格好のベース車で楽しむUSDMライフ!

27年の歳月をかけて作り上げた美麗スタイル

1991年から2001年までの10年間、まさに90年代を駆け抜けた3代目ソアラ。初代〜2代目からガラリと変わったデザインは、アメリカにあるトヨタのデザインセンター『CALTY(キャルティ)』が担当したことは有名な話だ。

エンジンは直6(1JZ-GTE/2JZ-GE)に加えて、1UZ-FE型のV8もラインナップ。北米ではレクサスの初代SCとして設定され、V8が『SC400』、2JZ-GE型の直6NAが『SC300』として展開された。アメリカでもカリスマ的な人気を誇るJZA80スープラの兄弟車というイメージも手伝い、最近はSCもネオクラ旧車として存在感を高めている。

そんな北米仕様のSC400をベースに、内外装からエンジンまで、ショーでの見映えを重視したカスタマイズを楽しんでいるのが、北海道在住の山中友和さんだ。山中さんは小6からヤングオートを愛読書とし、高校生の時は教室でカスタムカーを読み耽っていたクルマ好き。族車に憧れ、初めて買った愛車はGX71クレスタだった。

そして、そのクレスタから買い換え、27年間に渡って所有し続けているのが、93年式のSC400。V8で内装がアイボリーという条件に適ったワンオーナー車を購入し、思いのままにカスタマイズを楽しんでいる。

ボディ同色にペイントされたエンジンルームは、1UZ-FEにOBX製の8スロットルを装着。スロットル本体とファンネル、あとはスロットルリンケージのみ付属されている状態だったため、装着するには追加の作業も多かったとのこと。スロットル径は50Φで、ファンネルはアルマイト加工を施す。EXマニも同じくOBX製で、吸気だけでなく排気も効率を高めている。

なお、エンジンパートは札幌市の『ガレージライズアップ』が担当。8スロ化に伴ってブレーキマスターバッグに吸気圧を供給するための小型サージタンクも製作するなど、車両に合わせた最適化も行なっている。

フロリダ州にあるXATレーシングのアルミビレット製プーリーキットも装着。パワステ、オルタネーター、テンショナー、アッパーアイドラー、油圧ファンブラケットを軽量化し、コスメティックな効果も発揮。

日本語っぽい響きがするUSブランドとして知られる、MISHIMOTO(ミシモト)のアルミラジエターと電動ファンも導入。リザーバーやブリーザータンク、オイルキャッチタンクなども最適なレイアウトで配置された。

エンジンマネージメントは、F-CON VプロのVer.3.4が担う。8気筒のコントロールが単体で可能で、燃調と点火も最適なセッティングを取ってある。

マフラーはライズアップのワンオフスペシャルだ。室内のスイッチでフラップの開閉操作ができる電動バルブを内蔵し、排気音と抜けの良さをコントロールすることができる。

ホイールはOZレーシングのフッツーラで、フロントが10J×18、リヤが11J×18へとリバレル。ディスクにブラッシュド加工を施し、センターキャップのカーボンリングはボディカラーに合わせてワインレッドへと作り変えた。ブレーキはUSブランドのフューチュラデザインを採用。

ステアリングは後期型の3本スポークに変更。また、後期型の中でも最終モデルのみに採用されていたというゲート型シフターを周囲の木目パネルごと移植する。

そして、レクサスの純正オプションの車載電話も装備! もちろん使えはしないが、山中さんがアメリカに旅行に行った際、ジャンクヤードにあったレクサス車を片っ端から開けて探し当てたものだそうだ。

フロントバンパーは小さなグリルが設けられた後期型へとコンバート。サスペンションにはクスコの車高調、イケヤフォーミュラやメーガンレーシングの調整式アームを取り入れてローダウン。フェンダーはツメ折り加工を施した。

「クルマを買った当初はハイドロを組んだり、コテコテのローライダーに仕上げていこうと思っていたんですけど、札幌の大通公園でやってるUSDMのミーティングに誘われたのをきっかけに、そっち方向にハマっていきました。ホンダ車はアフターパーツがいっぱいあって恵まれてますけど、UZZだってできるんだぞ!というところを見せたくて8スロ化にチャレンジしました」。

左ハンドルの日本車をベースに、大人のカスタムを楽しむ山中さん。USDMを起点としたライフワークはこれからも続いていく。

PHOTO:Akio HIRANO/TEXT:Hideo KOBAYASHI

「希少車をさらに狂わせる…」幻のソアラ・エアロキャビンを5速MT化!

世界初の電動格納式メタルトップを採用した希少モデル、ソアラ・エアロキャビン。その限定500台の特別車に5速MTを換装した個体が存在する。単なるミッション載せ替えではなく、メーターやECU、コンソールに至るまで徹底的にMT仕様へ仕立てられた完成度は、もはや純正以上。希少車を惜しげもなくカスタムするオーナーの情熱と、その走りの魅力に迫る。