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今日は何の日?

■サニー・クーペに対抗してカローラスプリンター登場

1968年(昭和43)年5月1日、1966年に登場した初代カローラに2ドアファストバックの「カローラスプリンター」が追加された。カローラと日産自動車「サニー」が熾烈な販売競争を繰り広げる中、同年3月にデビューした「サニー・クーペ」に対抗する形でカローラスプリンターは登場したのだ。

トヨタ「カローラスプリンター」
1968年にデビューした「カローラスプリンター」
トヨタ「カローラスプリンター」
1968年にデビューした「カローラスプリンター」

カローラとサニーの“CS戦争”の中で生まれたカローラスプリンター

初代「ダットサン・サニー」
1966年4月にデビューした初代「ダットサン・サニー」

1966年4月に日産「サニー」が市場デビューして人気を獲得。同年11月には、トヨタからサニーより排気量が100cc大きい“100ccの余裕”を謳った「カローラ」が発売された。ここに、カローラとサニーの熾烈な販売競争“CS戦争”が始まった。ちなみに1966年は、「スバル1000」や三菱「コルト1000」、マツダ「ファミリア・クーペ」も発売され、後に“マイカー元年”と呼ばれた。

初代「ダットサン・サニー」
1966年4月にデビューした初代「ダットサン・サニー」

サニーとカローラの初代対決は、内外装の見栄えに優れ、総合的に評価が高かったカローラがサニーを圧倒したが、その後日産は負けじと商品力強化を図った。

トヨタ「カローラ」
1966年11月にサニーより半年遅れでデビューしたトヨタ「カローラ」

サニーが1967年4月に4ドアセダンを追加、翌月にはカローラも4ドアセダンを設定。さらにサニーが1967年4月にスポーツグレードを追加すれば、カローラも1968年3月にSL(スポーツ&ラグジュアリー)グレードを設定というように、両モデルは激しく競い合った。

トヨタ「カローラ」
1966年11月にサニーより半年遅れでデビューしたトヨタ「カローラ」

そして1968年3月、サニーは若者をターゲットにした当時米国で人気を博していたファストバックスタイルの「サニー・クーペ」を市場に投入。直後に、カローラもこれに対抗するするモデル「カローラスプリンター」を1968年5月のこの日に発売したのだ。

カローラよりスタイリッシュ、かつパワーアップしたカローラスプリンター

カローラスプリンターは、“スイフトバック”と称するファストバックスタイルで、全高をセダンより35mm下げてスタイリッシュにして、リアコンビランプは縦長から横長に変更された。

トヨタ「カローラスプリンター」
1968年にデビューした「カローラスプリンター」

パワートレインは、最高出力73ps/最大トルク9.0kgmを発揮する1.1L直4 OHVツインキャブ仕様と60ps/8.5kgmのシングルキャブ仕様の2種エンジンと、4速MTおよび2速ATの組み合わせ。トップグレードは、最高速度160km/h、0→400m加速17.5秒と俊足ぶりを発揮した。ちなみに、サニー・クーペ搭載のエンジンは60ps/8.2kgmの1.0L直4 OHVで、最高速度は140km/h、0→400m加速は18.4秒だった。

トヨタ「カローラスプリンター」
1968年にデビューした「カローラスプリンター」

車両価格は、標準グレードが48.7万円/デラックス52.5万円/トップグレード58.7万円に設定。当時の大卒初任給は3.2万円程度(現在は約23万)だったので、単純計算では現在の価値で350万円/377万円/422万円に相当する。ライバルのサニー・クーペの標準グレードは、50.0万円に設定されていた。

「カローラスプリンター」のコクピット
「カローラスプリンター」のコクピット

以上のように、カローラとサニーはモデル展開を積極的に進めたが、販売面でのカローラの優位性は揺るがなかった。ただし、サニー・クーペとカローラスプリンターは、好勝負を繰り広げた。

日産「サニー・クーペ」
1968年にデビューした日産「サニー・クーペ」

2代目で独立モデルのスプリンターとなった

好調な販売を続けたカローラスプリンターは、1970年のフルモデルチェンジで2代目へ移行。それにともない、車名からカローラが外れて単独ネーム「スプリンター」となり、独立モデルとなった。

同時にカローラにもクーペモデルが設定され、スプリンターにも4ドアセダンが追加されたことで、カローラとスプリンターはともに4ドアセダンと2ドアクーペモデルを持つという、兄弟車のように2つのクルマの違いが曖昧となった。実際のところ、内外装の若干の違いはあったものの、エンジンラインナップもほぼ同じだった。

結局、その後スプリンターはカローラの陰に埋もれて、なかなか存在感をアピールしづらくなった。スプリンターが注目されたのは、1983年5代目に登場した「スプリンタートレノ」、通称”ハチロク”だ。今や伝説的な人気を持つハチロクだが、当初は「カローラレビン」の方が人気を獲得していたが、人気コミック“頭文字D”で描かれたトレノをドライブする主人公の大活躍の影響で、トレノは走り好きから熱狂的な支持を受けることとなり、一躍注目されたのだ。

しかし、カローラが日本を代表する大衆車へと成長すればするほど、棲み分けが曖昧なスプリンターの存在感は薄れて、2000年に生産を終えた。

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異なる販売系列の台数を確保するために、チョットだけ内外装を変えて兄弟車を仕立てることは昔から行なわれていた。兄弟車が人気を得られないケースも多いが、マークII 3兄弟「マークII/チェイサー/クレスタ」、「ノア/ヴォクシー」、「アルファード/ヴェルファイア」といずれもトヨタだが、兄弟車がヒットモデルとなっているケースもある。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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