推進ボートが誕生したのです」
マカンのプロダクトライン担当副社長として、フラウシャー x ポルシェ 850 ファントムの開発に重要な役割を果たしたヨルグ・ケルナーは以下のように付け加えた。
「モナコ・エナジー・ボート・チャレンジでの大成功は、私たちにとっても大変嬉しい結果となりました。これはポルシェの電動パワートレインが、一般的な道路だけでなく、水上でも最高性能を実現できることを証明したことになります」
「フラウシャー x ポルシェ 850 ファントム」を動画でチェック!
