モデル名を刷新し後継モデルは「M350」と命名

BMW M350 市販型 プロトタイプ スパイショット

ニュル高速テストで捉えたプロトタイプは、冷却性能向上のため、フロント下部のカモフラージュを一部取り外す必要があったようで、フロントリップが垣間見えるようになった。

3シリーズが好きな顧客なら、M3のハンドルを握る自分を想像したことがあるだろう。M3は、最高峰のパフォーマンスセダンの一つだからだ。しかし、BMWのラインナップでピュア「M3」のすぐ下に位置するのが、より手頃な価格でありながら、強力なパワーと、毎日の生活に欠かせない快適性と実用性を融合させたM340iだ。

BMW M350 市販型 プロトタイプ スパイショット

BMWが内燃機関と電気自動車の両方で展開される次世代M3の開発に取り組んでいる一方で、開発チームは、より手頃な価格のM340iの新型も準備している。このモデルは、ブランドの変化するパフォーマンスラインナップの中で競争力を維持するために、いくつかの重要なアップデートを施され、進化を遂げようとしているのだ。

BMWが来るノイエ・クラッセ時代に向けてモデル名を刷新する取り組みの一環として、後継モデルが「M350」と命名される。お馴染みの「i」は廃止され、電気自動車専用となるからだ。数字が「40」から「50」に上がったことも、パフォーマンスの向上を示唆している。そして今回捉えたプロトタイプが、新型M350だ。

BMWがノイエ・クラッセ・プラットフォームに移行する予定の、次世代電気自動車3シリーズ(i3と命名予定)とは異なり、刷新された内燃機関(ICE)シリーズは、現行のCLARプラットフォームを踏襲すると予想されている。 M340iと同様に、「M350」にもBMWの3.0リットル6気筒ターボチャージャー付き「B58」エンジンが搭載されるが、最高出力は400ps以上、おそらくは420psに迫る出力を発揮するように改良されると予想される。

これは現行の382psからの大幅な向上であり、特にB58はユーロ7規制に適合するように改良され、現行のM3にさらに近づく性能となっている。

後輪駆動と四輪駆動のバージョンは、同じ8速オートマチックトランスミッションと共に継続される予定で、残念ながらマニュアルオプションを採用する可能性は非常に低いと見られる。

エクステリアデザインでは、M350は、まもなくブランド全体で見られるようになるノイエ・クラッセのスタイリング要素をいくつか取り入れて刷新される。よりスリムなヘッドライトと、ワイドキドニーグリルを採用、よりスリムなイメージのフロントエンドが期待できるだろう。

リアセクションには、クワッドエキゾーストパイプをインストール、コンパクトなリップスポイラーが装着され、ロープロファイルタイヤを履いた大径ホイールが、このクルマの優れたパフォーマンスを暗示している。

全体的な形状はクラシックな3シリーズを踏襲し、伝統的な3ボックスシルエットと、リアクォーターウィンドウに配されたBMW伝統のホフマイスターキンクを斬新に解釈しているようだ。

キャビン内は不明だが、BMWが次期3シリーズについて発表した内容に基づくと、インテリアは現在のものとは大きく異なるものになるだろう。従来のインストルメントクラスターを廃止した、同社の新しい「パノラミックiDrive」レイアウトが期待される。

フロントガラス下部に2インチのフルワイドディスプレイが配置され、ドライバーの目の前に運転情報が表示される。右側にはカスタマイズ可能なモジュールが配置され、インフォテインメントシステムには、ダッシュボード中央に大型の台形スクリーンも含まれる予定だ。

M350を含む次世代3シリーズのワールドプレミアは、2026年後半と予想されており、今後さらにデザインの詳細が明らかになってくるだろう。