ツートンカラーのエクステリアと、「Ferr」と「ari」に分かれた大胆で斬新なFerrariロゴが特徴

フェラーリ デイトナSP3 ワンオフ

フェラーリは、先代ラ・フェラーリの半分の気筒数であるV6エンジンを搭載したF80を発売した際、物議を醸した。フロントエンジンの「12チリンドリ」や、SUVの「プロサングエ」がV12エンジンを搭載しているのに対し、マラネッロの最上級グレードであるスーパーカーが6気筒エンジンで積まさざるを得なかったことに、一部の愛好家は異論を唱えたのだ。

フェラーリ デイトナSP3 ワンオフ

しかし、それでも超富裕層の顧客により、結局、限定799台すべてが完売した。しかし、排気量に代わるものはないと考える人々にとって、嬉しいサプライズが待っているようで、V12エンジンがシートの後ろに帰ってくる。

デイトナSP3が、ワンオフモデルとはいえ、驚くべき復活を遂げた。当初の599台は、2021年の正式デビュー前に完売した。Monza SP1とSP2のオーナー499人全員がIconaシリーズの後継車を購入することを約束し、100台はすぐに他のコレクターに引き取られた。そして今、600台目のクルマが存在する。

RMサザビーズ・オークションは8月、カリフォルニア州で開催されるモントレー・カー・ウィークでこのクルマをオークションに出品する。収益はすべてフェラーリ財団に寄付され、教育プロジェクトに役立てられるという。最終的な落札価格は未定だが、最初の599台に設定された220万ドル(約3億2千万円)を大きく上回って、5億円超〜10億円の値が付くとも噂されているほどだ。

フェラーリ デイトナSP3 ワンオフ

フェラーリが価値ある活動を支援するために生産を延長するのは今回が初めてではない。2016年に壊滅的な被害をもたらしたイタリア中部地震の復興支援のため、予定外に500台目のLaFerrariが700万ドル(約10億円)で落札された。これは当初の価格の5倍に相当する。また、210台目のLaFerrari Apertaが約1,000万ドル(14億5千万円)で落札され、その収益がセーブ・ザ・チルドレンに寄付されたことも記憶に新しいところだ。

600台目のデイトナSP3は、ツートンカラーのエクステリアと、「Ferr」と「ari」に分かれた大胆で斬新なFerrariロゴを特徴としている。これは、これまでにない珍しいレイアウトと言えるだろう。インテリアでは、シートはリサイクルタイヤから作られた素材で覆われ、ステアリングコラムとチェッカーボード模様のダッシュボードに使われているカーボンファイバーはF1マシンから調達されている。以前の599台と区別するため、Ferrariはシートの間に特別なプレートを追加し、このクルマがワンオフモデルであることを示している。