装着パーツの全てに明確な選定理由が存在!
高いセットアップ術で実現したバランスチューニング
シャープな白いボディに、クラッシュドカーボンのボンネットが強烈な存在感を放つ―。2023年の東京オートサロンで、ブレーキ&オイルブランド〈DTM〉ブースに展示されていた『UNPARALLELLED R33 GT-R』は、まさに“新世代チューナー”の哲学を体現する一台だ。
このR33を所有するのは、アンパラレルドファクトリーのスタッフ・Kさん。自身の理想を形にするため、コツコツと積み上げてきた結晶がこのマシンであり、彼のファクトリーが走り志向のユーザーから厚い信頼を集める理由でもある。

Kさんは言う。「GT-Rって、昔は高嶺の花でした。学生時代は“自分が乗ることはないだろう”と思っていたんです。でも10年ほど前、後輩が“いい出物があるんですけど…”と乗ってきたのがこのクルマでした。運命を感じて即決しましたね」。

確かに“出物”という表現がふさわしい個体だ。ホワイトボディ状態でのフルスポット増し、HKS 2.8L+GT2530ツイン仕様のRB26DETTによる600psオーバーのスペックなど、ベースの完成度は群を抜く。そこにアンパラレルド流のエッセンスを加え、“機能美を追求したストリートランナー”として再構築されたのが現在の姿だ。

アンパラレルドの名にふさわしく、細部の仕立ては徹底している。ビッグトルクを受け止める強化ミッション、自社製のブレーキシステム、そして純正フォルムを生かした空力重視の外装…。すべてが明確な意図をもって選ばれている。
「安易にパーツを交換するんじゃなく、徹底的なセットアップで性能を引き出すのがアンパラレルド流です。このBCNR33もあえて古いモデルの車高調を使っていて、車高・減衰力・タイヤエア圧を煮詰めれば走りがどう変わるかを体感できるようにしてあります」。
この思想はショップの顧客たちにも浸透しており、Kさんは“頼れる兄貴分”として慕われている。


エアコンもオーディオも排した室内には、走りだけを求めたストイックな世界が広がる。ステアリングコラム上にブースト&油圧計、グローブボックス内に水温&油温計を配置。


レカロRMSとHPIの和柄シートハーネスの組み合わせが、グローバルな雰囲気を醸し出す。ホワイトボディ状態でのフルスポット増しに加え、11点式ロールケージにより大幅な剛性アップも図られている。

クラッシュドカーボン製のワンオフボンネットは、見た目の迫力と軽量化を両立。灯火類はあえて純正に戻し、全体のトーンをオリジナルに寄せているのもこだわりの一環だ。

「このクルマで走ると、エンジン音もガソリンの匂いもすべてが特別なんです」。そう語るKさんは、今後LINK制御化やタービン交換も視野に入れ、さらなる進化を計画中。彼のGT-Rは、まだ終わりを知らない。
●問い合わせ:UNPARALLELLED FACTORY 埼玉県入間郡三芳町上富1493−1 TEL:049-265-3998
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アンパラレルド公式X
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