従来の2.8Lキットを上回るピックアップの良さ!
Vカムとの組み合わせで圧倒的なパンチを実現!
ストップ&ゴーの多い市街地や高速クルージングは低中回転、走りを楽しむワインディングでは中高回転と、オールラウンドなストリートチューンドを目指すには全域でのポテンシャルアップが必要になる。

だからこそ、“カンサイサービス”はRB26DETTの誕生時からパワーとトルクのワイドレンジ化へと意欲的に取り組み、排気量アップがメジャーになる前のRBチューン黎明期には、レスポンスと風量をバランスさせたオリジナルタービンまで生み出してきた。

さて、そんなチューナーが“RBチューンドの究極形”を目指して製作したのが、3.0L+Vカム仕様のBNR34となる。元々は、2.8L+Vカム仕様にGTIII-4Rタービンをマッチングして全域トルク型を実現した1台だが、HKSから登場した「ショートブロックRB26 3.0L STEP3」で排気量を拡大し、ピーク値よりも低中回転領域のさらなる底上げを狙ったのだ。



赤:HKS 2.8L+GTIII-4R+Vカム+メタルキャタライザー(650.0ps/7100rpm & 76.5kgm/4300rpm)
「HKSのショートブロックは入手困難となっているエンジンブロックのリフレッシュが果たせる上に、ワイドレンジ化に欠かせない排気量を3.0Lにまで拡大できるのが魅力。2ピース化したピストンで引き上げている連桿比を考えれば、高回転まで活かせる仕様でセットアップすべきと分かっていますが、そこは敢えてスポーツキャタライザーを備えたストリートチューンドに拘って、最大トルク81.4kgmを誇る652ps仕様にまとめました。突き抜けた速さよりも扱いやすさを追求した、究極の贅沢仕様ですね」とは向井代表。

以前はレスポンス重視でGT2835ツインとしていたが、サージングが生じるためにGTIII-4Rシングルに変更。2.8Lから3.0Lに排気量を引き上げたことにより、ブースト圧を0.1キロ引き下げた1.3キロで650psを発生するようになった。

低中速トルクの乏しかったRB26DETTに革命を起こした、HKSのVカムシステム。インテーク側のバルブタイミングを可変制御して低中速トルクを稼ぎ出すアプローチは2.6Lだけでなく3.0Lでも手放せない。

インジェクターやサージタンクなどの補機類、ヘッド周りは2.8L仕様で投入していたアイテムを継続している。

排気系を最適化してブースト圧を高めれば800psオーバーも余裕で狙えるが、ストリートチューンドに拘ってスポーツキャタライザー付きでセットアップ。中間領域が頼もしい650ps仕様で仕上げている。


3.0L化した後もF-CON Vプロでのセットアップは可能だったが、Vカムを制御するバルコンが不要となるメリットを優先してプラグインモデルのLINK G4Xでトライ。それと同時にMFDをLINK MXGストラーダのマルチモニターに置き換えた。

2.8L化やVカムでも低中回転領域で物足りなさが少々残っていたビッグシングルターボのフィールを大きく変える、HKSの「ショートブロック RB26 3.0L STEP3」。セオリー通りにハイブーストでのハイパワーを狙うのもいいが、ストリートで圧倒的な性能を発揮するワイドレンジの要としても目を向けておきたい逸品だ。
●取材協力:カンサイサービス 奈良県奈良市小倉町1080 TEL:0743-84-0126
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