大容量の電源確保でシーンを問わない活動源をいまこそ

ポータブル電源も、すっかり当たり前の存在となった。車中泊用はもちろん、災害用の備えにと、一家にひとつの備えがあっても珍しくない。ただ、市販品で大半を占める、片手で持てるサイズのポータブル電源は、実のところ携行電子機器への給電にこそ有用でも、家電クラスの機器を動かすには不十分。その点このレベルを満たすものは、これまでかなりの高額に達する専用機器に限られており、趣味の一環としてはおいそれとは手が出ないものだった。

一方、ポータブルタイプとは別に、屋内用電池の導入も徐々に増え始めている。いわば同じ電池ながら立ち位置は大きく違い、こちらはインフラとも言えるものだ。
どうせなら、双方をひとつで満たせるものがあれば……とお考えの方も、実の所は多かっただろう。ここでは、日常では無停電電源装置に、レジャーにはポータブル電源へと、マルチに活躍してくれる新世代のポータブル電源だ。

DJIのニューモデル『パワー2000』は、大幅な大容量化を果たして大半の家電を動かすことができ、拡張性にも優れていて無停電電源装置モードも備え、家庭用のバックアップにも十分適用する。発生音の静かさも、30dB未満とハイレベルだ。
それでいて、携行使用も現実的。充電時間もごく短時間で完了し、様々な出力ポートを備えることで、携行機器の多いアウトドアレジャーでも頼りになる。

DJI『Power 2000(実勢価格:13万1890円)』
1年前より発売を開始したDJI Powerシリーズの最新作であり、トップグレードでもある2048Whの大容量モデル。2700Wの出力を完全放電に至るまで安定的に維持することができ、ほぼ全ての家電をを確実に稼働できる。

とりわけ注目に値するのが、単なる電源の域を超えた高度な機能性だ。安定動作を可能するリン酸鉄リチウムバッテリーを使うのはもちろん、ボディ構造も堅牢であり、電力は高度なシステムソフトウェアで管理される。温度による影響も大きいとされるなか、敷設される温度センサーは26個にも渡るといい、回路を保護するヒューズは21個と言うから、そのレベルの高さも窺い知れる。

専用アプリを使えば、オンオフの切り替えからパラーメーターの調整にリアルタイムのコンディション監視まで行える。ドローンやアクティブカメラの根強いイメージ通り、DJIの製品らしくその商品性は実にスマートで安心感も高く、携行機器との相性も高い。拡張アクセサリーも豊富に用意され、スタイリッシュかつスマートな電源環境もこれで思うがままだ。

ドライヤーや電子レンジなどの大出力機器も安定駆動し、大半の家電に対応。機器にダメージを加えることなく、迅速に給電可能だ。

名だたるブランドから次世代モデルが次々と!

他方、携行性を高めたコンパクトタイプも、サイズこそ抑えつつ、内部構成の見直しによってハイスペック化を果たしている点に注目したい。
DJI『パワー 2000』と同時にリリースされる『パワー1000 V2』は、容量や最大出力こそ控え目ながら、その機能性はトップモデル譲り。屋外使用や非常時の備えを重視しているため、持ち運びやすさに一日の長がある。

DJI『Power 1000 V2(実勢価格:8万5800円/税込)』
その容量こそ『Power 2000』の半分となる1024Whながら、堅牢な作りやスマートな機能性を踏襲するコンパクトモデル。容量を抑えた分、重量は14.2kgと持ち運びやすく、また急速充電では1時間以内にフル充電できるなど、機動力はこちらに分がある。

また他社からも、DJIのリリースと前後して続々と進化版が発表されている。世界最小クラスと世界最速の充電スピードをうたうアンカーのニューモデルは、ちょうどよさを狙ったもの。容量こそ従来モデルと変わらないものの、AC出力は1550Wまで進化し、高消費電力の家電にも対応できるようになっているほか、充電モードには超急速版も備えることで急ぎの持ち出しにも対応してくれる。

Anker『Solix C1000 Gen 2 Portable Power Station(価格:9万9990円/税込)』
Solixシリーズの最新モデル。容量は1024Whを確保し、最大AC出力は1550Wと家電使用にも幅広く対応。前モデルから約12%の軽量化を実現することで、容量1000Whクラスのモデルにおける世界最小クラスのコンパクトさを達成するほか、超急速充電モードを使うことで満充電に要する時間は54分と世界最速を誇る。

そしてブルーティは、日本の住環境に馴染むPOPなAORAシリーズに新型モデルを追加。軽くて使いやすいのはもちろん、安心さや落ち着きを持たせる方向で進化させた日本限定展開だという。新色となるミントグリーンは、まさにその意向を反映させたものだ。

今年の3月よりBLUTTIのラインアップに加わる「AORAシリーズ」は、日本の住環境に合わせた限定ライン。その進化モデルが、早くも7月より発売開始となった。左上の『AORA 30 V2(実勢価格:1万9900円/税込)』、そして中央の『AORA 100 V2(実勢価格:5万9800円/税込)』ともに、より運びやすさと安定感を高める方向で進化し、ミントグリーンの新色が加わってより親しみやすさが増している。

どのモデルも、限られたサイズを目一杯使い切るような機能性の熟成が図られつつ、用途に合わせたクラス分けも明確になっている。ユーザー視点でも、明確な選択肢により、買いやすくなっているとも言えるだろう。買いどきのタイミングをはかっていた人も、より上等なものへと買い替えを検討していた人も、まさにこの夏場は絶好のタイミングと言えそうだ。