再販のラブコールに応えてリニューアルした新開品
走行中のクルマには、搭載しているエンジンや補器類、タイヤをとおした路面からの振動などが常に加わっている。これらの振動はブッシュなどの制振材によって抑えられ、乗員にはなるべく伝わらないように作られている。これは、快適性を損なわないためだ。
しかし、振動を完全に抑えるというのはなかなか難しい。また、経年式車では、徐々に振動が発生しやすい傾向となる。そして、ちょっとした微振動でも、気になりだすと何とかして抑えたくなるものだろう。そんな気になる振動を低減し、乗員に伝えにくくするのがエーモンの『ショックレスリング』だ。

特殊制振素材により、走行中の振動やノイズ等を低減し乗り心地を快適にするリング状のアイテム。ボルトを緩め、挟み込むだけのカンタン施工が特徴。エンジンルームで使用できる耐熱仕様。6枚入りのほか、8枚入り(実勢価格:・5680円/税込)もある。
実はエーモンでは、以前『静音計画 ロードノイズ低減プレート』という製品を発売していたのだが、ブランド展開見直しのため2017年に販売を終了していた。しかし、販売終了後もラブコールが強く、再販を考えていたところ、より微振動に対しての効果が高く、ハンドル、シート、足元から伝わる微振動を低減することができる素材の入手が可能となったため、新製品として再び市場に投入したのだ。
メーカーの計測データでは、サスペンションのアッパーマウント部に装着するだけで、路面の凹凸通過時の突き上げによる振動の測定値が約40%も低減しているというから興味津々だ。


ただ間に挟み込むだけで振動が見事に低減された
ショックレスリングの装着方法は簡単だ。サスペンションアッパーマウントやシートレールの固定ボルトを緩め、ワッシャーのようにボルト(ナット)とボディとの間に挟み込んで締め付けるだけだ。これだけで、ショックレスリングの特殊制振合金素材が振動を吸収し、熱エネルギーに変換することで振動を低減させることができる。
早速、フロントサスのアッパーマウントを固定している3本のボルト部に装着してみた。まず気づいたのは、荒れた路面のガツンといったショックの角がとれてマイルドに感じられるようになったことだ。突き上げによる入力が抑えられるわけではないが、発生した振動が明らかに低減されている。乗り心地も一段上質になった感じで、上級グレードのクルマになったかのよう。また、走行時に気になっていたカップホルダーのカタカタ音がしなくなった。触ってみると、まったく振動していない。これは驚きだ。

次に、シートレールの固定ボルト部にも装着してみたところ、フロントサスのアッパーマウント部に取り付けたときに比べ体感は少々低かった。これは、もともとテスト車のシートの振動吸収性が高く、走行時にほぼ振動を感じなかったから。
ただ、高速走行ではシートバックから背中に入る微振動が改善された。シートからの振動はドライバーにじわりとダメージを与え、運転疲労の原因になる。ショックレスリング装着によって、高速での長距離運転時の快適性向上と疲労軽減が見込まれる。また、シートレール剛性が低いクルマや、走行時に路面振動が常に体に伝わるようなシートであれば、ショックレスリングによって快適性がかなり改善されるに違いない。

ただ挟み込むだけでこれだけ快適性が改善されるというのは、正直ビックリ。価格を考えると、そのコストパフォーマンスはじつに高いといえる。車内の振動が気になっているなら、是非試してみてほしい。
