車名は「Mayon」と「Barnato」が有力候補

Bentley Urban SUV プロトタイプ スパイショット

コンパクトでエレガント、そしてフォルクスワーゲン・グループの最新技術を搭載したこのSUVは、主に都市部や富裕層をターゲットとしている。

Bentley Urban SUV プロトタイプ スパイショット

また、都会のジャングルでもドライバーが楽に運転できるほどコンパクトでありながら、大容量バッテリーを搭載することで、郊外へのドライブも快適に楽しむことができる一石二鳥を目指しているという。

ベントレーといえば、広々とした後部座席に座ることも、スポーティなドライブを楽しむために自らハンドルを握ることもできる大型セダンを思い浮かべるだろう。しかし、新型電気SUVは全長が5メートル未満と、兄貴分となるベンテイガよりコンパクトで、主に市街地走行を想定しているとのことだ。

今回捉えたプロトタイプだが、クラシックな2ボックスデザインは、広々としたボンネット、比較的コンパクトなフロントオーバーハング、そして大きく傾斜したフロントガラスを備えている。これは高速走行時の空力特性に寄与するとともに、ボンネット下に何らかの収納スペースが設けられることを示唆している。

厚いカモフラージュで覆われているとはいえ、ベントレー特有の直立したフロントエンドは、既存のモデルシリーズではなく、最近発表された「EXP15」コンセプトカーのスタイリングに影響を受けているようだ。

ルーフラインは低く見えるが、リアエンドまでほぼ直立しており、新型ポルシェ・カイエンEVなどのライバルに見られるファストバックやクーペのようなプロファイルは軽減されている。テールゲートとリアバンパー下部はすべてカモフラージュで覆われているが、全体的なデザインはベンテイガやコンチネンタルの既存の楕円形から脱却すると予想され、むしろ、EXP15とその角張ったリアライトの影響を受けている様子が伺える。

そのほかの特徴としては、フレームレスウィンドウの採用(ベントレーSUVとしては初)や、下部のフロントインテークが端の方で持ち上がっているように見える点(EXP15の垂直ヘッドライトと一体化している点に似ている)などが挙げられる。

新型ベントレーは、ポルシェ・マカン、アウディA6、Q6 e-tronに使用されているポルシェ/アウディ・プラットフォームをベースに製造される。2基の電気モーターを搭載したマカンは、最高出力630PSを発揮する。 また、800ボルトの95kWhバッテリーは、21分で10%から80%まで充電でき、WLTP航続距離は約615kmとなっている。

しかし、新型ベントレーでは、これらの数値を上回る可能性がある。ヴァリザー氏は、「充電速度、エネルギー密度、全体的なデザイン、電動モーターの性能、モーター効率など、あらゆる面で限界に挑戦します」と説明している。将来の電気自動車には、「(VWとポルシェ)グループが提供できる最高のもの」のみを採用すると同氏は説明し、「ベントレーでは、このハイエンド技術を活用できます。このセグメントの他のメーカーにはないのです」と付け加えている。

新型完全電気自動車ベントレーは、ブランドの製品ラインアップを大幅に拡大することになるが、ヴァリザー氏はこのクルマへの熱狂的な需要は期待していないようだ。結局のところ、「ベントレーはマスマーケットビジネスではない」からだ。

「販売台数の増加は、ベントレーの第一目標ではありません。むしろ、目標は『1台あたりの利益率の高さ』です」と締めくくっている。

新型ベントレーの車名はまだ決まっていない。しかし、同社は2月に「Mayon」と「Barnato」の商標権を登録しており、これらの車名が有力候補と言えそうだ。

「世界初のラグジュアリーアーバンSUV」と謳われているこの新型モデルは、2026年に発表を予定しており、量産は2027年に英国クルー工場で開始される予定だ。