アキュラは完全電気自動車戦略方針を転換し、NSXを含め、将来の電動化戦略にハイブリッド車を取り入れる予定
アキュラのスポーツハイブリッドカー、「NSX」の後継モデルの登場が延期された可能性があるとともに、アキュラブランドの最新事情を入手した。アキュラはハイブリッド中心のクロスオーバーラインナップへと移行しつつも、フラッグシップモデルへのこだわりは変わってはいないようだ。

当初、NSX後継モデルは、完全電気自動車ブランドになる予定だったが、アキュラは方針を転換し、NSXを含め、将来の電動化戦略にハイブリッド車を取り入れる予定だ。これらの新しいガソリン車と電気自動車の最初の成果は数年以内に登場し、まだ完全電気自動車への移行に踏み切れない顧客の需要を満たしてくれそうなのだ。

アキュラは、2030年までに販売台数の60%を完全電気自動車にするという計画を発表した際、ハイブリッド車の開発を完全に見送り、内燃機関(ICE)搭載車がラインナップから姿を消した際にはEVに置き換えると発表した。しかし、同社は戦略を変更し、製品の一部に電動化を取り入れる予定だ。親会社であるホンダが掲げる、2050年までに世界全体でCO2排出量をネットニュートラルにするという目標達成に向けて、引き続き取り組んでいくと言う。
この製品展開変更の犠牲となったモデルの一つがNSXだと海外で報じられているのだ。同社は2022年に、2030年までに電動フラッグシップスポーツカーをラインナップに加えると発表した後、2027年または2028年の登場の可能性が示唆されていた。しかし、アメリカン・ホンダの専務執行役員である井上勝史氏によると、このスケジュールは延期される可能性があるが、完全にキャンセルされたわけではないと語ったと言う。
米Automotive Newsは、NSX後継車の発売が遅れたことで、アキュラブランドは数年以内にクロスオーバーSUVのみの展開になると報じている。 セダンのTLXは2025年モデル末で生産終了となり、インテグラもこの世代の終わりまでしか生産されない見込みだ。つまり、2028年または2029年に生産終了となる可能性があるのだ。そうなると、残るのはADX、RDX、MDXの内燃機関クロスオーバーと、電気自動車のRSXファストバッククロスオーバー、そしてZDX SUVとなる。
アキュラはこれまでもガソリン車と電気自動車の融合モデルに取り組んできた。具体的には、10年前に登場したRLXとMDXスポーツハイブリッド(そしてもちろん、2022年に生産終了となった全輪駆動の3モーターNSX)だ。
アキュラに期待される今後のHEVは、ホンダ・シビックとアーキテクチャを共有するADXだろう。2.0Lの2モーターハイブリッドパワートレインを採用することで、ADXは馬力とトルクが190psから200ps、242Nmから314Nmトへと向上し、効率も向上する。
また、アキュラRDXは最近改良されたが、こちらも生産終了前にハイブリッドモデルが登場する可能性がある。
海外メディアによると、アキュラのある広報担当者は、「アキュラブランドの新しいハイブリッドモデルの開発初期段階にある」と認めたようだが、時期や製品の詳細については明らかにしなかったと言う。
果たしてNSX後継モデルはいつ登場するのか、スクープ班が、プロトタイプを捉える日が待ち遠しい。












