パワートレインは航続距離延長型に重点
アウディは、従来のクロスオーバーSUV、「Qシリーズ」とは一線を画する、タフネス・オフローダーの開発に着手した可能性があることがわかった。
2023年初頭、当時アウディのチーフデザイナーだったマーク・リヒテ氏(現在はマッシモ・フラシェラ氏がチーフクリエイティブオフィサーを務め、2024年夏からはチーフデザイナーも兼任)が、Autocar誌のインタビューで、メルセデス・ベンツGクラスをはじめとするタフなSUVに対抗できるモデルを開発したいと表明した時から噂になっていたが、いよいよ本格的な開発がスタートした可能性がある。

しかし、2年以上が経った今、ランドローバーのディフェンダーやレクサスGXといったライバルに対抗できる頑丈なSUVはアウディからは登場しておらず、ましてや高額にもかかわらず好調な売れ行きを誇る象徴的なメルセデス・ベンツGクラスに匹敵する車は登場していない。現在同ブランドは、新たなフラッグシップ「Q9」を開発中だが、あくまでも従来の「Qシリーズ」の延長にあるSUVだ。
今回はアウディの社長であるゲルノット・ドルナー氏自身が先日、同じ英国メディアに対し、インゴルシュタットを拠点とするアウディが頑丈なオフロードSUVを発売するという「夢を諦めない」と語っていることが発端となった。

そして、提携するデジタルアーティスト、Theottle氏が早速予想CGを製作した。それは、フォルクスワーゲングループ傘下のスカウトモーターズの「トラベラー」とアウディ「クロスレーンクーペ」を融合させてイメージに仕上げられている。
予想CGのフロントエンドには、巨大なスクエア型のシングルフレームグリル、大型のサイドインテーク、そして現在のスリム化のトレンドに逆行する大型LEDヘッドライトとLEDデイタイムランニングライトが見られる。
側面は、がっしりとしたオフロードホイールと肉厚のオールテレーンタイヤを採用、リア周りでは外付けスペアホイールを廃止し、短くアグレッシブな角度のリアバンパーを備えたシンプルで直立したデザインをアウディSUVに与え、トレイルでの走破性を高めている。
パワートレインに関しては、航続距離に対する不安を軽減するために、おそらく航続距離延長型に重点を置くことで、スカウトと同じ構成を共有するのが理にかなっているだろう。アウディが本気で参入する本格オフローダー市場において、Gクラスの牙城を崩すことができるだろうか、続報が入り次第お伝えしよう。


