

ランドクルーザー(以下、ランクル)は1951年からトヨタが製造販売しているクロスカントリー車で、その高い信頼性、耐久性、悪路走破性により、世界中から人々の安全・安心を支える「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」という高い評価を受けている、日本を代表する傑作車の1台です。
トヨタBJ型としてデビューした初代モデルから1960年に登場した3代目にあたる40系までは1本道で代を重ねてきましたが、1967年に55系がデビューすると従来の業務用途や過酷な環境での使用を主体としたヘビーデューティ系と、55系を祖とするプロユースから乗用までこなせる快適さを追求したステーションワゴン系の2系統に分化しました。
さらにヘビーデューティ系4代目にあたる1984年の70系を経て、1985年に登場した70系ワゴンを祖とする快適な乗り心地と悪路踏破性を両立したライトユースのライトデューティ系へと分化しています。このライトデューティ系の最新モデルが2024年にデビューしたランドクルーザー250(以下、ランクル250)です。


2025年10月の第3土曜日に『トミカ』の新車として、それまでの『No.17 いすゞ エルフ 軌陸車』に代わってデビューしたのが、これをモデルとした『No.17 トヨタ ランドクルーザー 250』です。
ランクル250は、かつてランドクルーザープラド(以下、プラド)と称されていたモデルの後継として登場しました。プラドはランクル200(および後のランクル300)とサイズを変えた兄弟車という位置づけで、高級化・上級化の方向も強められていた時期がありましたが、ランクル250ではそれをリセットし、ランクルとしての原点回帰、質実剛健な方向性を重視したキャラクターを前面に出しています。プラドの高級路線化が、当初のランクルらしさとはずれたという反省を背景に、見せかけではなく「生活を支える」実用性・信頼性を重視する思想が根底にあります。

外観は、最新モデルでありながらクラシックな要素を巧みに取り入れている点が特徴です。直線基調のボディラインと力強いフェンダー造形は、ランクルらしい無骨さと存在感をしっかりと主張しており、水平基調のデザインや緻密な面構成によって、都会的で洗練された印象も両立させています。また、VXグレードにはアクセサリーとして、よりクラシカルな丸目ライトに切り替える設定が用意されています。
インテリアは、機能性と耐久性を重視しつつ、現代的な快適装備を取り入れた仕立てになっています。ダッシュボードは水平基調で見通しが良く、オフロード走行時にも車両姿勢を把握しやすい設計です。スイッチ類はグローブをしたままでも操作できるよう大きめの形状を採用、センターには大画面のインフォテインメントディスプレイを配置しています。質感面も向上しており、ソフトパッドや金属調パーツを適所にあしらうことで、高級感とタフさをバランス良く両立しています。
パワーユニットは、国内仕様では最高出力204ps、最大トルク500Nmを発生する2.8L 直列4気筒ディーゼルターボあるいは最高出力163ps、最大トルク246Nmを発生する2.7Lガソリンエンジンを搭載、ディーゼルターボ車には多段化することで燃費と静粛性、加速性能の向上を実現した新開発の8速ATが、ガソリン車には信頼の6速ATが組み合わされます。

メカニズム面では、ランクル300系と共通のGA-Fプラットフォームを採用したことが大きな特徴です。ラダーフレーム構造を踏襲しながら軽量・高剛性化を図り、オフロード性能とオンロードでの快適性を高い次元で両立しています。電動パワーステアリングの採用により、オフロード走行時のキックバック低減と、先進運転支援システムの精度向上も実現しています。さらに、センターデフ付きのフルタイム4WDを標準装備し、マルチテレインセレクトやクロールコントロールなどの電子制御技術を組み合わせることで、厳しい路面状況にも余裕を持って対応できるようはかられています。
使い勝手の面でも大きく進化しています。全長や全幅は大柄ながら、見切りの良いボディと小回り性能により、都市部での取り回しもしやすい設計が成されています。荷室は広く、シートアレンジによってキャンプ用品やアウトドアギアを余裕を持って積載できます。
安全装備は、最新のトヨタ・セーフティ・センスを採用し、高速道路走行から市街地まで幅広いシーンでドライバーを支援します。プリクラッシュセーフティ、レーントレーシングアシスト、レーダークルーズコントロールなどの機能に加え、電動パワーステアリングと組み合わせることで車線維持支援の精度も向上しています。さらに、悪路走行中の安全性にも配慮した制御が組み込まれており、本格オフローダーならではの頼もしさがあります。

ランクル250は、ランクルの精神を受け継ぎながら、伝統と最新技術を融合させた一台として新たなファン層を開拓する存在になっています。クラシックな佇まいと現代的な快適性、そして揺るぎない走破性能を兼ね備えたこのモデルは、都市から大自然まで、あらゆる道を安心して走り抜けるパートナーといえる1台なのです。
このほど『トミカ』に加わった『No.17 トヨタ ランドクルーザー 250』は、実車の持つ雰囲気を上手く再現しています。おそらくワイドボディのディーゼル車、ZXグレードをモデル化しているものと思われます。なお、2025年10月現在、『トミカ』には『No.38 トヨタ ランドクルーザー』として兄貴分となるランクル300もラインアップされていますので、2台並べてみるのも面白いでしょう。
■トヨタ ランドクルーザー250 ZX 2.8ℓディーゼル車 主要諸元
全長×全幅×全高(mm):4925×1980×1935
ホイールベース(mm):2850
トレッド(前後・mm) :1665
車両重量(kg):2410
エンジン形式:1GD-FTV型 直列4気筒インタークーラー付きターボディーゼル
排気量(cc):2754
最高出力:150kW(204ps)/3000-3400rpm
最大トルク:500Nm(51kgm)/1600-2800rpm
トランスミッション:8速AT
サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/トレーリングリンク
ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク
タイヤ:(前後) 265/60R20
■毎月第3土曜日はトミカの日!

毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2025年10月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.17 いすゞ エルフ 軌陸車』に代わって『No.17 トヨタ ランドクルーザー 250』が登場します。なお、『No.17 トヨタ ランドクルーザー 250』には初回のみの特別仕様(特別色)もあります。また、それまでの『No.117 日産 エクストレイル』に代わって『No.117 スズキ スーパーキャリイ』が登場します。






