使い勝手はほぼ同じ!どちらも十分な荷室のツアラーSUV




クラウンスポーツは、クラウンクロスオーバーと共通のシャシーを用いながら全長とホイールベースを短縮することでスポーツ性を高めたモデルとなる。ZR-VはシビックをベースとしてコンパクトにまとめられたスポーティなSUVだ。
ボディサイズは、ZR-Vの方がわずかにコンパクトだがおおむね同じサイズ感といえよう。後席空間は膝周り/頭上空間ともにクラウンスポーツの方がわずかに広い程度で大きな差はない。
荷室空間に関しても、クラウンスポーツが奥行き959mmで容量が397L、ZR-Vは奥行き約890mmで容量が39Lとほぼ同じだ。両車ともに後席背もたれをたたむと極めてフラットに近い荷室になる点も共通だが、どちらも荷室長は1600mmほどであり大柄な人が車中泊をするのはやや難しい広さだ。
トヨタ クラウンスポーツ Z
ボディサイズ=全長4720mm×全幅1880mm×全高1565mm
ホイールベース=2770mm
車両重量=1810kg
タイヤサイズ=235/45R21(前後)
ホンダ ZR-V e:HEV Z
ボディサイズ=全長4570mm×全幅1840mm×全高1620mm
ホイールベース=2655mm
車両重量=1580kg
タイヤサイズ=225/55R18(前後)
THS-IIのクラウンスポーツに燃費性能で勝るe:HEVのZR-V


クラウンスポーツに搭載されるのはクラウンクロスオーバーと共通の2.5リッターハイブリッドユニットであり、エンジンとモーター状況に応じて使い分けるTHS-IIに、モーター式4WD「E-Four」が組み合わせられる。
対するZR-Vは、低中速域はモーターで走行し高速走行時のみエンジンの動力を使うe:HEVだ。ただし、ZR-Vの4WDシステムはプロペラシャフトを介する一般的な4WDとなる。
発進加速性能は最大315Nmもの大トルクモーターを搭載するZR-Vの方が上手といえるだろう。しかし、クラウンスポーツの方がエンジン単体のスペックで優れ、フロント202Nm/リア121Nmのスペックのモーターを搭載しており絶対的な動力性能では負けない。
さらにクラウンスポーツは後輪操舵機構「DRS」との組み合わせで高い運動性能と安定性能を両立させているうえ、DRSの動作特性も他のクラウンシリーズよりスポーティな味付けとなっている。
WLTCモード平均燃費はクラウンスポーツの20.3km/L(SPORT Z)に対して、ZR-Vが21.7lm/L(e:HEV Z 4WD)だ。燃費性能はZR-Vの方が全速度域において優れた数値となっている。
トヨタ クラウンスポーツ Z
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=186ps/6000rpm
最大トルク=221Nm/3600-5200rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD
ホンダ ZR-V e:HEV Z
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1993cc
最高出力=141ps/6000rpm
最大トルク=182Nm/5000〜6000rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD
スペックや装備も同等!150万円の違いが表れる箇所は


クラウンスポーツのZグレードの価格は590万円で、ZR-Vのe:HEV Z 4WDは437万9100円と両車の価格差は非常に大きい。
どちらもシートヒーター付きの本革シートが装備されるが、ZR-Vの4WDならリアシートヒーターも標準装備となる。クラウンスポーツのZグレードにはリアシートヒーターの設定はなく、PHEVモデルを選べば備わるシートベンチレーション機能や電子制御ダンパーなどの高級装備の設定もない。
装備面でクラウンスポーツが優位な点は、渋滞路などでハンズオフが可能となる「アドバンスドドライブ」が備わる点くらいだろう。両車はキャラクターがよく似ているうえ、スペックや装備もほぼ同等だ。しかし価格には約150万円もの差がある。
使用される内装素材や各部の仕立て、遮音性やシャシーの躾など、スペックに現れない部分が両車の大きな違いといえそうだ。
車両本体価格
トヨタ クラウンスポーツ Z:590万円
ホンダ ZR-V e:HEV Z(4WD):437万9100
