ツーリング途中でも気軽に立ち寄れる「My Yamaha Motor café」
ヤマハ発動機では、バイクを売るだけでなく、それを楽しんでもらえるようなイベントを定期的に開催している。
年に一度のヤマハ祭といえる全社あげてのミーティングや、初心者からベテランまで満足させるようなライディングレッスン企画なども行っているが、そのひとつが「My Yamaha Motor café」だ。それらの中にあって、My Yamaha Motor caféはおそらく一番「ゆるいイベント(良い意味で)」。大掛かりな出し物やスペシャルゲストの登場があるわけではなく、タイムスケジュールも参加申込もなにもない、「ツーリングのついでに寄ってみた」感覚で楽しめるのがとても気軽で良いイベントだ。

今年は全6箇所で開催されるMy Yamaha Motor caféだが、9月6日というまさにツーリングシーズン突入の季節がやってきたのと同時のタイミングで本年5回めが開催されたので、参加してみた。もちろん、「ツーリングのついでに」だ。
せっかくのヤマハイベントに参加するツーリングということで、最新のヤマハ車で行きたいと思い、試乗車をお借りした。
初めて乗る大型バイクは900ccクラスの「MT-09 SP」
ヤマハレンタルバイク大森でお借りしたバイクが「YAMAHA MT-09 SP ABS」。ヤマハバイクラインアップにあって、ストリートスポーツバイクの最高峰との位置付けだ。











MT-09は、総排気量888ccの直列3気筒エンジンは、最高出力88kW(120PS)/10000rpm、最大トルク93Nm(9.5kgm)/7000rpmを発生させる。MT-09シリーズには変速機は6速MTで、クラッチレバーを装備しないY-AMTもラインアップするが、今回試乗した「SP」はマニュアルのみの設定。
そのSPモデルは、フロントにSP専用のKYB製サスペンションを装備、リヤの専用開発オーリンズ製サスペンションと相まって、サーキットでも十分な戦闘力を発揮するポテンシャルを秘めている。街乗りやちょっとしたワインディンでもそのしっかりと路面を捉える感覚は十分に味わえるが、けっしてカタイ乗り味とは違い、しっかり感の中にどんなシーンでも路面に追従するしなやかさが感じられた。
と、偉そうにインプレッションを語っているが、実は僕は大型免許を取得したばかり。40年以上前に中型限定の2輪免許(当時はそのような免許制度)を取得して以来、いつかは大型に…という野望をやっと叶えたばかり。
そんな大型初心者にもMT-09は、見た目のイカツサとは裏腹に乗りやすく、身長168cmの僕でも足付きも問題なく、ワインディングでコーナーを攻めるような勇気は毛頭ないが、どんなシーンでも自分なりに思ったとおりに走ることはできた、、、はず。とにかく、駐車場などでの取り回しも含め、扱いやすさには随分と助けられた。
さて、そんなMT-09 SPで向かったのは、埼玉県秩父方面の般若の丘公園(旧バイクの森)だ。東京から関越道を使い、花園インターで降りてからはあえて有料道路を使わず旧道を楽しんで、休憩も入れ片道2時間プラスアルファのコースで、日帰りにはちょうどいいくらいの距離感だ。
ツーリング中にシールドをキレイにできるありがたさ
到着した般若の丘には、YAMAHAロゴのノボリと誘導員の方が出迎えてくれる。すでに多くのライダーが到着し、思い思いに語り合ったり、バイクを見せ合ったりしている。ヤマハ車がメインだが、他のブランドもそれなりにいた。
上述した通り、メインステージでトークショーがあるようなイベントではないが、それなりのホスピタリティも用意してくれていた。

まずは、ヤマハファンのためのポータルサイト「My YAMAHA Motor Web」に会員登録し、当日受付でチェックインすると、ペットボトルのドリンクと、「My Yamaha Motor café」ロゴ入りのペットボトルホルダーをプレゼント。さらに、福引タイプのガラガラを回して当たりが出れば、金のタンブラーがいただける。残念ながら外れましたが…。
隣のブースにはアパレルやグッズ、それにメンテナンスアイテムなどを販売していた。
なかでも、ヘルメットシールドのクリーナーや撥水剤は、その場で試すことができた。シールドって被ってから汚れに気付くもの。「もう出発の時間!」となってヘルメットを被って前回走った後のその汚れに気付き「汚れてるけど、まあいいか!」となりがち。こんなときに、ツーリングの先でそういったケミカルの効果を試せることってとても実用的でありがたい。バイクに長く接しているからこそ生まれる発想だと思う。





またがり体験には、ロングツーリングに最適な最高峰「TRACER9 GT+」「XSR900」2025年の第52回東京モーターサイクルショーに出展され日本発売が待たれるスクーター「Fazzio」などを展示。それぞれにまたがって感想を語り合っていた。
地元名物は「パレオパラドキシア」「チチブサワラ」「わらじカツ丼」
会場の公園付近は秩父の山中ながら、かつて海だったそうで、近くで化石が発掘された1500万年前の哺乳類の海獣「パレオパラドキシア」と2mもあったという「チチブサワラ」の復元像が設置されており、個人的は非常に興味を持った。パレオパラドキシアは円柱を重ねたような歯に特長があったのだそう。






そんな生まれて初めて知る古代の生物の名前を覚えたことで頭を使いお腹が空き、ちょうどお昼時を向かえたので、会場を後にした。
秩父地方、特に小鹿野町付近の名物といえばわらじカツ丼。明確な定義があるかどうかはわからないが、揚げたてでタレに浸したとんかつを、丼飯に載せただけというものが多くの店で提供されるらしい。卵とじでもなく、キャベツが載っているわけでもない、シンプルだけど絶対美味しいヤツだ。とんかつを切らずにそのまま載せ、わらじらしさを表現しているようだ。
御食事処鹿の子さんで、還暦近いというのについつい3枚載せを頼んでしまった。まったく油っぽさもしつこさもなく、カツ丼としては意外なほどさっぱりしていた。カツの適度なサクサク感と柔らかな肉質による歯ごたえの良さと、甘辛い醤油ベースのタレがご飯との相性バツグンで、箸が止まることなく進んであっという間に完食してしまった。

帰り道は行きのルートをまったく逆に走り、途中の三芳サービスエリア上りにあった、狭山茶を扱う「新井園本店」で抹茶パフェをいただき、帰路についた。

総走行距離は270.6km、消費したハイオクガソリンは10.22Lで、燃費は26.5km/L。飛ばしてないし、高速がメインということを考えても、かなりの好燃費のポテンシャルを持っていると思った。
適度な疲労感が心地よく、一部は翌々日に筋肉痛が発生したが、初めての大型バイクツーリングはとてもいい経験になった。そういった思い出づくりまで考えてバイクを販売するヤマハって面白いメーカーだ。
次のMy Yamaha Motor caféは9月27日の愛媛県の道の駅多々羅しまなみ公園第2駐車場だ。ヤマハのバイクでなくても、瀬戸内地方でどこかへ行ってみようというかたは、目的地なり、立ち寄り地なりに設定してはいかがだろうか。スタッフが温かく向かえてくれて心地よい気持ちにさせてくれるのは保証します。
「My Yamaha Motor café」の詳細は下記をチェックしてみよう。
My Yamaha Motor café – バイク スクーター | ヤマハ発動機株式会社