BMWが、ニュークラシックのスタイリングとテクノロジーを採用した最小SUVであるX1/iX1の刷新を準備しているという。それは早ければ来年にもデビューし、現在のところはマイナーチェンジと予想されてはいるものの、新世代モデルとして位置付けられる可能性もあるのだという。

BMWのライフサイクル・インパルス(LCI)アップデートは、目立たないエクステリアの微調整で行なわれることがよくある。しかし今回のX1では、BMWは大きく方向性を転換しているようだ。このエントリーレベルのSUV(BMW用語ではSAV)は、控えめな変更ではなく、インテリアも刷新する抜本的な再設計を目指していると伝えられる。

そこでプロトタイプと思われるクルマのスパイショットをベースに、提携しているKolesaのデジタルアーティスト、Nikita Chuiko氏が次期X1の新たな予想画像を作成してくれた。これらの画像は、現在得られている情報をかなり忠実に再現してくれているといっていいだろう。
刷新される新型は、BMWの新しいフロントエンドのアイデンティティを受け継ぎ、よりスリムなキドニーグリルと、新型iX3を彷彿とさせるシャープなLEDヘッドライトを備えているという。バンパー、ボンネット、フェンダーも再設計され、現行モデルのアグレッシブなライン、特にMスポーツトリムで強調されていたラインの一部が、より柔らかくなるようだ。
側面に目を向けると、ポップアウト式ドアハンドル、より滑らかな表面仕上げ、そしてよりエアロダイナミックなミラーを採用されるようだ。キャビンは継承される予定だが、プロトタイプでは覆われていたDピラーには若干の変更が加えられる可能性がある。さらに、アルミホイールに新しいオプションを追加し、よりモダンなスタンスに貢献する予定だという。
テールライトも現行X1とはスタイリングが大きく異なる。L字型のテールランプは、BMWエンブレムで区切られた細長いユニットに変わり、ナンバープレートはバンパーに取り付けられていたiX3とは異なり、テールゲートの低い位置に配置される。
インテリアもノイエ・クラッセ仕様を踏襲し、フロントガラス下部を覆うスリムなディスプレイを備えた、新しいパノラミックiDriveコックピットが採用される。インフォテインメント用のタッチスクリーンは台形型で大型化される見込みだが、iX3の17.9インチの直径と一致するかどうかは不明だ。この新しいレイアウトは、4本スポークのステアリングホイールと新しい内装オプションと組み合わされる可能性が高いとみられる。
X1は、マイルドハイブリッドからプラグインハイブリッド、そして完全電気自動車のiX1まで、幅広いパワートレインを既に展開している。これらのオプションは今後も継続される見込みだが、効率性と性能は段階的に向上していくと思われる。
完全電気自動車のiX1は現在、前輪駆動と四輪駆動の2タイプが用意されており、航続距離は415~475km(257~295マイル)だ。しかしBMWは、ライバルたちとの激しい競争を経て、この数値をさらに向上させたいと考えているはずだ。そしてこれは、新型バッテリーパック、より効率的な電気モーター、そしてより優れた空力デザインの採用によって実現される。つまり、大きなデザイン変更はここにも大きな意味を持つことになるだろう。
BMW X1の第3世代は2022年半ばに導入されたため、すでに発売から3年が経過。以前の報道によると、ライフサイクルの中間段階におけるアップデートは2027年に導入される予定だった。しかし、プロトタイプの開発活動とBMWの野心的な製品戦略を考えると、2026年の導入がますます有力視されている。
ミュンヘンでは、2027年までにノイエ・クラッセのスタイリングとテクノロジーを採用した40種類の新型車または改良モデルが発売されることが確認された。BMW AGの取締役会長オリバー・ツィプセ氏は、2026年以降に登場するすべてのモデルが新型車になると明言しているが、X1の次期モデルが大規模なフェイスリフトとなるのか、それともまったくの新世代モデルとなるのかは、現状ではまだ不明だ。





