総合的な利便性はムーヴに軍配!しかしデイズの使い勝手も悪くない

ムーヴはスライドドア付きハイトワゴンとなったが、全高はデイズ ハイウェイスターとほぼ同じ1655mmに抑えられており室内高は同じ1270mmだ。ムーヴの室内空間は先代より少しだけ広くなり、デイズと同等の後席居住性となった。

後席の乗降性や利便性はスライドドアのムーヴが優れていると言えよう。しかしデイズの後席ドア開口面積も十分広く、大柄な人はヒンジドアとなるデイズの方が乗り込みやすいかもしれない。

ただしデイズ ハイウェイスターは後席座面のスライド機構が左右一体となっており、左右独立スライドとなるムーヴより明らかに使い勝手が悪い。なお後席のリクライニング機構は両車とも左右独立だ。

荷室床面下にはどちらもアンダーラゲッジボックスが備わるが、デイズ ハイウェイスターはラゲッジボードを取り外して荷室を縦方向に広く使うことができる。とくにアンダーラゲッジ容量が大きいデイズのFFモデルはA型ベビーカーを立てて収納することも可能だ。

ダイハツ ムーヴ RS
ボディサイズ=全長3395mm×全幅1475mm×全高1655mm
ホイールベース=2460mm
車両重量=890kg
タイヤサイズ=165/55R15(前後)

日産 デイズ ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション
ボディサイズ=全長3395mm×全幅1475mm×全高1650mm
ホイールベース=2495mm
車両重量=880kg
タイヤサイズ=165/55R15(前後)

ムーヴとデイズ ハイウェイスターは好燃費を発揮する条件が異なる

両車に搭載されるターボエンジンのスペック値はほぼ同じだ。ただし、デイズのハイウェイスターグレードには最大トルク40Nmのモーターが発進加速をアシストしてくれるマイルドハイブリッドシステムが搭載され、加速性能はデイズに軍配が上がる。

それでいてWLTCモード平均燃費はムーヴが21.5km/L(RS)、デイズも21.5km/L(ハイウェイスターGターボ)と同じ数値だ。ただし両車は好燃費を発揮する条件が異なる。

マイルドハイブリッド車は発進が多い市街地走行での燃費性能も向上する傾向にあるが、両車は一般的な傾向とは異なり市街地モード燃費は非マイルドハイブリッドとなるムーヴの方が高く、速度域が上がるほどデイズの方が優れた数値になっている。

ムーヴのRSグレードは、高速域でより高い動力伝達効率を実現する「D-CVT」によって高速燃費が高められているのにも関わらず、デイズの高速燃費はそれを上回る。このような結果になる明確な理由は不明だが、各部制御の違いや走行抵抗などが関係すると見るのが妥当だろう。デイズの方がより広い領域で高い動力性能を発揮すると捉えてよさそうだ。

ダイハツ ムーヴ RS
エンジン形式=直列3気筒ガソリンターボエンジン
排気量=658cc
最高出力=64ps/6400rpm
最大トルク=100Nm/3600rpm
トランスミッション=CVT
駆動方式=2WD(FF)

日産 デイズ ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション
エンジン形式=直列3気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量=659cc
最高出力=64ps/5600rpm
最大トルク=100Nm/2400-4000rpm
トランスミッション=CVT
駆動方式=2WD(FF)

長距離移動で使うならデイズがおすすめ!より幅広いシーンで活躍できるムーヴ

「ムーヴ RS」は189万7500円、「デイズ ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション」が183万8100円と、価格は6万円ほどデイズの方が安い。

両グレードの装備はおおむね同等であり、アダプティブクルーズコントロールも標準で備わる。日常的な使い勝手で勝るのはスライドドアが備わるムーヴの方となるが、加速性能や高速燃費で優れるデイズは軽自動車でありながらロングツアラーとしての性能がとくに高い。左右一体スライドの後席もツアラーとして見れば大きなデメリットにはならないはずだ。

しかしムーヴの方も、電子制御スロットルやステアリング、サスペンションセッティングに操縦安定性を高めるチューニングが施されたうえで、RSグレードには標準モデルよりも高性能なサスペンションダンパーが搭載されており高い走行性能は健在だ。

長距離移動が多いならデイズが向く。スライドドアを採用した新型ムーヴはより幅広い用途に対応できるよう進化したと言ってよいだろう。

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