8000回転まで淀みなく回るGTIII-SSタービン仕様!

オーナーのクセに合わせた盤石の550馬力

あくまで街乗りメイン、たまのサーキット走行で気持ち良く走ることをコンセプトに、老舗“ピットロードM”が仕上げたのがこのBCNR33。究極的なパワーを狙うのではなく、オーナーが乗りやすいと感じるポイントを追求したメイキングが施されているのが特徴だ。

耐久性に優れたN1ブロックを用いて組み上げられたエンジンは、ブロック以外は全て純正のまま。そこにHKSのGTIII-SSタービンを組み合わせ、最大ブースト圧1.2キロで550ps/60kgmの出力を発生させる。扱いやすさを重視したタービンチョイスとのことだが、実際オーナーは以前のニスモR1タービンよりも乗りやすくなったと感じているそう。制御は純正ECU書き換えで対応している。

排気系は東名パワードのEXマニから、HKSのフロントパイプを経てキャタライザー→スーパーターボマフラーに繋がる車検対応のレイアウト。排気効率を高めるために設けられたスリットテールが独特だ。

サスペンションにはHKSのハイパーマックスMAX-IV GTをセット。さらにニスモのアンダーフロア補強バーなども装備することで、リニアなフットワーク特性を実現している。ホイールは18インチ×10.5JサイズのウェッズスポーツSA10R、タイヤにはディレッツァZII(265/35-18)を合わせる。

ブレーキはD2ジャパンのキットで武装。構成は、フロントが6ポットキャリパー&356mm2ピーススリットローター、リヤが4ポットキャリパー&356mm2ピーススリットローターだ。

室内はストリート然とした仕上がり。メインメーターはニスモの320km/hフルスケールに変更し、コラム上にトラストのブーストメーターとAEMの空燃比計を配備。ステアリングはMOMOのJEF320、シートはレカロのSR-6をセットしている。

ミッションは純正ゲトラグ、クラッチは増大したパワーに合わせてATSのカッパーミックスへと変更。さらにトランスファーも緑整備センターの強化品を導入するなど、トラブルフリーな環境を作り上げている。

インプレッションを担当した菊地靖選手は「8000rpmまでキッチリとパワーが追従するから気持ち良い!純粋なサーキットスペックとして考えると正直物足りないけど、ストリートメインで長く乗ることを考えるなら、これくらいがベストだろうね」とコメント。

ハイパフォーマンスカーとして誕生したBCNR33の旨味を引き出した、文字通りの名チューンドだ。

●取材協力:ピットロードM 兵庫県姫路市安富町安志912 TEL:0790-66-3359

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