実は数値以上にコンパクト?プジョー3008のボディは街乗りでも狭い道でも扱いやすかった!PHEVの走りと4WDの安心感も◯

輸入車に全く縁もゆかりもない筆者が、今回はプジョー3008GTプラグインハイブリッド4でロングツーリングを敢行した!その距離およそ1400km……前回の高速インプレッションに続き、今回は一般道での印象をレポート! REPORT:井元貴幸(IMOTO Takayuki) CAPTION:MotorFan.jp PHOTO:MotorFan.jp

https://motor-fan.jp/mf/article/339641
【プジョー3008GTプラグインハイブリッド4でゆく1400km vol.2】市街地&郊外路ドライブ編はこちら。

日本の道路はまだまだ難所も多い!プジョー3008は踏破できるのか?

日本有数の酷道と称される国道157号線。福井県大野市熊河の国道標識だが、ここはセンターラインこそ無いが道幅は2車線弱もあってまだまだ序の口だ。

視界拡張は街乗りでも恩恵を受けたブラインドスポットモニターが酷道でも大活躍!すれ違いが困難な狭隘路でも左側ギリギリまで寄せることが可能なので、酷道走行でも威力を発揮する。どうしても離合ができない場合でも、360°ビジョンのおかげで少し長めに後退しなくてはいけないシーンで不安を感じることはなかった。

国道157号線ではすれ違いもできないような道を走ることになる。たまにある退避スペースまで長々と、しかもクネクネとバックすることになる場合も……。

また、通行止めでUターンを強いられるシーンもあったのだが、狭い場所での取り回しの良さは街乗りだけでなく、こうしたアクシデントが発生したときこそ高い安心感が要求される。

当初の予定では富山県から国道471号線の楢峠を走破して、国道360号線で白川郷を抜けて国道157号線を目指す予定だったが、富山県内で471号線が早々に通行止めとなり予定が破綻。高速道路で石川県に回り、まさに起点(石川県金沢市)から157号線のスタートとなった。
富山県富山市八尾町花房の国道471号線と国道472号線の重複区間。この周辺も工事通行止めが多かった。
崖ではないものの道路幅は1車線分しかない部分が多い。

慌てることなく余裕をもって転回できるボディサイズや最小回転半径を有していながら、居住空間に不満のないボディサイズという、相反するものを3008は両立してくれる。

国道157号線はところどころガードレールがなく、ガードロープは支柱ごと崩れていたりする。
ガードレールのない崖が続く道は、以前は「落ちたら死ぬ!!」の注意看板があったとか。
時折道幅が広がることもあるが、すぐにまた狭くなる。全くもって油断ならない。
落石や道幅の注意はよく見るが「路肩決壊」はなかなかお目にかかれない。
国道157号線の最難関を抜けたところ。
かつてはここに「落ちたら死ぬ!!」の注意看板があった。
落ちたら死ぬ!!『最凶酷道───国道157号線で温見峠を越える(酷道険道:福井県/岐阜県)』ジープ・レネゲード|SUV・クロカン|Motor-Fan[モーターファン]|ページ 3/3

「落ちたら死ぬ!!」日本に酷道は数あれど、こんな注意書きで始まるものはほかにない。岐阜県岐阜市から石川県金沢市を結ぶ国道157号線。なかでも根尾から温見峠を越えて越前大野へ抜ける区間は、クルマが通れる国道としては最難関との呼び声が高い。ジープ・レネゲードで日本最凶の酷道に挑む。TEXT:小泉建治(KOIZUMI Kenji)PHOTO:宮門秀行(MIYAKADO Hideyuki)

https://car.motor-fan.jp/article/10001829?page=3
「落ちたら死ぬ!!」当時の踏破記もお楽しみください。

モーターはパワフル!エンジンのみでも不足なし!

ワインディングでの走りは、とにかくパワフル。前回のインプレッションでもお伝えした通り、ワインディングのロケ中は充電を行なわず、バッテリー表示は残量ゼロの状態での走行となったが、エネルギーモニター表示では積極的にモーターが稼働。ドライブモードがノーマルの状態でも登り勾配で1.8トン超の車重を感じさせることなくグイグイと車体を押し出してくれる。

国道157号線の最高地点は標高1020mの温見峠。峠に続く道はなかなかの急勾配で、傾斜に加えてつづら折れも続く。上りの低速コーナーからの立ち上がりではパワーが欲しくなるが、プジョー3008はエンジンのみでも力不足を感じることはなかった。
国道157号線温見峠の頂上。温見峠は岐阜県本巣市と福井県大野市の県境。
温見峠の頂上から福井県側を望む。ここまでかなりの勾配だ。

エンジンのみの走行状態でも1.6Lとは思えないパワーを感じ、モーターアシストがない状態でも力不足を感じることがないという点には驚かされる。

エンジンは1.6L直列4気筒DOHCターボは200ps/6000rpm・300Nm/ 3000rpmというスペック。これにF:110ps/R: 112ps・F:320Nm/R:166Nmの前後2モーターが加わるが、エンジンだけでも約1.9トンの車体で峠を登るのに不足はなかった。

コーナリングではさすがに車重を感じることもあるが、決してロール量が大きすぎるわけでもなく、高速道路や街乗りで少し硬く感じた足まわりが非常にいい仕事をしてくれる。

ワインディングでは重量を感じさせない走りを見せる。

マニュアルモードはシフト操作がパドルのみとなるが、ステアリングではなくコラムに装着されているため、つづら折れの連続するコーナーでもパドル位置に戸惑うことがなく操作性が抜群だ。

プジョー3008のパドルシフトはコラム固定式で、ステアリングと一緒に回らない。握ったまま回していると手の位置と合わなくなるが、逆に持ち替えた時に操作しやすくなる。

また、回生ブレーキをうまく使えば下り勾配でもパドルシフトの操作なしでコーナーをクリアしていける。酷道ではこうしたタイトコーナーと下り勾配の連続するようなシーンでもブレーキに負担をかけることなく安心感の高い走りに舌を巻く。

長い下り坂にきついカーブの連続……ブレーキを酷使してしまいそうなシチュエーションだが、回生ブレーキを上手く使うことでブレーキへの負担は減らしつつ充電が可能。酷道はブレーキをフェードさせてしまっても、ガードレールは頼りにならない。

加速、減速、コーナリングと目まぐるしく変化する環境でもエネルギーモニターに目をやれば、前後モーターとエンジンを巧みに使い分け、状況に応じたきめ細かい制御が行われていた。それでいて、駆動輪の変化に違和感はなくコーナリングや加減速で優秀な制御のAWD車であることを感じた。

エンジンと前後モーターをシームレスに切り替え、組み合わせつつ走るが、その切り替えタイミングに違和感はない。

この制御が上手くないと一般的なドライバーでも「あ、今前輪駆動だな」とか、「今はAWDだな」と感じてしまうことがあり、複雑な機構を感じさせないという点は当たり前でありながら、意外と難しいのである。3008はこの制御の緻密さと違和感のない絶妙さに魅力を感じた。

回生によるバッテリーチャージは弱めだが、ワインディング燃費は悪くない

ただ炎々と続く下り勾配で積極的に回生ブレーキを使用したが、バッテリー残量が1目盛りしか増えなかったという点が惜しい。前述のとおり電欠状態にはならなかったものの、精神的にはもっと積極的に回生してくれると帰路でEV走行も可能だったのでは?と思える点が惜しまれる。

カーブが続く下りのワインディングは回生ブレーキをフル活用。積極的に回生を強めるモードがあればよりPHEVらしい走りが味わえたのではないかと思う。

それでもBEVに比べれば人里離れた山奥で電欠になる心配もなくPHEVならではの安心感は高く、52Lの燃料タンク容量は余裕もあり、今回はワインディング走行でも14km/Lをマークし、一般的なガソリン車以上の低燃費は燃料価格が高騰する昨今でも遠くに出かけたくなるパフォーマンスだ。

国道157号線を樽見から国道418号線に乗り換え関へ抜ける。富山での給油から関まで416km走行し、車載燃費計は14.0km/Lとなった。道路状況の良い郊外路(WLTC郊外モード:16.7km/L)はともかく、道程の大きな割合を占めたワインディングでこの燃費はまずまずの結果だろう。
富山での給油から関での給油までのトリップメーターと燃費計。
こちらはスタートから関までの積算。
メーカープジョー
車名3008
グレードGTプラグインハイブリッド4
全長4450mm
全幅1840mm
全高1630mm
ホイールベース2675mm
車重1880kg
最低地上高175mm
最小回転半径5.6m
乗車定員5名
トランク容量520L〜1482L
エンジン水冷直列4気筒DOHCターボ
排気量 1598cc
最高出力200ps/6000rpm
最大トルク300Nm/3000rpm
燃料/タンク容量ハイオク/52L
WLTC燃費15.3km/L
モーター最高出力F:110ps
R: 112ps
モーター最大トルクF:320Nm
R:166Nm
バッテリー/総電力リチウムイオン/13.2kWh
システム合計最大出力300ps
システム合計最大トルク520Nm
EV走行可能距離64km
サスペンションF:マクファーソンストラット
R:マルチリンク
ブレーキF:ベンチレーテッドディスク
R:ディスク
タイヤサイズ225/55R18
駆動方式e-4WD
トランスミッション8速AT
価格710万5000円
諸元表
プジョー3008プラグインハイブリッド4で高速道路を走ってみた!1.6Lターボ+2モーターでシステム総合300馬力&520Nmは伊達じゃない!!

輸入車に全く縁もゆかりもない筆者が、今回はプジョー3008GTプラグインハイブリッド4でロングツーリングを敢行した!その距離およそ1400km……まず高速道路でのインプレッションをお届けしよう。 REPORT:井元貴幸(IMOTO Takayuki) PHOTO:MotorFan.jp

https://motor-fan.jp/mf/article/338789
【プジョー3008GTプラグインハイブリッド4でゆく1400km vol.1】高速道路編はこちら。