コスト抑えつつ走りを楽しむ!
今こそ注目したいチューニングベースとしてのZ33
スポーツ走行やカスタマイズのベース車両として、高い基本性能と手頃な価格を兼ね備えたZ33に注目してきた「オリジナルレーシング」。デモカーは前期Z33をサーキットマシンとして熟成させ、ユーザーに役立つノウハウを積み重ねている。

デモカーは前期型のVQ35DEからVQ35HRへの換装を経て、その究極系となる380RS仕様へとチューニングを進めてきた。内部にはJEピストンで製作したオリジナルピストンと、380RS純正のコンロッドおよびクランクシャフトを使用している。
「元がNAのZは排気量アップによるパフォーマンス向上が最もマッチします。過給機を装着してもパワーを出すには結局エンジン内部の強化が必要ですから、それならNAで回して楽しむ方が良いですね」と代表の江見さんは語る。
ベース車選びにも影響するVQ35DEとHRの特性差については、「最終的に得られる出力を考えれば後期型HRに強みがありますが、低中回転域での扱いやすさに優れるVQ35DEは、パーツ入手性も良く、初心者がサーキットを走るには非常に扱いやすいです」とのこと。

Z33では冷却系の強化も必須パート。水冷式オイルクーラー内蔵のオリジナルラジエターに加え、空冷式オイルクーラーも装着し、水温・油温を安定させている。MTオイルクーラーも別途装着済みだ。
サスペンションはスピリットダンパーをベースとしたオリジナル仕様で、ストリートからサーキットまで対応する懐の深さを持つ。ブレーキはフロント6ポット、リア4ポットのエンドレスキャリパーを装備し、フロントローターのみPFC製を採用している。


サーキット走行のメリットを模索するため、Xトラック製シーケンシャルミッションも投入。今後はこのミッションを使ったパドルシフト化など、さらにタイムを削るモディファイが予定されている。

従来はハイグリップラジアルで走行してきたが、昨年からはSタイヤ・アドバンA050を投入。サイズは295/30R18の4本通しで、デフのサイドフランジギヤの歯数を変更しABSの誤作動にも対応済み。ホイールはBBSクリアウェイズを装着している。

デモカーは岡山国際サーキットや鈴鹿サーキットをメインに走行し、岡山では1分40秒というベストタイムを記録している。
また、Z33のAT車でサーキットを楽しむユーザーとも交流する中で、AT車の潜在能力にも注目し始めている江見さん。状態の良い個体が豊富で価格も手頃なことから、チューニングベースとしての素性はMT車と大差ないという。

唯一の弱点となる5速ATについても、「Z34の7速ATを換装すればギヤ比の悩みも解消できるのではと考えており、これから試す予定です」と話す。あらゆる面からZ33でのカーライフをサポートするオリジナルレーシングの取り組みは、ユーザーにとって心強い存在だ。
●取材協力:オリジナルレーシング 兵庫県姫路市別所町別所1876 TEL:079-253-2678



