希少なMRレイアウトの本格軽スポーツ「ホンダ S660」


2015年4月から2022年3月まで生産されたホンダ S660は、ミッドシップエンジンレイアウト・リアドライブ(MR)を特徴とする2シーター軽オープンスポーツカーだ。
ホンダ N-BOXなどと共通のS07A型ターボエンジンを運転席後方に搭載することで、ノーズの動きは軽く、加速時にはエンジン重量が後輪を路面に押し付けることで優れたトラクション性能を発揮する。ただしMRは運動性能には優れるものの、気難しいハンドリングになりがちだ。
しかしS660は、ブレーキ制御で車両姿勢をコントロールする「アジャイルハンドリングアシスト」を軽自動車として初採用し誰でも安全にMRならではの動きを楽しめるクルマとなっている。
「無限」や「モデューロX」などのコンプリートカーは中古車価格で300万円を超える高値で販売されているが、多くの個体は100万円から300万円に収まる。走行距離5万km以下の個体は150万円からが目安だ。ただし、CVTモデルよりも6速MTモデルのほうがやや高めの相場となっている。
希少なミッドシップレイアウトを採用するS660は、紹介する3台の軽スポーツカーのなかでもっとも特別感のある1台と言えるだろう。
個性豊かなスタイルが魅力の軽オープン「ダイハツ コペン」




2014年6月から販売されている2代目ダイハツ コペンは、初代からの特徴である電動開閉式ハードトップはそのままに、外装をコンバートできる「DRESS-FORMATION(ドレスフォーメーション)」を採用。
これにより同一車種でありながら、コペンには「ローブ」「セロ」「エクスプレイ」「GRスポーツ」といった複数のモデルが用意されている。
S660がタルガトップであるのに対し、コペンはフルオープンでより開放感が高い。駆動方式はFFであり、リアトランクがある点もS660に勝る点だ。ただしオープン状態ではトランクにルーフが格納されるため積載容積が制限される点は留意しておきたい。
最高出力64psを発揮するKF型ターボエンジンには5速MTおよびCVTが組み合わされ、ワインディングロードから日常走行まで高いレベルでバランスの取れた走行性能を備えている。
紹介する3台のなかで唯一新車購入可能なこともあって、コペンは紹介する3台のうちもっとも流通量が多い。新車価格は200万円〜250万円となっているが、中古車なら70万円程度からみつかる。走行距離5万km以下の車両であれば100万円からが相場だ。
「エクスプレイ」はすでに廃止されているため中古車でしか手に入らない。また、新車価格が約250万の「GRコペン」は、5万km以下の個体は170万円からの値段で購入可能となっている。
実用性も高い硬派な軽ホットハッチ「スズキ アルトワークス」


2015年12月24日から2021年11月26日まで販売された5代目スズキ アルトワークスは、日常使いも可能な実用性とスポーツ走行の楽しさを両立させた軽ホットハッチだ。
搭載されるR06A型ターボエンジンの最高出力は64ps。トランスミッションは5速MTと5速AGS(機械式MT)が用意され、とくにMTモデルは軽自動車と思えない良質なシフトフィールが高く評価されている。
サスペンションは専用チューニングが施されるうえ、ボディも入念な補強が加えられており高い走行安定性と乗り心地を両立。さらにRECARO製スポーツシートも標準装備だ。なにより標準アルトと同じ5ドアボディで、使い勝手を犠牲にしていない点も評価ポイントと言えるだろう。
新車価格は約150万からだったが、現在の中古車市場では50万円から200万円程度の価格帯で流通している。走行距離5万km以下の車両は110万円からと、新車価格を考慮するとやや割高に感じられる。
アルトワークスと同じエンジンを搭載し、5速AGSのみの設定となる「RSターボ」なら、走行距離5万km以下の個体が60万円程度からの値段で販売されている。
