キーワードは「柔軟性」

5月13日に発表されたスバルの2024年3月期の決算は、好調だった。その際に、将来への戦略についても説明があった。

キーワードは「柔軟性」だ。

BEVの開発は、スバル独自やアライアンス活用によるものなど、さまざまな選択肢を検討したが、上記の26年末までにラインアップする4車種のBEVは、トヨタとの共同開発とする。

SUVタイプのBEVのうちの1モデルは、スバルの矢島工場で生産してトヨタへも供給する。またもう1モデルはトヨタのアメリカ工場で生産してスバルにも供給される。

共同開発、相互生産、相互供給で、先行きを見通すことが難しい時期のリスクを軽減し、開発と生産領域の「柔軟性」を確保する戦略だ。

2028年末にはスバル独自開発のBEVのラインアップが登場する。そこには、アイシンとの共同開発となるeアクスルが採用されるのだろう

水平対向+トヨタハイブリッド

BEV移行初期に極めて重要になるHEVについては、水平対向エンジン+トヨタハイブリッドシステムである、「次世代e-BOXER」を、次期フォレスターに搭載する。

また、この次世代e-BOXERはクロストレックにも展開する。

次期フォレスターは、ガソリンモデル、次世代e-BOXERモデルともに、国内生産だけでなく、いずれは米国SIA=Subaru of Indiana Automotiveでの生産も開始する。日本・米国どちらでも主力モデルのフォレスターを生産することで、為替変動などさまざまな状況の変化に対する「柔軟性」が確保できるというわけだ。

北米で販売されていたクロストレックのプラグインハイブリッド車には、水平対向エンジン+トヨタ式ハイブリッドを採用していた。しかし、少量でおそらくコストも高かったと推測する。今回の「次期e-BOXER」はコスト、燃費ともに完成度の高いものとして登場するのだろう。

次世代e-BOXERの基幹ユニットとなるトランスアクスルは2024年秋、リニューアルした北本工場で生産を開始する。北本工場は以前は産業機器(汎用エンジンなど)を生産していた拠点である。

すでに北米で発表されているフォレスター
史上最高益・好決算続出 自動車メーカーの2024年3月期決算を比較する トヨタ、ホンダ、日産、スズキ、マツダ、SUBARU

5月13日のスズキ、SUBARUの決算発表で、国内自動車メーカー各社の2023年度(2024年3月期)の決算がまとまった。各社、半導体不足の解消や為替(円安)の影響で、好決算となっている。トヨタ、ホンダ、日産、スズキ、マツダ、SUBARUの決算を「売上」「営業利益」「営業利益率」「販売台数」から見てみよう。

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