新型リーフはアリアと共通プラットフォームで高性能化




新型リーフは、日産 アリアと同じCMF-EVプラットフォームを採用したことで、後席のセンタートンネルがなくなった。さらにリヤサスペンションもマルチリンクに変更され、乗り心地も向上したほか、リヤデザインもアリアに似たファストバック風の形状に変わっている。
しかしボディサイズはアリアの方が一回り大きく、後席空間や荷室空間も広く確保されている。頭上空間は同じくらいだが、膝周り空間はアリアの方が明らかに広い。
荷室寸法はリーフが長さ860mm×幅1100mm×高さ770mmであるのに対し、アリアは973mm×1387mm×682mmとなりアンダーラゲッジも備わる。リーフもラゲッジボードを追加することでアリアと同じように使えるが、専用ラゲッジボードは3万3000円のオプションだ。
一新されたリーフは内外装は確かに高品質だが、さすがに質感や静粛性を比べるとアリアに見劣りしてしまう。ただし、リーフの内装が決して安っぽいわけではなく、アリアよりもクリーンな印象と言える。
先進装備は新しいリーフだけの特徴と言えるだろう。車内温度上昇を抑える赤外線反射コーティングが施された「調光パノラミックガラスルーフオプション」が新設定となり、インフォテイメントシステムはアリアと同じ12.3インチに変わりGoogleのシステムが搭載される。
また、リーフは一定条件下で手放し運転が可能となる「プロパイロット2.0」も選べるようになった。
日産 リーフ B7 G
ボディサイズ=全長4360mm×全幅1810mm×全高1550mm
ホイールベース=2690mm
車両重量=1920kg
タイヤサイズ=235/45R19(前後)
日産 アリア B9
ボディサイズ=全長4595mm×全幅1850mm×全高1655mm
ホイールベース=2775mm
車両重量=1920kg
タイヤサイズ=235/55R19(前後)
新型リーフの性能はアリア超え! ただしe-4ORCEの設定はアリアのみ


FFモデル同士を比べた場合、リーフのEV性能はアリアを完全に上回る。リーフに搭載される新開発のパワートレインは、EVの主要構成部であるモーターとインバーター、減速機の3つ一体化することで小型化された。
さらにモーターは磁石を分割したうえで斜めにずらして配置する「分割スキューローター」の採用により効率化され、ケースやマウントブラケットも高剛性された。最大トルクの向上はわずか4%だが駆動時の振動も大幅に低減され、より静かで滑らかな乗り味を発揮する。
WLTCモード電力消費率はアリアの166Wh/km(B6)に対し、リーフが130Wh/kmh(B7 G)となり、78kWhバッテリーを搭載するリーフ「B7 G」の航続距離は685kmだ。それに対し、66kWhバッテリーを搭載するアリア「B6」の航続距離は470km、アリアのラインナップでもっとも航続距離が長い91kWhバッテリーの「B9」でも640kmにとどまる。
リーフの進化はモーターだけではない。最大150kWの急速充電に対応したリーフは、バッテリー残量を10%から80%まで回復するのに約35分で済むのに対し、アリアは90kW充電で約45分だ。加えて、エネルギーマネジメントシステムも見直され、基礎的な充電性能も向上している。
そのほかドライブモードに加速力や減速感を任意に設定できる「パーソナルモード」が追加されたほか、リーフのGグレードではパドルシフトで回生ブレーキの効きをコントロールできる。
アリアのパワートレインの優位性は、4WDの「e-4ORCE」の設定がある点のみと言えるだろう。「e-4ORCE」は、単に後輪を駆動させてトラクション性能を高めるだけでなく、前後の回生ブレーキを緻密に制御してクルマの揺れを抑え、乗り心地を高める効果もある。
日産 リーフ B7 G
エンジン形式=交流同期電動機
排気量=-
最高出力=218ps/4400-11700rpm
最大トルク=355Nm/0-4300rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)
日産 アリア B6
エンジン形式=交流同期電動機
排気量=-
最高出力=218ps/5950-13000rpm
最大トルク=300Nm/0-4392rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)
リーフがアリアの性能を上回る下剋上! しかしそれも長くは続かない


リーフのB7の上位グレード「G」の新車価格は599万9400円、アリアの最廉価グレード「B6」は659万100円だ。
補助金額はどちらも上限額の85万円+グリーン鉄により上乗せを加えた4万円の合計89万円であり、パワートレインの性能が圧倒的に高いリーフの方が安価となる逆転現象が生じている。
しかし車内の上質感と広さに加え、静粛性とe-4ORCEによる乗り心地は依然としてアリアの大きなアドバンテージだ。さらに近々アリアのマイナーチェンジも予定されており、性能差は解消されるだろう。またリーフの方は、55kWhバッテリーに換装して価格を抑えたスタンダードモデルも登場する。
こうした車格ヒエラルキーの下剋上は一時的なもので、今後はベーシックEVのリーフと、フラッグシップEVのアリアでしっかりと差別化されるはずだ。大幅に進化した新型リーフは間違いなくコストパフォーマンスが高い1台だが、リーフとアリアで購入を迷っている人は今は待つのがよいだろう。
車両本体価格
日産 リーフ B7 G:599万9400円
日産 アリア B6:659万100円
