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今日は何の日?

■ミラパルコにキャンバストップ仕様登場

1991年にデビューしたダイハツ「ミラパルコ キャンバストップ」

1991年(平成3)年11月20日、ダイハツはパルコとタイアップして企画した「ミラパルコキャンバストップ」を発売した。1988年に登場した3代目ミラに設定された女性向けのお洒落な「ミラパルコ」に、開放感が楽しめるキャンバストップ仕様が追加されたのだ。

初代ミラの誕生と背景

ミラの元祖、「フェローMAX」

ミラは、フェローの2代目「フェローMAX」の軽規格変更によって登場した「クオーレ」の商用車版として1980年6月にデビュー、当初は「ミラ・クオーレ」を名乗った。

商用車に設定されたのは、1978年にスズキからデビューして大ヒットした軽ボンネットバン「アルト」に対抗するためだった。軽ボンネットバンとは、乗用車のようなスタイルながら物品税のかからない商用車とすることで、車両価格を安くできる大きなメリットがあるのだ。

1980年にデビューした軽ボンネットバンのダイハツ「ミラクォーレ」

アルトの一般的なハッチバックに対して、初代ミラ(ミラ・クオーレ)はハッチバックながら“FF1.5ボックス”というレイアウトを採用。エンジンが収まるフロント部をコンパクトに仕上げた上で全高を高くして、室内空間と荷室空間を広げたことでアルトとの差別化を図った。

ちなみに、1982年のマイナーチェンジでミラ・クオーレは単独ネーム「ミラ」に改称された。

2代目ミラでパルコとタイアップして誕生したミラパルコ

1985年にデビューした2代目「ミラ」

ミラは、1985年8月に2代目にモデルチェンジした。ホイールベースを延長し、全高を高めたショートノーズ&ハイルーフというスタイルによって、ゆとりある室内空間を実現。パワートレインは、550cc直3 SOHCの最高出力34psのNA仕様、52psのターボ仕様の2種エンジンと、4速/5速MTおよび2速ATの組み合わせ。

3年後の1988年にダイハツとパルコがタイアップした特別仕様車「ミラパルコ」が追加された。ミラパルコは、若い女性をターゲットにしたファッション系企業と自動車メーカーがコラボして、軽自動車を企画するという珍しいクルマだった。

ミラパルコの最大の特徴は、女性向けのファッショナブルかつ豪華なインテリアである。専用生地が張られた華やかなパルコシート、ステレオスピーカーやオートリバースのカセットデッキといった豪華な装備、ボディカラーやエンブレムも専用デザインされた、当時の軽としては画期的だった。

女性をターゲットに開発されたミラパルコは、大きな注目を集めて一躍人気モデルとなった。

3代目ミラのミラパルコにキャンバストップ登場

1990年にデビューした3代目「ミラ」

ダイハツの主力モデルに成長したミラは、1990年3月に3代目にモデルチェンジした。同時に軽自動車の新規格に適合させてエンジン排気量は660cc、全長は100mm拡大して、“全身フルモデルチェンジBIG MIRA”を謳った。

スタイリングは好評だった先代のキープコンセプトだが、前後に大型バンパーを装備して上質なイメージを高め、同時にボディ骨格の剛性は従来比で1.5倍にアップさせ運転性能が高められた。また3代目ミラでは、エンジンが新世代化されバリエーションが増えた。

パワートレインは、最高出力64ps&61psの660cc直3 SOHCインタークーラーターボを筆頭に、50ps&40psのNA仕様の4種エンジンと、4速/5速MTと3速ATの組み合わせ。

また、先代で好評だった「ミラパルコ」が設定され、先代と同様にパルコシートをはじめとする専用品が装備され、パルコシートには、大きな“PARCO”のロゴが描かれ、ロゴ入りアルミホイールやフロントエンブレムなども装備。さらに、エアコン、4スピーカーハイファイステレオ、大型カラードドアミラー、ブロンズガラスなど数々の豪華装備も盛り込まれた。

「ミラパルコ キャンバストップ」の上面視

そして、1991年11月のマイナーチェンジでミラパルコに「ミラパルコキャンバストップ」が追加された。キャンバストップの開閉操作は電動で、前方には走行中の風の巻き込みを抑えるディフレクターも装着され、ハードトップモデルにはないカジュアル感と開放感が女性ユーザーから人気を集めた。

パルコキャンバストップの車両価格は97.6万円で、これはミラパルコの90万円前後の価格より約7万円高額となっている。ちなみに、3代目ミラの標準的な仕様の価格は59.8万円だった。

ミラ・ファミリー

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ミラパルコキャンバストップが登場したのは日本がバブル景気に沸いていた時期で、女性向けということもあるが、装備も豪華でかなり高額な軽自動車だった。それでも女性ユーザーから人気を集めた、バブル時代の申し子的なモデルだった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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