この冬、日本にCR-Vが再登場! ZR-Vとの棲み分けは?

−−この「CR-V e:HEV」を日本へ導入されるとのことですが、「CR-V e:FCEV」のように限定的な形ではなく、普通にたくさんのお客さんに売っていくのでしょうか?
佐藤さん その通りです。
−−CR-Vは歴代モデルの中で、特に日本においては波瀾万丈のライフを送っていると思います。今回CR-Vを改めて日本へ導入することになった経緯は?
佐藤さん 先代の五代目CR-Vは2022年8月に販売が終了しました。その後日本市場には「ZR-V」が2022年の11月に投入されているのですが、CR-VのポジションはZR-Vが担っていくものと、我々の戦略としては考えていました。
ただ、昨今グローバルでCR-Vも展開している中で、やはり日本のお客様からもCR-Vの引き合いをいただいたので、改めて日本市場へ上市することを決めました。

−−ZR-Vとの棲み分けは?
佐藤さん 隣に並べると分かりやすいんですが、CR-VはZR-Vよりも一回り大きいんですね。具体的には全長が120mmほど、全幅は25mm大きいので、充分に棲み分けできると考えています。

−−スタイルも、ZR-Vが流線型なのに対し、CR-Vはかなりゴツゴツしていますね。
佐藤さん そうですね。ラギッドな方向に振ったデザインになっています。また水平基調でソリッドなテイストを出していますので、ZR-Vとは違ったテイストにはなっていると思います。

−−パッケージも、先代よりAピラーが起きていて、広さ方向に振っている印象を受けました。
佐藤さん ラギッド感を出すにはピラーを倒すよりはしっかり立てていく、というのがデザインのコンセプトでもありました。また、相当視界を頑張っていて、ノイズがないようピラーの見え方も徹底的に検証しましたので、その影響も含めてこのピラーの角度がベストと考えています。
−−実際のサイズよりも運転しやすそうですね。
佐藤さん 海外市場向けのCR-Vに、日本のナンバープレートを取得して、テスト車としてよく日本でも乗っているんですが、あまり大きさを感じないほど、すごく運転しやすいと思います。
−−ドアミラーも大きめに作られていますね。そういうところが取り回しの良さに効きますよね。
佐藤さん そうですね。ミラーが大きい方が後方も見やすいので。

日本仕様はとグローバルモデルの違いは?
−−現行六代目CR-Vはすでに北米や中国などで発売されていますが、日本仕様は他の市場に対し、どういったところが変更されるのでしょうか?
佐藤さん 日本向けののCR-Vはタイから持ってくることになります。地域ごとの好みがありますので、当然グローバルで若干デザインは変えています。ベースとしては大きく変えないものの、細かいところの意匠は変えていますね。
日本仕様の特徴は、やはり走りを売りにしていきたいということもあり、まずはこの「RS」をしっかり訴求したいと思っています。CR-Vはタイヤサイズが17、18、19インチの3種類あるんですが、一番上の235/55R19のミシュラン・ラティチュードスポーツ3を装着して、スポーティさを出しています。

また、タイ仕様のシフトは通常のレバー式ですが、日本仕様は先進性を重要視して、ボタン式に変更しています。
ボディカラーも日本人の好みに合う色使いにしたり、内外装の質感やバリエーションも変更したりしていますね。色関連は新たな型を起こす必要がなく、ある程度の自由度がありますので、投入する市場に合わせた色使いにしていますね。
日本向けには「ブラックエディション」を設定していますが、下回りを全部ピアノブラックにして特徴を出しています。

−−もっと高級な方向、あるいはオフロード方向に振った仕様を日本に導入する計画はありませんか?
佐藤さん 今後考えていきたいですね(笑)。この「RS」も相当高級な方向のバージョンになっていると思ううんですよ。タイヤサイズもそうですし、パノラマルーフやシートベンチレーションも装着されていますので。

−−北米には「トレイルスポーツ」というオフロード方向に振ったものがありますよね。
佐藤さん 2026年モデルでのマイナーチェンジで追加しましたね。グローバルでトレイル方向にトレンドが向かう傾向にあるので、それは日本市場に限らず、そういったものを出せないか、今後検討していきます。

日本での販売価格は?
−−パワートレインはアコードハイブリッドと同じハイパワーのタイプですか?
佐藤さん はい、基本的には一緒です。SUVとしての設定に、若干アコードからは変えています。
−−駆動方式は4WDだけですか?
佐藤さん FFと4WDの両方をご用意します。
−−装備がいろいろてんこ盛りになっているので、お値段は「お高いんでしょう?」と聞きたくなります(笑)
佐藤さん 相当てんこ盛りの状態ですからね(笑)。この「RS」はどのくらいのイメージですか?


−−500万円を超えそうなイメージですね。先代のCR-Vがだいぶ高めで、それで販売が苦戦したという印象があるので、それを繰り返さないでほしいという想いはあります。
佐藤さん 値段の付け方は非常に難しいですね。タイから輸入するので、為替の影響も受けてしまいます。その状況を見ながら、今後の発売に向けてどうしていくかは、戦略を含めて練っていきます。

−−特にこのセグメントは競争が激しいうえ、非常に強力なライバルがもうすぐフルモデルチェンジされるので、ガチンコ勝負になり苦しいところがあると思います。CR-Vはそうしたライバルに対し、「ここが勝っている」というようなアピールポイントはありますか?
佐藤さん グローバルでは発売から時間が経っていますが、このエクステリアデザインはいまだにグローバルで好評です。
また、ホンダ車全般に言えますが、走りはすごくいいですね。我々は当然競合他社さんのクルマも持っていますが、乗ってすぐ分かるくらい走りが違います。それはハンドリングや乗り心地、パワートレインのモーターからエンジンへの切り替えなど、全部含めて走りは競合他社に対して秀逸になっていると思いますね。…グローバルでは若干「遅れてきたルーキー」に近いですが(笑)

−−日本での発売はいつ頃の予定ですか?
佐藤さん この冬(2026年初順)ですね。
−−では、このモビリティショーでお客さんからどういう反応があるか、楽しみですね。
佐藤さん それを一番感じたくて、来ています。それをしっかり見たうえで、今年の冬の発売に向けて、さらに戦略を練りたいですね。
−−発売を楽しみにしています。ありがとうございました!



