1967年型マスタングをベースにレストアと全面的な改造を実施

史上最も有名なマスタング、「エレノア」の復刻版がついに公開された。このレプリカは、オリジナルの映画に登場するマスタングの製作者と新たな提携企業によって製作されている。

フォード マスタング エレノア 復刻版

映画「60セカンズ」に登場するフォード・マスタング エレノアほど、銀幕で強烈な印象を残したクルマはそう多くない。その独特な外観と圧倒的な存在感は、映画史に残る名車の1台となっている。長年にわたり、数え切れないほどのレプリカが製作されてきたが、より公式で精巧に作られたバージョンが間もなく登場する。

フォード マスタング エレノア 復刻版

ニコラス・ケイジ主演の映画「60セカンズ」の公開25周年を記念し、米国に拠点を置く2社が協力し、エレノアの復刻版を限定25台製作するという。

長年にわたり、エレノアの復刻を試みると、深刻な法的トラブルに巻き込まれる可能性があった。映画のクリエイター、デニス・ハリッキ氏の未亡人が、クルマ自体が著作権で保護されていると主張していたためだ。しかし、最近の裁判所の判決により、企業が問題なく製作を開始できるようになったそうだ。

この限定生産モデルは、映画「60セカンズ」のためにオリジナルのエレノア11台を製作した、シネマ・ビークル・サービスの創設者、レイ・クラリッジ氏の協力により実現する。クラリッジ氏はシネマ・マッスル・レクリエーションズのランドール・ウルフ氏と提携し、25台のクルマはオリジナルデザインを忠実に再現することを約束している。

各車は1967年型マスタングをベースにレストアと全面的な改造が施される。 「エレノア:ゴーン・アゲイン」と名付けられたこのモデルは、最高出力480PSを発揮する自然吸気5.0L「コヨーテV8」エンジンを搭載し、価格は約50万ドル(約740万円)からとなる予定だ。よりパワーを求める方には、最高出力875PSを発揮する、3.0Lウィップル・スーパーチャージャー搭載の「アルミネーターV8」エンジン(1万9000ドル=約280万円の追加)や、最高出力550PSの「ラウシュ427V8」エンジン(1万8000ドル=約265万円の追加)も用意される。

標準装備はトレメック製5速マニュアルトランスミッションだが、6速マニュアルシフトも提供される。また、コヨーテV8モデルのハンドルを握りたい方には、フォードの最新鋭10速オートマチックトランスミッションもオプションで選択可能。ブレーキはウィルウッド製で、カスタムサスペンションもセレクトできる。

インテリアは、ノスタルジアと現代的な利便性の両立を目指しているという。クラシックな1967年型マスタングの外観と雰囲気を継承しつつ、キーレススタート、パワーウインドウ、Bluetooth接続といった実用的なアップデートが施されるようだ。

納車開始時期を明らかにしていないが、すべての車両が手作業で組み立てられるため、納車開始までには相当な時間がかかると思われる。