メルセデス AMG S63 改良新型プロトタイプ スパイショット

第7世代となる現行型Sクラス(W223)は2020年に登場しており、これが初の大幅改良となるが、当然ながらAMGバージョンも刷新される。

メルセデスは、今後のすべてのモデルシリーズにピラー・トゥ・ピラー・ディスプレイを搭載すると発表した。つまり、左Aピラーから右Aピラーまで伸びるインフォテインメントディスプレイ(少なくともオプション)だ。もちろん、SクラスとAMGエンジン搭載のS63にもオプションで用意される。

レベル3の自動運転は最近、時速90kmまで制限速度が引き上げられた。しかし、現行の第5世代ハードウェアでは、これ以上の速度では走行できない。なぜならば、速度が上昇するため、より遠くまで見通せるようにカメラの解像度を高める必要があるのだ。さらに、レーダー、ライダー、カメラからのデータをより迅速に分析する必要があり、これらは第6世代ハードウェアでのみ可能となる。

メルセデス AMG S63 改良新型プロトタイプ スパイショット

重量上の理由から、この第6世代では、自動運転用の中央制御ユニットにゲーミングPCのような水冷システムが搭載されることになる。第6世代は、2025年にEQSとSクラスのフェイスリフトから導入される予定で、AMGモデルにも展開されることになる。さらに、第6世代ハードウェアによりレベル3を達成した後、2025年中には中間段階として時速110kmまで速度上限を引き上げさせることになるが、最終的な目標は時速130kmだという。

メルセデス AMG S63 改良新型プロトタイプ スパイショット

このプロトタイプで注目されるのは、フロントフェンダー上部、Aピラー基部のすぐ下に取り付けられた小型カメラで、これは新しい先進ADASスイートの一部であると考えられる。

エクステリアデザインでは、ベンツの新たな星型LEDデイタイムランニングライトがフロントとリヤの両方に搭載されているのが確認できる。CLAなど、一部の新型ベンツモデルでは、ライトクラスターごとに星型が1つしか搭載されていないが、Sクラスは豪華に2つ並べられている。

また、下部バンパーには、標準のSクラスよりも迫力のあるサイドエアインテークを装備。パナメリカーナグリルの縁どりはEクラスのようにイルミネーション付きになると思われる。

ボンネットの下だが、AMGは昨年、4.0L V8ツインターボエンジンの電動アシストバージョンであるプラグインハイブリッドが追加された。システム出力は612ps+190psで最高出力802ps、最大トルク1430Nmを誇る。

改良新型では、バッテリーと充電機能がアップデートされる可能性がありそうだ。また、AMGは48ボルトのハイブリッドアシスタンスを備えた新型フラットプレーンクランク V8エンジンの開発にも取り組んでいるとの情報もあり、これがSクラス改良新型で採用されるかが注目される。