トヨタ フロントランダー

フロントランダーは広汽トヨタの専用車で、中国では第一汽車が展開しているカローラ クロスの兄弟車である。両モデルは現在、フェイスリフト版の発売に向けて準備が進められているが、パワートレインこそ従来モデルを踏襲するものの、スタイリングは刷新が予定されているという。

トヨタ フロントランダー

さて、フロントランダーは中国の規制により誕生したモデルである。というのも、中国の規制では、外国メーカーが中国市場で現地生産車を販売する際は、異なる合弁会社を通じて展開しなければならないとされているためである。

現行型のGAC(広汽)のフロントランダーは、ボディ同色の密閉式グリルを備えた独自のフロントエンドデザインを採用しており、他方、FAW(第一汽車)が展開するカローラ クロスは、最近フェイスリフトされたグローバル仕様のデザインを踏襲している。

新たなGACのフロントランダーもまた、独自のフロントデザインを確立しているようだ。シャープなノーズは、欧州や日本で販売されているGRスポーツ トリムに似た印象を与えるが、バンパー下部は大きなグリルがEV風のデザインに置き換えられており、空力性能を高めるボディ同色のインサートが採用されている。また、冷却インテーク用の小さな開口部のみを残し、下部には光沢のあるトリムアクセントを施した目立つセクションが組み合わされている。

LEDヘッドライトは、他市場の上位グレードであるカローラ クロスに搭載されているものと同一に見える。ただし、エントリーモデルには従来モデルのヘッドライトが引き続き流用されているようだ。その他のボディパネルは、現行型のフロントランダーと同様である。インテリアの画像はまだ公開されていないが、改良されたデジタルコックピットの搭載が予想されている。

フロントランダーの車体寸法は、全長4490mm(176.8インチ)、全幅1825mm(71.8インチ)、全高1625mm(64インチ)、ホイールベース2640mm(103.9インチ)。これらはフェイスリフト版カローラ クロスと同一であり、先代モデルと比べて全長が5mm(0.2インチ)延長されている。

パワートレインは、ガソリンエンジンとセルフチャージングハイブリッドの2種類が用意されている。非電動の2.0L 直列4気筒エンジンは最高出力171ps(126kW)を発生し、CVTを介して前輪を駆動する。ハイブリッド仕様は、2.0L ガソリンエンジン(156ps)に111psの電気モーターと三元系リチウムイオンバッテリーを組み合わせ、E-CVTを介して前輪を駆動する構成となっている。

さて、日本仕様のカローラ クロスは2021年に発売され、以来、トヨタの最も成功したモデルの一つに成長している。2024年には85万9000台を販売し、前年比18%増を記録。世界第3位の販売台数を達成した。

この中国仕様のデザインが日本仕様のカローラ クロスにどのような影響を与えるのか、まったく関係なく終わるのかは気になるところだが、いずれにせよ、トヨタにとって極めて重要なモデルであることは間違いなく、今後のデザイン方針についても慎重な判断が下されるものと見られる。