当時モノのインパル製パーツを満載!
できることはオーナー自らDIYで!
スカイラインとして7代目にあたることから、『7th(セブンス)』と呼ばれたR31。スポーティなイメージはそのままに、折からのハイソカーブームに乗って上級志向を強め、まずは4ドアハードトップ/セダンが1985年に発売され、翌年2ドアクーペがラインアップされた。

取材車両は前期型4ドアハードトップの最上級グレード、GTツインカム24Vターボパサージュ。210ps&25.0kgm(グロス表示)を誇る2.0L・直6のRB20DETを搭載し、ミッションには5速MTが組み合わされる。
「レイテック南出社長のGX81に同乗してハチマルミーティングに行ったのがキッカケですね。それまでネオクラには全くピンと来てなかったんですけど、会場に並んだクルマを見て初めて興味を持って、“自分でも乗りたい!!”と思ったんです」とオーナーの中野さんは言う。
最初に狙ったのは、オークションで見付けたR30のポールニューマンバージョンだった。しかし、惜しくも落札できず。そのタイミングで出てきたのがR31で、それまで乗っていたS15を手放し、RBエンジンならパーツもあるだろうと考えて購入に踏み切ったのが8年前、中野さん22歳の時だった。
そこからチューニング&カスタムがスタート。レイテックでBNR32純正ワインレッドに全塗装してもらい、足回りにはTディメントのワンオフ車高調をセット。その後、R31仲間から譲り受けたインパル製フルエアロを組み付け、ホイールやシフトノブもインパル製に交換した。
また、純正オプションのリヤルーフバイザーや、ブレーキランプに連動してロゴが点灯するカロッツェリア製リヤスピーカー、リヤブラインンドなども当時モノで固め打ち。その時代を知る人達の遠い記憶を呼び起こしつつ、今だからこそ新鮮に映る鉄板のネオクラスタイルを生み出しているのだ。

4ドアハードトップはセンターピラーレス構造。ピラードに対してボディ剛性面では圧倒的に不利だけど、前後サイドウインドウ全開時には抜群の開放感を味わえる。衝突安全性が問われる今の時代では実現できない、ネオクラならではと言える部分だ。サイドミラーはビタローニ風で、ドアパネル直付けに変更。

ステアリングホイールはクラシカルなイメージを醸し出すOBA製280φを装着。ホーンボタンとシフトノブはインパル製に交換される。意外だったのは、製品としてR31用ダッシュボードマットが存在していたことだ。

当時、R31やF31の純正オプションだったクラリオン製オートカセットセレクターを装備していたことに驚き。5本のカセットテープを装填できるカートリッジをセンターアームレスト部にセットし、シフトレバー後方のパネルスイッチで操作する。世界初を謳った日産自慢の装備だ。

R31では珍しい赤内装。デザイン性も考慮したと思われる前席のヘッドレストは2本の棒を上から背もたれに差し込むのではなく、左右のアームで支持するタイプが採用される。R31のキャッチコピー、『都市工学』を思い起こさせる作り。

日産としてはKPGC110ケンメリGT-RのS20以来となるDOHC4バルブ採用の直6エンジン、RB20DEを市販化。そのターボ版がRB20DETだ。その他、RB20シリーズとしてはSOHC12バルブのRB20E、そのターボ版RB20ET、グループAホモロゲモデルのR31 GTS-R専用として開発されたRB20DET-Rが存在した。

ボディやエアロの塗装と装着、日常的なメンテはレイテックにお願いしているけど、中野さんは自分でできる範囲はDIYで作業するなど、これまでオーナーとショップの二人三脚でR31を仕上げてきた。また、主な活動範囲はスタンスネーションなど、置き系イベントへの参加となっている。
「現状、ひと通り仕上がったと思ってます。ただ、次にやりたいこともあって。それがエンジン換装。NAで楽しんでみたいので、すでにRB20DEを確保してあるんですよ!」と中野さんが嬉しそうに話してくれた。
オーナーが望みさえすれば、チューニングやカスタムに終わりはない。そういう意味でこのR31は、今後も進化を続けていくのは間違いなさそうだ。
⚫︎取材協力:レイテックオートワークス 奈良県橿原市一町171-1 TEL:0744-28-0062
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