2代目N-BOXの中古車は走行5万km以下で60万円から、初代なら30万円から買える

2011年12月〜2017年8月まで販売された初代N-BOXの中古車価格帯は10万〜150万円。走行距離5万km以下の個体に限定すると標準モデルは30万円から、カスタムモデルは50万円が最低価格となる。ターボエンジンモデルは標準/カスタムともに60万円からが相場だ。

2017年9月〜2023年9月まで販売された2代目N-BOXの中古車価格は、当然それより引き上がる。中古車価格帯は40万〜220万円であり、走行距離5万km以下の個体は標準モデルが60万円から、カスタムモデルが80万円からだ。ターボモデルはどちらも80万円からが相場となる。

2023年10月に発売された3代目N-BOXは、現在中古車として販売されている個体に走行距離5万kmを超えるものは現状ほとんどない。グレードごとの価格相場はベースグレードが120万円から、ファッションスタイルが130万円から、カスタムモデルが140万円から、カスタムのターボモデルが150万円からだ。

3代目N-BOXの新車価格は173万9100円からとなるため、底値で買えるなら中古車購入も賢い選択肢と言えるだろう。

人気車であるN-BOXは初代から3代目まで中古車在庫は非常に豊富だ。安価な個体から良好なコンディションの個体、オプション装着車まで多種多様に揃っており、選択肢は非常に多い。また型落ちモデルであっても、N-BOXは乗り心地や静粛性、安定性能や動力性能も十分に高いレベルにある。

初代から3代目までのN-BOXには、どのような違いがあるのだろうか。N-BOXの中古車を選ぶ際のポイントを解説していこう。

室内空間は各世代で違いなし!使い勝手が良いのはより新しいN-BOX

室内空間に関しては、初代から3代目まで大差ないと思ってよいだろう。ただし装備や仕様の違いによる使い勝手の差はある。

とくに初代N-BOXは、2015年2月以前の販売モデルに後席スライド機構が備わっていない。これらは2015年2月の改良でオプション化された装備であるため、後席の機能性を重視するなら購入時に確認しておくことが大切だ。

内外装デザインが洗練された2代目では、後席スライド&チップアップ機能が標準装備となり、スライド量570mmの「助手席スーパースライドシート」が新たに設定された。また、スライドドアの開閉レバーもより軽い力で操作できるよう改良されている。

なにより2代目の大きな特徴は「ホンダセンシング」が搭載された点だ。ただし、発売当初は非搭載グレードも存在したため、低年式のモデルを選ぶ場合は「ホンダセンシング」の確認が必須と言えるだろう。

3代目では、運転席メーターがフル液晶メーターに変わり、インパネデザインが小物入れと兼用になった実用的なデザインに改められた。そのほかスライドドアのロック予約機能や、「ホンダコネクト」が搭載されたことでスマートホンからエアコン操作やクルマの位置確認が可能。加えて「ホンダセンシング」の性能もさらに向上している。ただし、3代目では「助手席スーパースライドシート」が廃止されている。

初代N-BOXと2代目以降は燃費性能と体感的な動力性能が別物

初代から現行型3代目まで、N-BOXは一貫して自然吸気エンジンとターボエンジンのそれぞれにCVTが組み合わせられる。世代間でエンジンスペックの数値自体に大きな差はないが、2代目以降のN-BOXにはより低回転域を得意とするS07B型エンジンが搭載された。

2代目および3代目N-BOXに搭載される自然吸気エンジンには、連続可変バルブタイミングに加えてバルブリフト機構が追加されたことで、低回転から高回転まで広い回転域でトルク向上を実現。ターボエンジンには電動ウェイストゲートが搭載され、過給圧をより緻密にコントロール可能になっている。燃費性能に関しても2代目と3代目は、初代よりも10%近く優れている。


エンジン本体のロングストローク化と以上の追加機構に加え、ボディ剛性の強化やシャシーセッティングの違いも相まって初代と2代目では体感できるほど運転特性に違いがある。3代目はさらにシャシーの性能や静粛性が引き上げられた。

各年代のN-BOXを購入するうえで、忘れられないのがリコールの対応確認だ。初代N-BOXのCVTにはいくつかの不具合が確認されており、場合によっては走行不能となる恐れがある。リコールによる無償修理や保証期間延長などで対応されているもののやや不安が残る。

2代目の全モデル、および3代目の初期型にはEGR(排気ガス再循環装置)のリコールが発令されており、最悪の場合走行中にエンジンが停止し再始動できなくなる恐れがある。

車両ごとのリコール対応はホンダのホームページ等で確認できるが、CVTが修理された状態にあるかどうかは整備記録簿等で確認するしかない。購入するのがいずれの世代であってもメンテナンス記録が残っている車両を選ぶことが望ましい点は変わらない。

以上の点を踏まえつつ、年式と価格のバランスを考慮すると、2代目N-BOXの中古車が現状もっとも狙い目と言えるだろう。