リマックの記録をたった1か月で約41km/h超!

BYD Yangwang U9トラックエディション

BYDは、Yangwang U9 トラックエディションが、ドイツ・パーペンブルクのテストトラックで時速472.41km(293.54マイル)の最高速度を記録し、世界最速の電気自動車となったと発表した。

BYD Yangwang U9トラックエディション

記録走行は8月8日、ATPオートモーティブ・テスト・パペンブルク施設で行われ、プロドライバーのマーク・バッセング氏が運転した。
これまでの記録は、2025年7月にリマック・ネベラRが記録した時速431.45km(268.2mph)だったが、トラック・エディションは、2024年11月に時速391.94km(243.54mph)を記録した標準モデルのYangwang U9をはるかに上回る速度であることが証明された。

トラック・エディションには、それぞれ最高出力755ps/555kWを発揮する4基の電動モーターが搭載されている。
BYDによると、合計出力は3,019ps/2,207kWを超え、1トンあたり1,200psという驚異的なパワーウェイトレシオを実現している。
比較対象として、「ネヴェーラ R」は2,017ps/1,571kWで、1トンあたり978psを発揮する。

このサーキットモデルは、パワーを制御するため、高度なトルクベクタリング機能と、e4プラットフォームのDiSus-Xインテリジェントボディコントロールシステムを活用、サスペンションを自動調整してグリップを最大限に高める。
さらには、「量産車初の1200V超高電圧車両プラットフォームと、極限状況に最適化された熱管理システムを組み合わせている」と言われている。

今月初めに中国工業情報化部を通じて初公開されたYangwang U9トラックエディションだが、記録を達成したモデルは、空力特性を向上させるため、パネルの隙間にダクトテープが貼られているようだ。
また、オプションで再設計されたカーボンファイバー製スプリッターが装備され、スワンネック型のリアウィングは廃止されている。

足回りには、Giti Tireとの共同開発によるサーキット走行に特化したセミスリックタイヤが装着されている。
最適化されたコンパウンド素材と特注のトレッドデザインに加え、高粘度潤滑剤とタイヤとリム間の特殊なローレット加工により、相対的な滑りを最小限に抑えているという。

前回の記録挑戦でもYangwang U9でステアリングを握っていたバセングは、「昨年はピークに達したと思っていました。こんなに早く自分の記録を破れるとは思っていませんでしたが、今、同じサーキットで、新しいテクノロジーのおかげでそれが可能になったのです」と語っている。

リマックのリベンジは見られるのか、注目される。