GMとの合弁事業が2023年末に解消されたことなども理由に

ホンダは、海外高級ブランドアキュラが販売する電気クロスオーバーSUV「ZDX」の生産を終了したことを明らかにした。

アキュラ ZDX

初代ZDXは2009年に登場、2013年に一度廃止された。しかし、2023年、ゼネラルモーターズと共同開発され、同社Ultiumバッテリーを搭載、アキュラ初の電気自働車として復活したが、わずか2年で生産終了となりそうだ。

ホンダ プロローグ

さまざまな理由があると思われるが、EV市場の鈍化、市場の変化などがあったうえ、GMとの合弁事業が2023年末に解消されたことなどを受けて生産終了を選択したようだ。また、メーカー希望小売価格から3万ドル以上の大幅値下げも実行したが、奏功することはなかった。

アキュラの広報担当者は、一部海外メディアに対し、「お客様のニーズや市場状況、そして長期的な戦略目標に製品ポートフォリオをより合致させるため、アキュラZDXの生産終了をお知らせいたします」と語ったようだ。

同氏は、産終了を迎えたものの、アキュラはZDXが次世代に向けた重要な基盤を築いたと強調している。「ZDXはアキュラブランドにとって重要な役割を果たしてきました。来年、オハイオ州のEVハブで2026年後半に生産開始予定の電気自動車アキュラRSX、そして現在開発中のハイブリッド電気自動車アキュラモデルの登場によって、ZDXは私たちの基盤を築いていくでしょう」と語っている。

そして注目は、ZDXの後継モデルだ。GMによるUltiumバッテリーを積むことはないが、ホンダは固体電池(ソリッドステートバッテリー)の開発を進めるなど、EVは将来の重要なパワートレーンと位置づけており、10年以内に、より安価なEVを製造することを目指している。ZDXは初代生産終了から10年後に復活したが、3代目となる後継モデルは、10年以内に期待できそうだ。

なお、ZDXの生産終了に伴う、姉妹車ホンダ「プロローグ」への影響はないと見られている。

今後のアキュラのEV戦略だが、2026年後半に発売予定の「RSX」を皮切りに、クロスオーバーSUVモデルが中心となり進められそうで、2028年には、エレクトリックモデルとしてZDX復活も視野に入っている可能性がありそうだ。