3.5L V6ツインターボエンジン＋ハイブリッドを改良か
トヨタ GR010ハイブリッド（Toyota GR010 Hybrid）」は、トヨタがモータースポーツの耐久レース（特にFIA世界耐久選手権＝WECおよびル・マン）用に開発したプロトタイプ・ハイパーカー（Hypercar）だ。
同ブランドは、2026年の登場を予定しているGR010ハイブリッドのアップデート版で、ル・マンへ備えようとしている。この耐久レースマシンは、よりシャープな空力パッケージを備え、現行型以上に迫力のあるスタンスを実現していると、オンラインで予告されている。
トヨタは2018年から2022年にかけて、ル・マン5連覇を達成し、耐久レースを席巻した。しかしその後は、フェラーリが2023年、2024年、そして2025年と勝利を収めている。巻き返しを図るトヨタ・ガズー・レーシングは、ますます熾烈な競争の中で戦闘力を維持するため、新たなレーシングマシンの開発を進めている。
ティザーイメージでは、薄暗い中、非常にアグレッシブなデザイン変更が明らかになっている。改良されたフロントエンドでは、水平配置のLEDヘッドライトと一体型のベントを備えている。リアエンドには、GRヤリスに似た全幅のLEDストリップと、形状変更されたウイングが見られる。
トヨタのGR010ハイブリッドは、TS050ハイブリッドの後継車として2021年にデビューした。他のWECハイパーカーと同様に、厳格な規則に基づいてホモロゲーションを取得しており、ライフサイクル全体で5つの「ジョーカー」開発機会のみが認められている。これらの一部は2023年のアップデートで既に採用されており、残りは今回の最新設計に採用される可能性が高いようだ。
現在のパワートレインは、3.5L V6ツインターボエンジンと、フロント搭載の電気モーターを組み合わせ、シリーズ規定に基づき、最大出力680PS（500kW）を発揮するが、新型ではハイブリッドシステム自体に改良が加えられる可能性もありそうだ。
トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパの副会長である中嶋一貴氏は、「来年に向けて進化を遂げています。10月初旬には、この新しい空力パッケージを搭載したマシンを初めてテストする予定です。チーム一丸となり、来年のル・マン24時間レースで優勝するという確固たる決意を持って準備を進めています。実を言うと、この開発は昨年から検討しており、今年中の導入も検討していましたが、ホモロゲーション用の風洞設置場所の変更もあり、1年間延期することにしました。」と話しているようだ。
フェラーリに本気で挑む、トヨタ新型マシンがいよいよヴェールを脱ぐ。
