日本導入は、EV市場の定着如何・・・

コンパクトSUVのエクリプスクロスは、2017年にグローバル戦略車として登場、日本では翌2018年から販売されていたが、日本市場では、PHEVモデルが9月で生産終了となる予定だ。

今回発表された新型エクリプスクロスは、「欧州市場向けに開発された」専用モデルであり、日本のICE搭載モデルとは異なるモデルだ。
この第2世代SUVは、先代モデルから完全に脱却し、ルノー セニックE-Techの電気自動車の基盤と三菱独自のデザイン要素を融合させている。
フランスでルノーが生産し、欧州でのみ販売される。
エクリプスクロスEVは、三菱の欧州におけるルノーベースモデルのラインナップに加わり、コルト(クリオ)、ASX(キャプチャー)、グランディス(シンビオズ)に続く、バッジ共有戦略車となる。
アウトランダーPHEVの下位に位置するコンパクトSUVセグメントに位置付けられるセニックは、生産終了となったシティカー「i-MiEV」に続き、三菱にとって欧州で2番目の電気自動車となる。
セニックに対して、日本的なアレンジを最も明確に見分けられるのはフロント部分だ。
三菱は、特徴的な分割LEDヘッドライト、アウトランダーに似たデザインながらもフルカバーのグリル、そして形状変更されたバンパーインテークなど、フェイスデザインを刷新している。
リアでは、刷新されたLEDテールライトのグラフィックと、光沢のあるブラックトリムを多用したデザイン、そして刷新されたブランドロゴがルノーとの差別化を図っている。
また、Dピラーには新しいクロームトリムが、ホイールは19インチまたは20インチと、より未来的なデザインとなっている。
新型モデルは2017年に発売され、2020年にフェイスリフトを受けた初代エクリプスクロス・クーペSUV的なプロポーションから脱却していると言っていいだろう。
フットプリントに関しては、内燃機関搭載の先代モデルよりもわずかに小型化され、全長は4,470mm(176インチ)となっているが、ホイールベースは大幅に拡大し、2,785mm(109.6インチ)となっている。
インテリアは、ルノーのデジタルシステムを採用し、12.3インチのインストルメントクラスターと、Googleの組み込みサービスが利用できる縦型12インチインフォテインメントスクリーンを備えている。
差別化を図るため、三菱はインテリアトリムとシートに新たなオプションが追加されているほか、エレクトロクロミックガラスルーフ、LEDアンビエントライト、Harman & Kardonプレミアムオーディオシステムなどを装備している。
また、高速道路での半自動運転を可能にする、包括的な運転支援技術も用意されているほか、実用性を高めるため、2列シートと、後部座席の位置に応じて478~1,670リットル(16.9~59立方フィート)の荷室容量を備えている。
新型は、ルノー・メガーヌ/セニックE-Tech、日産リーフ/アリアにも既に採用されているCMF-EVプラットフォーム(Amprミディアム)を採用。
パワーユニットは、フロントに搭載された最高出力218ps/160kWの電気モーターと、87kWhのバッテリーパックを搭載し、約600km(373マイル)の航続距離を実現する。
バッテリーは水冷式熱管理システムを備え、最大150kWhの充電速度に対応している。
さらに、2026年にミッドレンジバージョンを発売することも発表した。
このモデルは、エントリーレベルのセニックE-Techと同等のスペック(170ps/125kWと60kWhバッテリー)を搭載する可能性が高いと見られる。
量産型は、ルノー・三菱・日産アライアンス傘下のフランスのドゥエー工場で、2025年第4四半期から生産開始される予定だ。
同工場では、ルノー・メガーヌE-Tech、セニックE-Tech、R5 E-Tech、アルピーヌA290、日産マイクラEVも生産されている。
最大の注目は、生産終了となった日本市場向けエクリプスクロスがEVとして復活するのかという点だが、現在の日本のEV低迷を考慮すると、現段階で即導入はないと予想される。
しかし、日産「リーフ」の三菱バージョンを開発中と噂されており、そちらには大いに期待したい。




















