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今日は何の日?

■レトロなミラ・ジーノが小型車に変貌

2002(平成14)年8月23日、ダイハツは5代目「ミラ」に設定されたクラシック志向の「ミラ・ジーノ」の小型車「ミラ・ジーノ1000」を発売した。ミラ・ジーノ1000は、軽のジーノをベースに、全長と全幅をそれぞれ20mm延ばし、1.0Lエンジンを搭載して小型車に仕立てられた。

ダイハツ「ミラジーノ1000」
2002年8月にデビューした」「ミラ・ジーノ1000」

ダイハツ中核モデルのミラの進化

ミラの初代となる「ミラクオーレ」は、フェローMAXの流れを汲み、スズキ「アルト」に対抗するために1980年6月に誕生した。ミラクオーレはハッチバックながら“FF1.5ボックス”というレイアウトで、エンジンが収まるフロント部をコンパクトに仕上げた上で全高を高くして、室内空間と荷室空間を広くしたことが特徴である。

ダイハツ「ミラクォーレ」
1980年6月にデビューした軽ボンネットバンのダイハツ「ミラクォーレ」

ミラクオーレは、その後ミラの単独車名となり、1985年にはモデルチェンジで2代目に移行、エンジンと足回りを一新してダイハツ躍進の切り札となった。1990年の3代目は、軽自動車の新規格に対応してゆとり室内空間と安全性がブラッシュアップされた。

スズキ「アルト」
1979年5月に」に47万円の低価格でデビューしたボンネットバンの先駆車、スズキ「アルト」

1994年に登場した4代目は、セカンドカーからファーストカーとして満足できる軽を目指し、小型車と同等の快適性と走り、上質さをアピールした。一方でユーザーの多様性に応えるため、「TR-XX」というホットモデルで走りをアピールしたり、また1997年8月にはミラベースにクラシカルな「ミラ・クラシック」が追加された。

ミラ・クラシックは、丸形ヘッドライトと台形フロントグリル、メッキのバンパーモールやロッカーモール、ドアミラーなどを採用。このミラ・クラシックが、5代目に登場するミラ・ジーノへと発展するのだ。

5代目ミラにクラシカルなミラ・ジーノ追加

1998年10月に、ミラは軽自動車の新規格とともに5代目にモデルチェンジした。新規格は、衝突安全性の向上を図る目的で実施され、5代目ミラのボディサイズは、全長3400mm(←3300mm)、全幅1480mm(←1400mm)、全高2000mm(変更なし)に変更された。

1998年10月にデビューした5代目「ミラ」
1998年10月にデビューした5代目「ミラ」

スタイリングは、街乗りを意識したタウンキュービックフォルムをベースにしたシンプルな3ドア/5ドアのハッチバックを採用。パワートレインは、最高出力45psと58psの660cc直3 SOHC NAと64psのIC(インタークーラー)ターボの3種エンジンと、5速MTおよび4速/3速AT、CVTの組み合わせ。駆動方式は、FFと4WDが用意された。

また5代目の特徴である先進の安全性については、衝突安全ボディ”TAF(Total Advanced Function)”の採用やデュアルSRSエアバッグやABS&ブレーキアシスト、プリテンショナー&フォースリミッター付シートベルトなどが設定された。

1999年3月にデビューした「ミラ・ジーノ」
1999年3月にデビューした「ミラ・ジーノ」

そして1999年3月、先述のミラ・クラシックを発展させた「ミラ・ジーノ」が発売された。エクステリアは、専用設計のフロントフード&フェンダー、丸型マルチリフレクターハロゲンヘッドランプ、種々のメッキパーツで質感の高いレトロな雰囲気を創出。インテリアには、ウッドステリングホイールや木彫インパネ、専用ホワイトメーター、スエード調シート&ドアトリムなどが採用された。

ミラ・ジーノの小型車版ミラ・ジーノ1000登場

2002年8月のこの日、軽「ミラ・ジーノ」をベースにした小型車「ミラ・ジーノ1000」がデビューした。

ダイハツ「ミラジーノ1000」
2002年8月にデビューした」「ミラ・ジーノ1000」

ボディサイズは、全長3414mm×全幅1495mm×全高1425mmと、長さと幅がそれぞれ20mm拡大され、ホイールベースは同じ2360mmだった。

ダイハツ「ミラジーノ1000」
2002年8月にデビューした」「ミラ・ジーノ1000」

スタイリングは、ミラ・ジーノのものが引き継がれ、メッキバンパー&大型バンパーライダーやメッキサイドロッカーモール、メッキホイールアーチモールを採用、専用デカール「1000」のマークが乗用車でることを強調。インテリアは黒基調でまとめ、各種ウッド調パーツを採用して、スポーティ感と高級感が演出された。

ダイハツ「ミラジーノ1000」のコクピット
ダイハツ「ミラジーノ1000」のコクピット

パワートレインは、最高出力64ps/最大トルク9.6kgmを発揮する1.0L直3 VVT付DOHCエンジンと4速ATの組み合わせ。駆動方式は、FFと4WDが用意された。

ダイハツ「ミラジーノ1000」
ダイハツ「ミラジーノ1000」の前後シート

車両価格は、標準グレードが108.5万円(2WD)/120.5万円(4WD)に設定。CD/MDステレオや14インチアルミホイールなどを装備した上級グレード「X」は、それぞれ7.3万円上乗せされた。また、ベースの軽ミラ・ジーノの同仕様が97.8万円(2WD)なので小型車化で10.7万高額となっている。

ダイハツ「ミラジーノ1000」
ダイハツ「ミラジーノ1000」の室内

リーズナブルな価格設定の小型車ミラ・ジーノ1000だったが、軽のアップサイジングのイメージが強いため、新鮮味に欠けて市場の評価はイマイチだった。

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開発費を抑えるために軽自動車ベースで小型車を開発した例は過去にも結構多いが、どうしても安直で安っぽく見えてしまうので好評を得た例は少ない。ミラ・ジーノ1000も、ダイハツの大看板ミラの名前が付いているので、なおさら軽のイメージが拭いきれなかったようだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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