ボディ幅は驚異の2100mm!
エイトスポークも常識を逸脱した12J幅をセット!
S30時代に一世を風靡したオーバーフェンダー、ロングノーズ、ダックテールといったボディメイキング。それをRZ34で再現したリバティーウォークのボディキットを纏い、さらにエイトスポーク・Rタイプを履かせたのが、RSワタナベ専務取締役・渡辺万三志さんの愛機だ。

RSワタナベの創業一家である渡辺家は、SR311時代から歴代フェアレディZを所有してきた由緒ある家系。なかでもS30とエイトスポークの組み合わせが流行した時代は、まさにRSワタナベの第一次黄金期だった。
こうした背景があるだけに、S30のデザインをオマージュしたRZ34をベースにRSワタナベがデモカーを製作しない理由はなかった。しかも「飛びきり派手に、飛びきり格好良く、RZ34とエイトスポークRタイプを魅せたい」という想いを込め、このマシンを作り上げたのだ。



そのこだわりは徹底している。リバティーウォークのワイドボディキットにも独自の加工を施して装着。エアサスで構築する極低車高では、走行時にリフトアップするとキャンバーが変化し、タイヤがはみ出してしまう。そこで、公道走行に対応できるよう、ボディキットを前後とも片側約40mmずつワイド化を実施。
前後18インチのホイールは、エイトスポークRタイプの特注サイズ。フロント10.5Jマイナス52、リヤ12Jマイナス82をセットし、タイヤはアドバンA052をフロント235/40、リヤ275/40で組み合わせた。

エンジンはK&N製エアクリーナー、HKSのスポーツキャタライザー&マフラーに加え、オートガレージMのECU書き換えでVR30DDTTを約500ps仕様に強化。今後はハイフロータービンを導入し、600psを目指す計画もある。

サスペンションは326パワーのチャクリキダンパーにエアバッグを組み合わせた仕様で、瞬時に車高を調整できるだけでなく、サーキット走行にも対応するセッティングが施されている。

ブレーキはエンドレス製で、フロント6ポットキャリパー+370mmローター、リヤ4ポットキャリパー+355mmローターという構成。ヘビー級のRZ34でも安心してサーキットを攻められる仕様だ。


インテリアはRSワタナベオリジナルのステアリングに、ブリッド・エルゴスターとRSワタナベのコラボシートを装着。ホールド性と快適性を両立させている。なお、トランスミッションに6速MTではなく9速ATを選択したのは、渡辺専務が所有するパドルシフト仕様のAE86との統一感を重視したためだ。

取材は気温30℃を超える富士スピードウェイで行われた。水温や油温の関係で周回数は限られたものの、シェイクダウンにして2分4秒台を記録。「まだまだタイムは削れると思いますよ」と語ったのは、テストドライバーを務めたCBYの小田さんだ。渡辺専務自身もステアリングを握り、RZ34の走行性能を存分に楽しんでいた。

今後はさらなるエンジンチューニングやインテリアカスタムなど、多彩なアップデートが予定されているという。「Z」への深い愛と、RSワタナベのアイデンティティが凝縮されたこのマシンが、どのような進化を遂げるのか目が離せない。
⚫︎取材協力:レーシングサービスワタナベ TEL:0120-811-562
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