ダイハツはコペンの生産を2026年後半に終了すると発表したが、次世代モデルの開発はすでにスタートしているようだ。

ダイハツ K-OPEN

最も注目されるのは、3ペダルはそのままに、後輪駆動方式を採用した新プラットフォームに移行することだろう。『K-OPEN』は今のところコンセプトカーとして登場しているが、いずれ市販モデルが登場すると確信する理由は十分にある。

ダイハツ K-OPEN

ダイハツは次期コペンが引き続き日本独自規格の軽自動車となるのか、それともグローバル展開の見込める普通乗用車枠へと進化するのかについては明言していないが、現段階では、ボディサイズが拡大され、軽自動車規格から普通車に進化するものと予想されている。

ダイハツはエンジンの詳細を明らかにしていないが、現行型コペンは63psの660cc直列3気筒ターボエンジンを搭載している。控えめな数字に聞こえるかもしれないが、マニュアルトランスミッション搭載で850kgという軽量な車両重量を考えると、十分なパワーだろう。ただし、普通乗用車に進化するとなれば660ccエンジンのままではないはずだ。

コンセプトカーの『K-OPEN』の丸型ヘッドライトは、スタイリング的に、2002年から2012年まで販売された初代コペンを彷彿とさる。ルーフを装着した画像がないため、このコンセプトモデルも現行モデルと同様にリトラクタブルハードトップを採用するものと推測できる。ダイハツが短命に終わったクーペバージョンをラインアップさせるかどうかは不明だが、少なくとも発売時にはオープンモデルのみの可能性が高そうだ。

ドライバー重視のインテリアはアナログデザインが強く意識されており、『Visionコンセプト』で見られたセンターディスプレイは廃止されている。5速マニュアルレバーの後ろには従来型のサイドブレーキが配置され、ほとんどの操作系はステアリングホイールに集約されているが、センターコンソールにはタッチセンサー式のボタンがいくつか配置されている。ドアハンドルは布製のループに置き換えられ、シートには十分なサイドボルスターが備えられている。

ダイハツはもちろんトヨタでも、この後輪駆動のコペンの開発には真剣に取り組んでいるようだ。『ジャパンモビリティショー2025』では、トヨタの佐藤恒治社長が「このコペンがどんなクルマになるのか、本当に楽しみです」と語り、また、「どれほど素晴らしいかを伝えるのは難しいかもしれませんが、これほどコンパクトなボディのフロントエンジン車で後輪駆動を実現したのは、本当に素晴らしいことです。エンジンを低く配置し、トランスミッションとプロペラシャフトを丁寧にパッケージングし、ペダルレイアウトを設計することで、すべてがこのボディにぴったり収まるように設計する必要があります」と付け加えてもいる。

次期コペンの発売時期は明らかにされていないが、現行モデルの生産が来年8月まで続くため、2027年より前には発売されない可能性が高いだろう。