やっぱりV8は捨てられない

現在、世界では一部スーパーカーメーカーを除いて、8気筒エンジンは、時代にマッチしていないと逆風が吹いている。
レクサスでは「RC F」が11月に生産終了となり、「IS500」もクライマックスエディションで終焉を迎えると見られている。

もはやトヨタ・レクサスにV8は搭載されない可能性もあったが、まさかの復活だ。
次期高性能フラッグシップモデル、トヨタGR GT3スーパーカーの心臓部となる、新型V8エンジンの開発を発表した。
それだけではない。同じエンジンの近似バージョンが、レクサス スポーツコンセプトの市販モデルにも搭載される予定だ。
これは、近年のトヨタの最も野心的なプロジェクト2つを結びつけるものだろう。
開発初期段階から、GRブランドのフラッグシップモデルにはハイブリッドV8エンジンが搭載されるのではないかと予想されていた一方、BEVも予想されていた。
しかし、ファンの期待を裏切ることなく、8気筒エンジンを復活させることが確認された。
ジャパンモビリティショーで海外メディアに対し、トヨタのパワートレイン担当プレジデントである上原隆氏は、新型V8エンジンが開発中であることを明らかにした。
このエンジンは、ターボチャージャー付きの1.5リットルおよび2.0リットル4気筒エンジンとともに、トヨタの次期ラインナップに加わる予定だ。
同氏によると、新開発V8エンジンは最高のパフォーマンスを発揮する能力を備えており、低回転域でのトルクではなく、高回転域でのトルクを重視した燃焼室設計となっているとのことだ。
上原氏は、この新型パワートレインは、トヨタが今後発売予定の2.0リッター4気筒ターボエンジンと基本アーキテクチャを共有していると説明。
新型GRセリカに搭載予定の4気筒エンジンは、非電動化状態で最大406ps/ 298kWを発揮するとされており、その出力は実現可能と思われる。
トヨタの次世代スーパーカー「GR GT3」は、オートマチックトランスミッションを搭載する。
V8エンジンにはハイブリッドアシストが採用される可能性が高いが、ランボルギーニ、メルセデスAMG、BMWに搭載されているプラグインハイブリッドとは異なり、トヨタはセルフチャージングソリューションを採用すると予想されている。
トヨタのV8エンジン復活はGR GT3だけにとどまらない。
上原氏は、同じエンジンが異なる構成でレクサス スポーツコンセプトの量産型にも搭載されることを確認した。
また、今後登場予定の「RC」「LC」後継モデルにも搭載される可能性が出てきている。
LFAのスピリットを受け継ぐこのローダウンスポーツカーは、まもなく生産終了となるLCの後継モデルを示唆しているとも伝えられている。
レクサス スポーツコンセプトは、2シーターのキャビンに湾曲したデジタルクラスターとヨークスタイルのステアリングホイールが装備されている。
中央のディスプレイにはバッテリーと充電インジケーターが表示され、レイアウトはハイブリッド技術を強く示唆している。当初は完全電気自動車と思われていたが、量産型では電動アシストと新型V8エンジンを組み合わせる可能性が高くなってきた。
上原氏によると、V8エンジンには複数のバージョンが用意される予定で、一つは「ジェントル」、もう一つは「マッスル」と表現している。
前者は洗練されたレクサスに搭載され、後者はハードコアなトヨタGR GT3レーサーに搭載されると予想される。
12月5日に、いよいよトヨタGR GT3スーパーカーが発表されるとともに、V8エンジンが華やかに復活する日となる。













