

2025年9月の第3土曜日に『トミカ』の新車として、それまでの『No.10 三菱 アウトランダーPHEV』に代わってラインアップされたのが『No.10 ホンダ プレリュード』です。
1978年に登場した初代ホンダ・プレリュードは、当時としては珍しい電動サンルーフを標準装備するなど、スペシャリティクーペとしての先進性を前面に押し出したモデルでした。2代目ではホンダらしいシャープなデザインとワイドなスタンスを手に入れ、3代目では世界初の量産型4輪操舵システム“4WS”を搭載し、走りと技術の両面で大きな注目を集めました。4代目ではスポーティさを深化させるとともに安全装備の充実を進め、5代目となる1996年型では2.2L DOHC VTECエンジンを搭載し、先鋭的なスタイリングと高性能を兼ね備えたクーペとして評価されました。しかしその後、クーペ市場の縮小や販売戦略の変化により2001年に生産終了となり、プレリュードの名前は長らく歴史の中で眠ることになります。そして2025年9月、実に24年ぶりに6代目プレリュードが復活し、ホンダのスポーツスピリットを再び体現するモデルとして新たな一歩を踏み出しました。『トミカ』の『No.10 ホンダ プレリュード』は、この発売されたばかりの新型プレリュードを再現しています。


新型プレリュードは“UNLIMITED GLIDE(アンリミテッド・グライド)”というコンセプトを掲げ、空を滑るグライダーのような軽やかさと、非日常の高揚感を体験できることを目指しています。外観はロー&ワイドなフォルムが強調され、全長4515〜4520mm、全幅1880mm、全高1355mmという堂々としたプロポーションにより、伝統的な低重心スポーツクーペの姿を現代に蘇らせました。フロントまわりはシャープなノーズとブラッククローム仕上げのグリルを組み合わせ、ブルーアクセントを加えることで精悍さと先進性を両立しています。ヘッドライトは羽ばたきをモチーフにした繊細なストライプを施したマルチファンクションライトで構成され、アダプティブドライビングビームやアクティブコーナリングライトを組み込むことで、夜間の安全性を高めるとともに、見た目の印象を強く残す演出も行っています。側面はレーザーブレーズ工法によりルーフモールを排したことで、クリーンで滑らかなシルエットを実現し、リヤにはフルLEDの一文字テールランプと滑空する翼のような造形を組み合わせ、プレリュードらしいスポーティさと近未来感を際立たせています。
インテリアはブルーとホワイトを基調とした軽快かつ上質な空間に仕上げられており、外観同様に“滑空”をイメージさせる軽やかさが漂います。ダッシュボードには“Prelude”の刺しゅうが施され、ソフト素材のライニングパッドや足元のドアライニング形状は乗降性と快適性を両立させています。運転席は高いホールド性を持たせスポーツ走行に対応しつつ、助手席は包み込まれるような柔らかい座り心地を意識するなど、左右で異なる性格を与える工夫がユニークです。ドライバーが操作するステアリングはD字形状で、金属調のパドルシフトや専用のフルグラフィックメーターを組み合わせることで、走りに対する期待を高める仕掛けも随所に盛り込まれています。BOSEのオーディオシステムやGoogle搭載のHonda CONNECTディスプレーなど、現代的な快適性や利便性も確保されています。
パワートレインは2.0L 直列4気筒直噴アトキンソンサイクルエンジンに2モーターを組み合わせたハイブリッドシステム“e:HEV”を搭載。高効率な電動化システムにより力強い加速と滑らかな走りを実現しつつ、ドライバーの操作に対して素早く応答するレスポンスが特徴です。ここに新開発の“Honda S+ Shift”が組み合わされ、仮想8速の変速フィールを演出。加速時にはまるでトランスミッションが切り替わるかのようなダイレクトな駆動感を楽しむことができます。また、アクティブサウンドコントロールによってエンジンサウンドを強調し、メーター表示と連動させることで走行体験をさらに高揚させます。ドライブモードはCOMFORT、GT、SPORTの3種類があり、S+ Shiftを使うことで6通りの多彩な走りを提供します。さらに“コースティング制御”と呼ばれる減速機能を採用しており、アクセルを離した際に自然な惰行感を得られ、まさに“滑空”に近い感覚を味わえる点も特徴的です。
日常の使い勝手についても考慮されており、テールゲート式の荷室は広い開口部を持ち、スーツケース2個を余裕で収納可能。後席を倒せばゴルフバッグやサーフボードなど長尺物の積載も可能で、下部には仕切り板を兼ねた小物入れスペースも備えています。これによりスポーツクーペでありながら実用性を失わず、日常から趣味まで幅広く対応できる柔軟性を持っています。安全装備については、進化したHonda SENSINGを搭載し、緻密で自然な制御によりドライバーをサポート。ACC(アダプティブクルーズコントロール)やLKAS(車線維持支援システム)はもちろん、夜間の視認性を補助する機能も充実し、安心感の高いドライブを実現します。

ホンダが長年培ってきたスポーツスピリットと電動化技術を融合させ、伝統と未来を繋ぐ存在として新たな歴史を刻み始めた6代目プレリュード。『トミカ』の『No.10 ホンダ プレリュード』は、この実車の魅力を的確に再現したものとなっています。現在、実車にはベースグレードの1グレードと2トーンカラーがポイントの『Honda ON Limited Edition(ホンダ オン リミテッドエディション)』という特別仕様が存在しているだけですが、『トミカ』の『No.10 ホンダ プレリュード』は、屋根部分が黒く塗られているため、なんとベースグレードではなく、特別仕様の『Honda ON Limited Edition』をモデル化したものとなっていることがわかります(ちなみに初回特別仕様はプロトタイプのテスト走行時に用いられたブルーのカモフラージュという、これも珍しいカラーリングです)。話題沸騰のスペシャリティクーペをぜひ、あなたのコレクションにも加えてみてください。

尚、ホンダではこの『トミカ』の開発裏話を同社の『Honda Design』のサイトにおいて、『トミカPRELUDE(プレリュード) 実車との同時期発売を可能にした熱意の源流』(https://global.honda/jp/design/interview/202508tomica_prelude/?from=prelude_curation)のタイトルで公開中です。興味を持たれた方は、ぜひ一度、お読みになってみてください。
■ホンダ プレリュード(BF1) ホンダ オン リミテッドエディション 主要諸元
全長×全幅×全高(mm):4520×1880×1355
ホイールベース(mm):2605
トレッド(前後・mm) : 1625/1615
車両重量(kg):1460
エンジン型式:LFC型 直列4気筒DOHC
排気量(cc):1993
エンジン最高出力:104kW(141ps)/6000rpm
エンジン最大トルク:182Nm(18.6kgm)/4500rpm
モーター型式:H4型 交流同期式
モーター最高出力:135kW(184ps)/5000-6000
モーター最大トルク:315Nm(32.1kgm)/0-2000
トランスミッション: 電気式CVT
サスペンション(前/後):ストラット/マルチリンク
ブレーキ(前/後) :ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ:(前) 235/40R19 96W
■毎月第3土曜日はトミカの日!

毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2025年9月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.10 三菱 アウトランダーPHEV』に代わって『No.10 ホンダ プレリュード』が登場します。なお、『No.10 ホンダ プレリュード』には初回のみの特別仕様(特別色)もあります。また、それまでの『No.50 トヨタ ノア』に代わって『No.50 三菱 デリカD:5 消防指揮車』が登場します。






