1.5Lターボとデュアルモーターを組み合わせ、合計出力215ps、最大トルク525Nmを発揮

日産は、人気クロスオーバーSUV「エクストレイル」の最もスポーテイーなバージョンとなる、「NISMO」バージョンを発表した。

ニスモ版では、改良されたサスペンションと、よりシャープなハンドリングを実現するAWDソフトウェアの調整を受けていますが、ハイブリッドパワートレインは強化されていないのだ。

日産 エクストレイル NISMO

日産のニスモパフォーマンス部門は、SUVラインナップへの進出に注力している。アルマーダのニスモバージョンを発表したばかりの同部門だが、今度はフェイスリフトを終えたばかりのエクストレイルにもニスモを導入した。

エクストレイル ニスモは、スポーティなボディキット、カスタムサスペンション、そしてハンドリングとドライバーの一体感を向上させるために調整されたAWDエレクトロニクスを特徴としている。しかし、残念ながらハイブリッドパワートレインはパワー不足と言えそうだ。

エクステリアでは、ニスモのロゴが入った目立つフロントスプリッター、サイドスカート、F1スタイルのブレーキライトを備えたリアディフューザーが採用され、すべて日産のパフォーマンスサブブランドを象徴する赤いハイライトが施されている。日産によると、このボディキットは単なる装飾ではなく、ベースモデルのエクストレイルと比較して揚力を29%低減しているとのことだ。

日産 エクストレイル NISMO

もう一つのハイライトは、ブレーキの冷却性能を向上させるデザインを採用した、エンケイ製の専用20インチアルミホイールだろう。この新しいホイールには、路面でのグリップを向上させる幅広のミシュラン パイロットスポーツEVタイヤが装着されている。また、ボディカラーには、ニスモ専用のステルスグレーが採用され、コントラストの効いたスーパーブラックルーフと前述のレッドアクセントがアクセントとして採用されている。

インテリアは、レッドステッチと同系色のインサートが施されたブラックのシートが特徴的だ。スポーティな雰囲気をさらに高めるのは、オプションのレカロ製スポーツシートだ。ヘッドレスト一体型で、レザーとアルカンターラのトリムが施されており、サポート力を高めるだけでなく、電動リクライニングとシートヒーターも備えているため、快適性も損なわれない。標準のエクストレイルには7人乗りも用意されているが、ニスモは5人乗りのみとなっている。

ライバルのトヨタ「RAV4 GR-Sport」に唯一劣るものとは?

日産 エクストレイル NISMO

そして最も期待したいのはスペック向上だ。ニスモ仕様は通常、よりパワフルなパワーを発揮すると期待されるが、このモデルは標準のe-Powerシステムを搭載している。このセルフチャージングハイブリッドシステムは、発電機として機能する1.5Lガソリンターボエンジンと、デュアルモーターを組み合わせ、合計出力215ps/157kW、最大トルク525Nm387lb-ftを発揮する。しかし、プラグインハイブリッドシステムでシステム合計324ps/239kWを発揮するトヨタ「RAV4 GR-Sport」と比べると、大幅に劣っているのだ。

もちろんこれがまったく悪い訳ではありません。ニスモ版では、シャシーとエレクトロニクスのアップグレードに注力し、ワインディングロードでの走行性能を向上させている。また、快適性を犠牲にすることなくボディロールを最小限に抑えると言われる、カヤバ製スイングバルブショックアブソーバーを日産車として初めて採用している。

さらに、標準装備のe-4ORCE電動AWDシステムは、後輪への駆動力配分を向上させるとともに、前輪のトルクベクタリング能力を向上させるために再調整されている。さらに、車両制御モジュール(VCM)も改良され、応答性を優先するスポーツモードが追加されている。

エクストレイルNISMOは、9月24日発売が予定されている。価格は、NISMO e-4ORCE」グレードが5,416,400円、「NISMO advanced package」が5,962,000円となっており、オプションのレカロシートは、489,500円かかる。

現段階でニスモバージョンが日本市場限定か、世界展開するのかは不明だ。しかし、米国では、次期型ローグが2026年半ばに発売される予定で、ニスモ仕様が追加される可能性があるとの報道もある。それが事実なら、次期型までニスモは導入あされないかも知れない。