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今日は何の日?

■ダイハツとデ・トマソ社が共同開発したシャレード デ・トマソ

1993(平成5)年8月17日、ダイハツはコンパクトカーの4代目「シャレード」の特別仕様車「シャレード デ・トマソ」を発売した。シャレード デ・トマソは、イタリアのデ・トマソ社と共同開発した、若者をターゲットにして内外装やエンジン、足回りなどをチューンしたスポーティなモデルである。

ダイハツ「シャレード デ・トマソ」
ダイハツ「シャレード デ・トマソ」

リッターカーの先駆けシャレード誕生

1977年、ダイハツはトヨタとの提携後初のダイハツオリジナルの「シャレード」を発売。1.0Lエンジンのリッターカーながら、1.3Lクラスの小型車に匹敵する性能と室内空間、軽自動車並みの燃費を達成することを目標に開発された。

1977年にデビューした初代「シャレード」
1977年にデビューした初代「シャレード」

コンパクトながら、タイヤを極力隅に追いやり、乗員すべてをホイールベースの中に収めて十分な室内空間を確保。パワートレインは、乗用車としては世界初となる3気筒エンジンの1.0L 直3 SOHCエンジンと4速/5速MTの組み合わせ、駆動方式はFFである。

1977年にデビューした初代「シャレード」
1977年にデビューした初代「シャレード」

シャレードの車重は630~660kgと非常に軽量だったので、燃費の良さとともに軽快な走りを実現。それを実証するため、海外ラリーに積極的に挑戦し、1981年にはモンテカルロ・ラリーでクラス優勝を飾る活躍を見せた。

WRCで活躍したダイハツ・シャレードたち
WRCで活躍したダイハツ・シャレードたち

軽自動車と当時人気だった1.3~1.5Lクラスのコンパクトカーの中間を埋めるシャレードは、リッターカーの先駆けモデルと位置付けられている。

徐々に大きく上級化した4代目シャレード

1983年にモデルチェンジでデビューした2代目シャレードは、1.0L直3 SOHCにターボを搭載したターボモデル、さらには乗用車用として世界最小の1.0L直3 SOHCディーゼルモデルを発売して大きな注目を集めた。

1983年にデビューした2代目「シャレード(ターボ)」
1983年にデビューした2代目「シャレード(ターボ)」

1987年には3代目へモデルチェンジ。初代や2代目シャレードの直線基調から一転、ボディがやや大きくなって全高を抑えた曲線基調のスタイリッシュなフォルムに変貌。パワートレインは、1.0L直3 SOHC電子制御キャブレターNAとそのターボ仕様、さらにDOHC EFIターボを加えたガソリンエンジン4種に、先代同様4速/5速MTおよび3速ATが組み合わされた。

1983年に登場した2代目シャレード
1983年に登場した2代目シャレード

そして1993年1月に4代目「シャレード1300」がデビュー。キャッチコピーは、“ハーモニック・バランス”で、ボディタイプはスポーティな3ドア/5ドアハッチバックの2タイプを設定。先代に対してホイールベースを55mm、全長を70mm延ばして居住性を高め車格をワンランクアップさせた。

1984年にデビューした「シャレード 926ターボ」
1984年にデビューした「シャレード 926ターボ」

パワートレインはエンジンが1本化され、最高出力91ps/最大トルク11.0kgmを発揮する1.3L直4 SOHCと5速MTおよび4速ATの組み合わせ。駆動方式は従来通りFFと4WDが踏襲された。シャレードの上級志向はさらに進み、1993年8月に1.5Lエンジンを搭載した「シャレード1500」が追加された。

1993年にデビューした4代目「シャレード」
1993年にデビューした4代目「シャレード」

スポーティモデルのシャレード ド・デマソ追加

1993年8月のこの日、スポーティな「シャレード デ・トマソ」が発売された。シャレード デ・トマソは、イタリアのスポーツカーやレーシングカーを開発・製作するメーカー「デ・トマソ」社と共同企画したもので、走り好きの若年層をターゲットにした。

1993年に登場した4代目シャレードに設定された「シャレード デ・トマソ」
1993年に登場した4代目シャレードに設定された「シャレード デ・トマソ」

デ・トマソ社がデザインしたエアロバンパーや大型サイドストーンガード、バックドアスポイラー、専用フロントグリル、4連フォグランプ、専用アルミホイールなどを装備。インテリアについては、ナルディ製本革巻き3スポークステアリングホイール、レカロ製フロントシート、レッドカラーの透過照明式メーターパネルなどが採用された。

「シャレード デ・トマソ」のリアビュー
「シャレード デ・トマソ」のリアビュー

パワートレインは、新開発された125ps/14.7kgmの1.6L直4 SOHCエンジンと4速ATおよび加速感重視の5速MTの組み合わせ。さらに高剛性ボディに、ハード仕様のガス封入式ショックアブソーバーとコイルスプリング、4輪ディスクブレーキなどが組み合わされて力強い走りを支えた。

車両価格は、139.3万円(4速AT)/129.8万円(5速MT)に設定。当時の大卒初任給は18.5万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約173万円/161万円に相当する。

シャレード デ・トマソは、コンパクトながら俊敏な走りが走り好きから支持されて人気を獲得した。

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ダイハツとデ・トマソ社との関係は、ダイハツがエンジンとトランスミッションを1981年にデ・トマソ社(当時は、イノチェンティ社)へ供給したことから始まった。これをきっかけにして、共同開発した「シャレード デ・トマソターボ(1984年~)」、「シャレード デ・トマソ・ビアンカ(1985年~)」、「シャレード デ・トマソ・リミテッド(1986年~)」が発売され、第4弾が4代目シャレードの「シャレード デ・トマソ」だった。ファミリーカーのシャレードとは一味違うスポーティなモデルとして注目されたシリーズとなった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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