英国を拠点とするスタートアップ企業であるハルシオンが、ロールスロイスのヴィンテージな1台である、コーニッシュをレストモッドした。

ロールスロイス コーニッシュ レストモッド by ハルシオン

1971年から1985年に製造されたロールスロイス・コーニッシュが、このほどハルシオンの手によって電動コンバーチブルとして新たな命を吹き込まれた。同社がわずか60台だけ製造するというこのリマスター・モデルは、顧客の好みに合わせて仕様をカスタマイズし、完全オーダーメイドで製造されるとのことだ。

ロールスロイス コーニッシュ レストモッド by ハルシオン

ハルシオンによると、このプロジェクトはオリジナルの金属部品の正確なコピー品の新造から始めて、ベース車両を2000時間以上かけてレストアするのだという。オーナーは、コーニッシュの時代を超越したオリジナル・デザインを継承するか、クロームバンパー、再設計されたヘッドライト、新しいアルミホイール、カスタムメイドのエクステリアディテールといった現代的なタッチを加えるかを選択できる。

インテリアに目を向けると、ハルシオンは天然素材、特注のディテール、そして驚くべき柔軟性でコーニッシュを刷新している。

その他のアップデートでは、ヒーター&ベンチレーター付きシート、アップグレードされたサウンドシステム、隠しインフォテインメント、オートエアコンなど、現代のニーズに応えるものへと進化している。

最初の完成車は“ハイランド・ヘザー”と呼ばれ、スコットランドの荒野からインスピレーションを得ているという。パープル・ムーアランドのエクステリアには、手縫いのレザー、ウッド、メタルのアクセントで仕上げられた白と紫のインテリアが組み合わされている。

パワートレインは、オリジナルのコーニッシュではボンネットの下におさめられている6.75L V8エンジンが、Evice Technologies社が開発した完全電動パワートレインに置き換えられている。その最高出力は508ps/373kWに達し、オリジナルのコーニッシュの2倍以上の出力を発揮する。また、それぞれ250マイル(402km)と300マイル(483km)の航続距離を実現する2種類のバッテリーパックが選択できる。さらに、800Vアーキテクチャは最大230kWの充電速度に対応しているという。この電動化改造によって、オリジナルのV8モデルと比較しても車重が全く増加していないという点には驚かされる。

シャシーのアップグレードには、セミアクティブサスペンションとアップグレードされたブレーキシステムが含まれている。また、この電動化コーニッシュには最新の車と同様にドライブ、スピリット、ツーリングという3つのドライブモードが設定されており、パワートレインとダンピング特性がモードによって変化する。

最初の顧客向け車両は2026年第4四半期に納車予定だ。価格は40万ポンド(約8千万円)からで、税金と改造元のコーニッシュ本体の価格は含まれていないという。ちなみに改造元のコーニッシュの価格は状態によって4万ドル(585万円)から8万ドル(1100万円)以上になるという。